住宅の豆知識

さいたま市にて住宅のバリアフリーリフォームを始めるポイント

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さいたま市では これまでに交通バリアフリー法に基づく「さいたま市交通バリアフリー基本構想 (旧基本構想)」の策定や バリアフリー法の施行ならびに政府の基本方針改正などを踏まえた「さいたま市バリアフリー基本構想」を策定し 行政・民間・市民が一体となり まちのバリアフリー化に取り組んできました。

しかし、総務省統計局が行った「平成30年 住宅・土地統計調査 住宅の構造等に関する集計」によると 高齢者や要介護・要介助者が住む 住宅のバリアフリー化率は 2013年と比べて1.2ポイント上昇したものの42.4%と低く 未だに50%を下回っています。

現代日本における高齢者の人口は 1950年以降 増加傾向にあり、なんと総人口に占める高齢者人口の割合は およそ30%と過去最高となり 2040年には 総人口の35.3%を高齢者が占めると見込まれています。

また、内閣府が行った調査によると 2006年から2018年までの12年間で 障がい者数が655.9万人から936.6万人と 300万人近く増加しており 国民のおよそ8%が心や身体に何かしらの障がいを抱えていることが明らかとなりました。

ここでは、高齢者や要介護・要介助者だけではなく 妊娠中の女性、病気・ケガなどで車椅子生活を送っている人、小さなお子さまなど 年齢・性別 問わず 誰もが安心・安全に暮らせる快適な住環境を実現できる多様なライフステージに合わせた住宅のバリアフリーリフォームのポイントをご紹介します。

バリアフリーリフォームとは

ここ数年 さいたま市では、30歳代の若年層世帯から40歳・50歳代の中壮年世帯を中心に 将来を見据えたバリアフリーリフォーム・リノベーションへの潜在需要が高まっています。

しかし、ひとくちに「バリアフリーリフォーム」と言っても、デザイン性や取り入れ方は 世帯ごとに さまざまであり、将来どのような住宅のバリアフリー化が必要となるのか 想像のつかないご家族もたくさんいます。

とくに 若くて元気いっぱいな若年層世帯では、どの箇所を どのようにバリアフリー化すべきかを決めるまでに 相当な時間がかかってしまい、結果 バリアフリーリフォーム・リノベーションを諦めてしまうといったケースも少なくありません。

バリアフリーリフォームの「バリアフリー」とは、65歳以上の高齢の方、精神・身体機能に障害のある方が 日々の日常・社会生活を営むうえで 障壁 となっているものを1つずつ取り除いていくことです。

もともとは 建築用語として用いられていた言葉だったのですが、時代の流れと共にさまざまな分野でも「バリアフリー」という言葉が使用されるようになりました。

いまでは 高齢者・心身障がい者だけではなく、小さな子どもや妊娠中の女性など すべての人が 安心・安全に社会参加ができ 自由で快適な日常生活が営めるよう“バリアを取り除く”という広い意味で使用されています。

バリアフリーリフォームとSDGsの関係性

近年 テレビ・新聞・インタネットなどで よく「SDGs」という言葉を見かける機会が増えましたが、実際にどのような取り組みのことを指しているのか詳しくご存知の方は あまり多くはありません。

SDGsとは、2015年9月 国連サミットにて全会一致で採択された持続可能な開発目標であり 『誰ひとり取り残さない』をスローガンに 17のゴールと169のターゲットで構成されています。

一見 バリアフリーリフォーム・リノベーションと関係の無いように思われますが、住宅をバリアフリー化することで 持続可能な国際社会や開発を目指すSDGsの目標1「貧困をなくそう」目標11「住み続けられるまちづくりを」など さまざまな開発目標の達成条件を満たすことができます。

しかし、世間一般では「バリアフリーリフォーム = 高齢者や要介護・要介助者向け住宅リフォーム」というイメージが強く 住宅のバリアフリー化の重要性についてご存知のご家族は多くありません。

バリアフリーリフォーム・リノベーションとは 高齢者や要介護・要介助者だけではなく、小さな子どもや妊娠中の女性など 年齢・性別・障害の有無などに関わらず 家族全員が安心・安全に暮らせる快適な住まいを実現するために必要な住宅リフォーム・リノベーションになります。

これをきっかけに 家族も自分自身も 誰ひとり取り残さない安心・安全で住み心地の良い持続可能な暮らしを実現するためにも 住宅をバリアフリー化について前向きにご検討されてはいかがでしょうか。

住宅のバリアフリー化におすすめの箇所

高齢者や心身機能に障がいのある方にとって、住宅内にある ちょっとした段差や 滑りやすい床などは 大きな事故やケガに繋がる可能性があります。

現在お住いの住宅をリフォーム・リノベーションにて バリアフリー化することで 高齢者・心身機能に障がいのある方だけではなく 小さなお子さまや妊娠中の女性など 年齢・性別・障害の有無に関わらず すべての人が安心・安全に暮らせる住み心地の良い快適な住宅を実現することができます。

住宅のバリアフリー化を行うにあたり どのようなリフォーム・リノベーションを実施すべきか お悩みのご家族も多いのではないでしょうか。

バリアフリーリフォーム・リノベーションの基本は 年齢・性別・障害の有無を問わず ご家族全員の安全性の確保と身体への負担を考慮することが重要となります。

そのため 住宅のバリアフリー化にかかる費用は 数百万円が平均となっており、なかなか手が出せないご家族も少なくありません。

しかし、バリアフリーリフォーム・リノベーションのなかには 数万円ほどで実施できるものも多々あります。

なかでも 手すりの取り付けや段差の解消といったリフォーム・リノベーションは、家計への負担が少なく 予算範囲内でできる住宅のバリアフリー化におすすめの箇所になります。

手すりの取り付けポイント

手すりを効果的に取り付けることで 廊下・階段での転倒・転落リスクの予防、トイレ・浴室などの立ち座り動作をサポート、身体バランスの補助、歩行誘導の助け など日常生活における安全性の確保や家庭内事故の予防が可能となります。

手すりは 廊下や階段といった通路だけではなく 寝室・浴室・トイレ・玄関など住宅内のあらゆる場所に設置することができ 高齢者・心身障がい者の安心・安全な日常生活を支援します。

手すりの種類

横型タイプ

廊下・階段の移動時や立ち座り時に便利な手すりになります。

手すりの形状にもよりますが、横型タイプであれば 起立中の姿勢を安定させやすく 伝い歩きによる移動も比較的楽になります。

浴室・トイレなどで座った姿勢を安定させる際にも横型タイプの手すりはとても便利です。

縦型タイプ

湯船から上がるときや トイレの便座から立ち上がるとき など 身体を上に持ち上げる必要のある動作を取る必要がある場合、足腰に力が入らないと転倒してしまう恐れがあります。

縦型タイプの手すりを設置することで手の力だけで身体を上に持ち上げられるよう補助することができ 安全に立ち上がることができます。

また、縦型タイプの手すりを浴室・トイレなどの扉の近くに設置することで 扉や戸の開閉しやすくなり 室内への出入りを安定して行うことができるようになります。

L字型タイプ

横型タイプと縦型タイプ 両方の良いところを活かした手すりになります。

主に 浴室やトイレといった動作の多い場所に設置されていることが多く 転倒など家庭内事故リスクを軽減する有用性が高いと期待されています。

段差の解消ポイント

住宅内の段差を効果的に解消することで つまづきによる転倒リスクを防ぐことができます。

段差の解消には まずリビング・寝室・浴室・トイレ・玄関・階段など ご家族の利用頻度の高い場所から優先的に解消していくと良いでしょう。

とくに 数cmほどの低い段差は 大きな段差と比べて 転倒リスクが高いため 玄関や階段よりも 各部屋の出入り口付近の敷居からバリアフリーリフォームを始めることをおすすめします。

住宅内の段差を解消するリフォーム方法

床の高さを揃える

床の段差を解消するもっとも代表的なリフォーム・リノベーションとして 床面の高さを均一に揃える方法があります。

廊下と部屋のあいだには扉や戸の開閉時に欠かせない「戸枠」と呼ばれる出っ張りや「敷居」と呼ばれる溝のついた数cmほどの横板が設置されています。

家庭内事故は こうした敷居につまづいたことによる転倒事故によるものが多いため 住宅内にある敷居をすべて取り去り 廊下と部屋の行き来をスムーズにすることが重要になります。

屋内用スロープを設置

予算の都合上 床の高さを均一に揃えるバリアフリーリフォームを行うことが難しい場合は、戸枠・敷居の部分に屋内用スロープを取り付けるだけでも つまづきによる転倒リスクを軽減させることができます。

屋内用スロープには ビスを使って床面にしっかりと固定することができるタイプや床面に設置するだけの簡単な置き型タイプなど さまざまな種類があります。

目的や用途に応じて スロープの設置タイプを選びましょう。

【2021年度】さいたま市 住宅バリアフリーリフォームの補助金制度

さいたま市では、要支援・要介護の認定を受けている65歳以上の高齢者を対象に 介護保険制度、要介護高齢者居宅改善費補助事業、居宅改善整備費補助事業といった補助金・助成金制度を実施することで 安心・安全に暮らせるバリアフリー住宅へのリフォーム・リノベーションを推進しています。

しかし、要介護・要支援の認定を受けていない65歳以上の高齢者の場合、介護保険制度などの助成制度を利用することができません。

そこで さいたま市では 介護・支援の認定を受けていない65歳以上の高齢者が 今後要介護・要支援の状態にならないよう 独自の補助金・助成金制度を設けることで 住宅のバリアフリー化を進める取り組みを行っています。

介護保険との併用による住宅リフォームについて

現在さいたま市では、

  • 介護予防高齢者住環境改善支援事業
  • 要介護高齢者居宅改善費補助事業
  • 居宅改善整備費補助事業

これら3つの高齢者向けバリアフリーリフォームに関する補助・助成金制度を実施しています。

2007年4月に施行された介護保険制度のサービスのひとつに「住宅改修費用の支給」が含まれてはいますが、これは各自治体独自で行っている高齢者向けバリアフリー住宅リフォームの助成制度とは違い 介護認定レベルに関係なく高齢者1人あたり最大18万円支給されることになっています。

しかし、介護保険を利用した住宅のバリアフリー化へのリフォーム・リノベーションに対する助成金支給対象の条件は、

  • 要介護認定にて要介護または要支援に認定されている
  • 福祉施設に入所しておらず、病院にも入院していない
  • リフォームを行う住宅の住所が被保険者の住所と同一であり、実際に本人が居住している

この3つであり、これら3つすべての条件を満たしていることが必須となっています。

そのため 1つでも条件に当てはまっていないと介護保険の申請ができないデメリットがあります。

さいたま市内には 介護保険と各自治体の助成金支給対象条件の両方を満たしている高齢者・障がい者もたくさんいますが、併用可能かどうかは各自治体によって異なります。

介護保険や各自治体で実施されている補助・助成制度を利用したバリアフリーリフォーム・リノベーションをお考えのご家族は 1度 お住いの地域を管轄している保険福祉局福祉部障害支援課に相談されることをおすすめします。

障がいを持つ子どもの居る世帯を対象とするリフォーム助成制度

現在さいたま市にて実施されている住宅のバリアフリーリフォーム・リノベーションの多くは「大人」の目線で行われており、障がいを持つ子どもにとっては住み心地の悪いバリアフリー住宅となっています。

そこで さいたま市では、高齢者や障がいを持つ大人と同じく 障がいを持つ子どもたちも 安心・安全に暮らせる住宅づくりをサポートするため 障がいを持つ子どもの親御さんを対象に「重度身体障がい者(児)居宅改善整備費の補助」を実施しています。

重度身体障がい者(児)居宅改善整備費の補助とは、身体障がい者手帳をお持ちの肢体不自由者(児) が 安心・安全に暮らせる住宅づくりを支援するため 障がいを持つ子どもの目線になって住宅の一部をバリアフリー化する際に 必要となるリフォーム・リノベーション費用を さいたま市が補助するために設けられた助成制度です。

残念ながら 日常生活用具等の給付対象となる改修等については 助成制度の対象外となってしまいますが、申請を行うことで住宅の改修費用2/3 (限度額30万円)を受け取ることができます。

「重度身体障がい者(児)居宅改善整備費補助」を利用する際の注意点

さいたま市が実施する「「重度身体障がい者(児)居宅改善整備費の補助」等の助成制度は、現時点で 発達が気になる子ども向けのバリアフリー化に関する申請可能な補助・助成制度がなく 原則実費でのリフォーム・リノベーション工事となります。

しかし、リフォーム・リノベーション工事の内容によっては 将来を見据えた住宅のバリアフリー化 または 省エネ化対象リフォームとして 認められるケースがあります。

子どもの障がいある・なし 問わず、さいたま市には 住宅のバリアフリー化を支援する多種多様な 住宅リフォーム向けの助成制度や減税制度がございますので、利用可能な補助金・助成制度や減税制度がないか 契約前に 家族や工務店・リフォーム会社としっかりと打ち合わせすることが大切です。

家族の誰ひとり取り残さない バリアフリー住宅リフォームを始めませんか?

福祉のまちづくりを目指すさいたま市では、年齢・性別・障害の有無に関わらず 住宅のバリアフリー化をお考えのご家族を対象に 介護保険と併用して利用することができる バリアフリーリフォームへの補助金・助成金制度を実施しています。

四季彩ホームでは、誰ひとり取り残すことなく 家族全員が不自由なく安心・安全で快適な日常生活を営める住宅へのリフォーム・リノベーションをご提案させていただいております。

バリアフリー住宅へのリフォーム・リノベーションをお考えの際は ぜひ四季彩ホームまでご相談ください。

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