住宅の豆知識

窓のサイズを変えるリフォームで室内環境を良くしよう

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太平洋側気候の影響により 1年を通して穏やかで住みやすい気候のさいたま市ですが、温室効果ガスの影響による地球温暖化により 地球の温度が上昇し 自然界のバランスが崩れてしまうと 洪水・豪雨・干ばつ・猛暑といった気候変動が多発し 日常生活が脅かされています。

住み心地の良い快適な暮らしを実現するためには 室内の温熱環境を良好な状態に保つ必要があります。

温熱環境とは、室内の空間を構成する6つの要素「空気温度」「湿度」「放射 (輻射)」「気流」「着衣量」「運動・活動量」のうち 着衣量と運動・活動量を除く4つの要素によって成り立っています。

温熱環境による室内環境の快適性は 住宅を取り巻く環境によって大きく異なるため およそ80%の人が快適だと感じられる室内空間を実現することがポイントになります。

なかでも 「温熱の出入り口」とされる 住宅の内側と外側をつなぐ“窓”は、室内環境を良好な温熱環境へと導くための重要な設備になります。

ここでは、ご家族にとって快適な室内環境を実現させるために欠かせない 窓のリフォーム・リノベーションについてご説明します。

大きいサイズの窓で 室内を明るく開放的な空間に

日本では 古くから住宅の南側に大きな掃き出し窓とそこへと続く広縁を設けるのが一般的であったため、現代でも リビングやダイニングなど 家族が集まる空間には 明るく開放的な室内空間を演出できる大きな窓の設置を希望されるご家族もたくさんいます。

ところが 省エネ・エコ意識が高まっている さいたま市では、これまでの明るく開放的な室内空間よりも冷暖房効率の良い良好な温熱環境を実現できる高気密高断熱住宅へのリフォーム・リノベーションに関心が集まっており 大きいサイズの窓の採用を見送るご家族もいます。

しかしながら、さいたま市にお住いの子育て世帯などでは 住宅リフォーム・リノベーションにて リビングやダイニングなど家族が集まる場所を明るく開放的な空間にできる大きいサイズの窓を設置したいとお考えのご家族も少なくありません。

現在ご使用中の窓から大きいサイズの窓へ交換リフォーム・リノベーションを行う際には、まず大きいサイズの窓を設置するメリット・デメリットについて事前に確認しておくことがリフォーム・リノベーションを成功させるポイントです。

◎大きいサイズの窓を設置する主なメリット

  • 日射を取り込みやすく 明るく開放的な室内空間を演出
  • 通風性が良く 効率的な自然換気を期待できる
  • 冬場は日射による影響で暖房効果が高まる
  • 人目を引く華やかでインパクトのある外観デザインに仕上がる

×大きいサイズの窓を設置する主なデメリット

  • 住宅の断熱性が低下しやすく 良好な温熱環境を実現できない
  • 壁や柱の設置が難しく 住宅の耐震性や耐久性に影響が出る
  • 夏場は日射の影響により冷房効率が悪くなる
  • 家のなかが丸見えになりやすく 家族のプライバシーを守りにくい
  • 空き巣や詐欺被害に合わないよう きちんとした防犯対策が必須となる
  • 壁面が少なく 家具などを置けるスペースを確保するのが難しい
  • 窓ガラスの開閉が重く お手入れも面倒

大きいサイズの窓へのリフォームを成功させるポイント

既存の窓から大きいサイズの窓に交換リフォームする場合、大きいサイズの窓を設置することで生じるデメリットをおおむね解消することが重要となります。

窓ガラスの選び方

大きいサイズの窓への交換リフォームを行う場合、室内環境の良好な温熱環境を実現するために欠かせない住宅の気密性と断熱性の向上です。

現在さいたま市にて主流となっている窓ガラス「フロート板ガラス」は平滑性・透視性・採光性に優れた歪みの少ない透明な板ガラスですが、住宅の気密性や断熱性、家族のプライバシー保護、日射遮蔽性などに乏しく室内の温熱環境を良好な状態に保つことができません。

大きいサイズの窓に交換リフォーム・リノベーションする際は、複合ガラス・Low-E複合ガラス・真空ガラス・エコガラスといった機能性ガラスを選ぶと良いでしょう。

窓サッシの選び方

高性能な窓ガラスの機能性を最大限に発揮させるには 窓サッシも高性能なものに交換すると良いでしょう。

窓の開閉がしやすく 耐候性・防火性・耐久性を重視したいとお考えならば アルミニウム合金製の窓サッシを選ぶと良いでしょう。

ただし、アルミニウム合金製の窓サッシは熱伝導率が非常に高いため 冷暖房効率が悪い、結露の発生による住家トラブルが起こりやすい、カビ・ダニの発生によるご家族への健康被害が心配されます。

窓サッシの気密性・断熱性を向上させ 良好な温熱環境を実現したいとお考えであるならば 熱伝導率が低く 結露が発生しにくい木製サッシ、熱伝導率が低く 断熱性の高い樹脂サッシを選ぶと良いでしょう。

小さいサイズの窓は 省エネ・エコ対策に有効

さいたま市では、SDGsやCOP26などをきっかけに家庭から排出される二酸化炭素量を削減しようと 省エネ・エコ意識が高まっており、小さいサイズの窓への交換リフォーム・リノベーションをご検討されるご家族が増えています。

窓を小さくすることで 窓からの熱損失を最小限に抑えられ 冷暖房効率が良くなり省エネ・エコ対策に繋がりますが、その一方で 採光性・通風性が不足し 住み心地の悪い住宅となってしまうおそれがあります。

既存の窓を小さいサイズの窓へと交換リフォーム・リノベーションを行う際には、小さいサイズの窓を設置するメリット・デメリットについて 事前に確認しておき ご家族が理想とする良好な温熱環境になるよう リフォーム業者を交えて しっかりと話し合うことが大切です。

◎小さいサイズの窓を設置する主なメリット

  • 住宅の断熱性が向上し 室内環境の良好な温熱環境を実現
  • シンプルな外観デザインに仕上がる
  • 家族のプライバシーを守り 空き巣や詐欺などの防犯対策につながる
  • 壁面が多く家具などを配置できるスペースに困らない
  • 小さなお子さまの転落リスクを防げる
  • 耐力壁や筋交いを入れやすく 住宅の強度・耐久性が上昇

×小さいサイズの窓を設置する主なデメリット

  • 採光性に欠けるため 日中でも室内が暗い
  • 風通しが悪く 自然換気量が少ない
  • 窓からの景観を楽しめない
  • 外観デザインに ご家族の個性が出にくい
  • 圧迫感や閉塞感を感じやすい

小さいサイズの窓へのリフォームを成功させるポイント

既存の窓から小さいサイズの窓に交換リフォームを行う場合、小さいサイズの窓を設置することで生じるデメリットをおおむね解消することがリフォームを成功させるポイントになります。

窓ガラスの選び方

小さいサイズの窓への交換リフォームをお考えであるならば、断熱性・防露性・遮熱性など 住宅性能を向上させる機能性ガラスを選ぶと良いでしょう。

なかでも 2枚の板ガラスのあいだに空気の層が閉じ込められている複層ガラス、屋外側の板ガラスにLow-E膜と呼ばれる特殊な金属膜がコーティングされたLow-E複層ガラス、2枚の板ガラスのあいだを真空状態にすることで魔法瓶と同じ効果を発揮する真空ガラスなどは 窓から逃げる熱を最小限に抑えることができます。

窓サッシの選び方

窓サッシ選びで大切なポイントは 既存住宅の間取りや住宅性能と相性の良いものを選ぶことです。

たとえば アルミニウム合金を材質とする窓サッシは 耐久性が高く 比較的お手頃な価格であるため 高度経済成長期のころから多くの住宅に採用されています。

しかし、アルミニウム合金は 熱伝導率が非常に高く 冷暖房効率の低下や結露を発生させる原因となり 室内環境の良好な温熱環境を目指すのには不向きとなります。

小さいサイズの窓 最大の魅力である断熱性の高さを活かすため 熱伝導率が低く 結露が発生しにくい 樹脂サッシもしくは木製サッシを選ぶと良いでしょう。

窓のサイズを変更するリフォーム時の注意点

窓のサイズを大きくしたり 小さくしたりすることで 住宅全体の温熱環境が大きく変化します。

しかし、窓のサイズを変更するリフォーム・リノベーションを行う際には 建築基準法にて定められた基本ルールを守る必要があります。

①窓のサイズは部屋の床面積1/7以上

建築基準法には 必ず日射を取り入れるための窓を部屋に設置することと定められていますが、どのような大きさやサイズの窓でも良いというわけではありません。

部屋に日射を取り込むうえで有効とされる窓の面積「有効採光面積」を よく考えたうえで 適切なサイズの窓を設置する必要があります。

一戸建て住宅の場合、建築基準法では「有効採光面積が部屋の床面積1/7以上なければならない」と定められていますので 部屋の面積が7畳の場合 有効採光面積は1畳以上必要ということになります。

既存の窓を小さいサイズの窓に変更する、窓を撤去して壁面にするといったリフォーム・リノベーションを行い 有効採光面積が部屋の床面積1/7未満になってしまった場合、部屋として認められませんので注意しましょう。

②自然換気量の確保には部屋の床面積1/20以上

建築基準法28条 第2項にて「換気上有効な開口部の面積は 部屋の床面積1/20以上」とあります。

これは 窓を開けて屋内の汚れた空気と屋外の新鮮な空気を入れ替える 自然換気に必要な換気量を確保するためのものであり、自然換気を行ううえで必要な窓・ドアなど開口部の合計面積が 部屋の床面積1/20未満である場合 換気無窓の居室となり 24時間換気システムなど機械換気設備の導入・設置が必須となります。

なお、引き違い窓ならば 窓面積1/2以上、外倒し窓ならば 窓を開けた際の角度が45度以上であれば 換気上有効な開口部となります。

③住宅の強度・耐震性の低下を招く場合はリフォームできない

日本で主流となっている木造住宅は 主に軸組工法によって建てられています。

軸組工法は 上から圧力が加わった場合 柱や梁などで住宅を支えることができますが、横からの圧力には弱いため 筋交い・耐震金具・合板などを使い 壁の強度を上げることで 横からの圧力にも耐えられるよう 住宅の構造を強化しています。

このような木造住宅における構造の強度を補強する壁を耐力壁と言います。

耐力壁は 一般的な間仕切り壁とは違い 木造住宅の強度・耐震性を向上するためにバランス良く配置されており 耐力壁のサイズや窓の配置は 住宅の設計段階で 建築基準法にて定められた耐震基準を満たすように構造計算され 建築工事が行われています。

そのため リフォーム・リノベーションによって 窓のサイズや配置が変わってしまうと 壁の形状も大きく変わり 住宅の強度・耐震性に影響を与える可能性があります。

住み心地の良い快適な温熱環境を目指すなら「窓」にこだわりましょう。

窓のリフォーム・リノベーションは キッチン・浴室・トイレなどの住宅設備のリフォーム・リノベーションと比べると 室内環境に大きな変化は感じられませんが 温熱環境の改善、冷暖房効率の向上、結露が発生しない など これまでの日常生活とは違った 住み心地の良さと快適性を確実に感じることができます。

四季彩ホームでは、室内環境の快適性と良好な温熱環境を実現するため 一般的な窓のサイズを変更するリフォーム・リノベーションだけではなく 防音性・防寒性・日射遮蔽性・防犯性といった 住宅性能を向上させる窓ガラス・窓サッシのご相談も行っています。

また、窓のリフォーム・リノベーションにかかる費用を抑えたいとお考えの際には 窓のサイズは そのままに 窓ガラスや窓サッシを高性能なものに変えて 良好な温熱環境に導くリフォームプランもご提案しております。

ぜひ お気軽にご相談ください。

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