住宅の豆知識

住宅寿命に関わる屋根リフォーム「葺き替え」と「カバー工法」の違い

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屋根のリフォーム工事を行う場合 既存の屋根材、屋根材の劣化具合、補修・修繕方法、ご予算などによって 世帯ごとに最適なリフォーム・リノベーションプランが異なります。

比較的 小さなダメージ・劣化であれば 部分的な補修・修理を行うことで対処することが可能ですが、広範囲にダメージ・劣化の症状が見られる場合は 住宅の強度・耐久性の低下を招き 住宅の寿命を縮める原因となるため 大掛かりな屋根の修繕リフォーム・リノベーションを実施する必要があります。

現在 さいたま市にある多くの戸建て住宅で主流となっているスレート屋根の耐用年数は平均15年~25年とされており、耐用年数を最大限まで引き上げるためには 定期的なメンテナンスを行う必要があります。

しかし、地球温暖化による気候変動の影響により 記録的な猛暑、集中豪雨、強い勢力の大型台風の接近・上陸などの自然災害により 1年を通して穏やかで住み心地の良いさいたま市でも 耐用年数を迎える前に 屋根が破損・劣化してしまうケースがあります。

ここでは 住宅の強度・耐久性を防ぐ 広範囲な屋根リフォーム・リノベーションのなかで もっとも主流となっている2つの屋根工事「葺き替え」と「カバー工法」についてご説明します。

屋根の葺き替えリフォームとは

経年や自然災害などで劣化・破損した古い屋根材を撤去し 新しい屋根材に張り替える 屋根リフォームを「葺き替え」と言います。

屋根の葺き替えリフォームでは 普段は目にすることのない屋根の内部にある 野地板やルーフィング ( 防水紙 または 下葺き材) なども まとめて新しいものに交換されるため 住宅の耐久性・防水性が新築時に近い状態にまで戻り 住宅の寿命を長持ちさせることができます。

しかしながら、屋根の葺き替えリフォームは ほかの屋根リフォームと比べ ややリフォーム費用が高く 施工期間も長めとなります。

葺き替えリフォームを実施する際には ご予算や施工期間にある程度の余裕が必要となります。

屋根の葺き替えリフォームにかかる費用相場

屋根の葺き替えリフォームを行う場合、屋根の状態や施工面積などによって若干異なりますが 一般的な30坪の戸建て住宅であれば およそ100万円~が相場となります。

気になる葺き替えリフォーム費用の1m2あたりの内訳ですが、

  • 既存屋根材の撤去費用:1,500円~
  • 屋根の下地材 (野地板) の補修費用:2,000円~
  • ルーフィングシートの交換費用:600円~
  • 仮設足場費用:500円~
  • 管理費、諸経費:施工費用の5%~10%もしくは数万円

このようになっています。

新しく葺き替える屋根材につきましては、ご家族がお選びになった屋根材の種類によって価格が大きく異なります。葺き替えリフォームに使用したい屋根材がございましたら 四季彩ホームまでご相談ください。

葺き替えリフォームにおすすめの屋根材

屋根の葺き替えリフォームでは 古くなった屋根材を新しい屋根材と交換することになるのですが、新しい屋根材に何を求めるのかによって 大きく変わってきます。

屋根材の耐久性・耐用年数を重視したい

耐久性のみを重視するのであれば お手入れ・メンテナンスを定期的に行うことで 平均50年以上も長持ちする瓦屋根を選ぶのがおすすめです。

しかし、瓦屋根は 耐震性・省エネ性などを重視する現代の住宅設計には適していないため リフォーム業者によっては 瓦屋根による葺き替えリフォームはできない とお断りされる場合があります。

瓦屋根と比べ 平均耐用年数30年~40年とやや劣りますが 耐震性・防水性・防火性が高く 軽量なガルバリウム鋼板を選ぶと良いでしょう。

リフォーム費用を抑えたい

1m2あたり3,500円~12,000円のアスファルトシングル もしくは 1m2あたり4,000円~8,000円のスレート屋根を選ぶと良いでしょう。

ただし、アスファルトシングルは 表面をアスファルトでコーティングされたシート状の屋根材になりますので 強風による剥がれ・めくれが起こりやすく 水に濡れると乾きにくいため コケや藻が生える可能性があります。

一方 スレート屋根は、1m2あたりの価格が安いぶん やや割れやすく汚れが目立ちやすいため 10年に1度のペースでお手入れ・メンテナンスを行う必要があります。

また、どちらも屋根材の耐久性が低いので 本来の耐用年数まで持たせることができない可能性があります。

外観デザインにこだわりたい

屋根は 外壁よりも直射日光を受けやすく 色褪せや汚れが目立ちやすいことから 日本では 以前より黒系や茶系といった暗めの落ち着いた色味の屋根材を使用するのが一般的とされています。

しかし、外壁のデザイン性が向上したことで 屋根のデザインや色にもこだわりたいと考えるご家族も増えています。

多彩なデザインと豊富なカラーバリエーションが人気のスレート屋根は、外観デザインにこだわりたいご家族にピッタリな屋根材といえるでしょう。

屋根リフォームのひとつ カバー工法とは

カバー工法とは、経年や自然災害などによる破損・劣化が比較的軽度である場合やスレート屋根などのリフォームする際に行われる屋根工事のひとつです。

既存の屋根の上に 新しい屋根材を重ねるかたちで工事を行うことから「重ね葺き」または「カバールーフ工法」とも呼ばれています。

カバー工法は 古くなった屋根材をすべて剥がして新しい屋根材へと張り替える 葺き替えリフォームとは違い、 解体・撤去作業を必要としないため 短期間かつ低コストで屋根リフォームができると人気がありますが、既存屋根の種類、屋根の形状、破損・劣化状態などにより カバー工法による屋根リフォームができない場合があります。

屋根のカバー工法にかかる費用相場

カバー工法による屋根リフォームは 屋根材の種類、屋根の形状、破損・劣化状態、施工面積などによって異なりますが 1m2あたり8,000円~10,000円ほどであり 一般的な30坪の戸建て住宅であれば およそ80万円~が相場となります。

カバー工法による屋根リフォーム費用の内訳ですが、

  • 既存棟板金等の撤去費用:30,000円~
  • 屋根の下地材 (野地板) の補修費用:500円~
  • ルーフィングシートの敷設:600円~
  • 棟板金の施工費:5,000円~
  • 換気棟の施工費:20,000円~
  • 軒先、ケラバ、谷板金の処理費:2,500円~
  • 仮設足場費用:500円~
  • 管理費、諸経費:施工費用の5%~10%もしくは数万円

このようになっています。

重ね葺きに使用する新しい屋根材につきましては、ご家族がお選びになった屋根材の種類によって価格が大きく異なります。

カバー工法による屋根リフォームに使用したい屋根材がございましたら 四季彩ホームにご相談ください。

屋根のカバー工法に向いている家と向いていない家

カバー工法による屋根リフォームは 既存の屋根材の上に 新しい屋根材を重ねる屋根工事であるため、お住いの住宅によっては カバー工法による屋根リフォームに適していない場合があります。

カバー工法による屋根リフォームに適した住宅

  • 既存の屋根材に凹凸が無く フラットな状態である
  • 葺き替えリフォームでは予算オーバーになってしまう
  • 既存の屋根にアスベストが含まれている
  • 15年以内に 住宅の解体もしくは引っ越しを考えている

カバー工法による屋根リフォームに向いていない住宅

  • 屋根の構造や下地に雨漏りの形跡がみられる
  • 屋根材の破損や劣化が著しい
  • 地震の発生時、住宅が よく揺れる
  • 15年以内に大規模な住宅リフォームを実施する
  • 新しい屋根材にスレート屋根や日本瓦を使いたい

葺き替えとカバー工法 それぞれのメリット・デメリット

屋根の耐用年数は 屋根材の素材、お住いの地域の気候、住宅の周辺環境などによって異なりますが 平均25年~35年ほどで寿命を迎えます。

そこで、屋根が寿命を迎える前に 屋根の点検・メンテナンスを行い 経年や自然災害によって生じた破損・劣化を補修・修理し 屋根本来の機能・性能を回復させることが大切です。

比較的軽度な破損・劣化であれば 部分的な補修・修理や屋根塗装などを行うことで屋根の機能・性能を回復させることができますが、中度~重度の破損・劣化がみられる場合は 葺き替え もしくは カバー工法による屋根リフォームを行う必要があります。

いたま市のリフォーム業者では 大掛かりな屋根リフォームを行う場合、既存の屋根材を丸ごと撤去して新しい屋根材に張り替える 葺き替えを提案することが多いのですが、なかには 屋根の葺き替えリフォームに適さない住宅もあり 必ずしも 葺き替えリフォームが良いとは言えません。

屋根の葺き替えリフォームとカバー工法による屋根リフォーム それぞれのメリット・デメリットを知り、どちらの屋根リフォームが適しているのかを ご家族で話し合うことが屋根リフォームを成功させるポイントになります。

葺き替えリフォームの主なメリット・デメリット

メリット

  • 根材と併せて屋根の下地材もすべて交換できる
  • 軽量かつ耐久性に優れた屋根材を選ぶことで住宅の耐震性が向上する
  • 屋根だけでなく住宅の寿命が延びる
  • 火災保険を活用したリフォームが可能

デメリット

  • ほかの屋根リフォームと比べ ややリフォーム費用が高め
  • 屋根を丸ごと一新するため施工期間が6日~8日間と長い
  • ご近所さんとの騒音・ホコリによるトラブルが発生することがある

カバー工法による主なメリット・デメリット

メリット

  • 住宅の断熱性、遮音性、防水性が向上する
  • 人件費や廃材の撤去費用などが発生せず リフォーム費用が安い
  • 施工期間が平均3日~5日間と短い
  • アスベストの処理に必要な追加費用が発生しない
  • ご近所さんとの騒音・ホコリによるトラブルが起こりにくい

デメリット

  • 屋根の構造や下地など内部の補修・修理は対象外
  • 屋根が原因で発生した雨漏りのリフォーム費用が高額となる
  • 住宅の重量増加により 耐震性に影響する可能性がある
  • カバー工法に使用できる屋根材が軽量な金属系に限定される
  • 原則 瓦屋根にはカバー工法による施工ができない
  • 火災保険の申請ができない

屋根の補修・修理にお悩みの際は 四季彩ホームにお任せください!

経年や自然災害による破損・劣化により 屋根がダメージを受けてしまった場合、何の対策もせずに そのまま放っておくと 雨漏りによる構造躯体の腐朽、カビ・ダニ・シロアリの発生など さまざまな住宅トラブルを引き起こす原因となります。

四季彩ホームでは 住宅の築年数、屋根の形状、既存屋根材の状態などを確認したうえで 経年による劣化が原因で屋根が破損してしまった場合には ご予算に応じたカバー工法による屋根リフォームプランを、自然災害によって生じた破損には 火災保険を活用した葺き替えリフォームプランを それぞれご提案させていただいております。

ぜひ 屋根リフォームでお困りの際は 四季彩ホームにご相談ください。

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