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雨漏り・漏水トラブルを見つける診断方法の種類について

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さいたま市は これまで1年を通して降水量が少なく 比較的穏やかで過ごしやすいまちとして知られていました。

しかし、近年は 地球温暖化に伴う異常気象の影響により首都圏を中心に豪雨・大型台風・大雪などによる住家トラブルが増加傾向にあります。

そのなかでも とくに増えているのが 住宅の雨漏り・漏水リスクです。

国土交通省より公表された「住宅瑕疵担保責任保険における事故率」によると、すでに保険金の支払いが完了している事故のうち住宅内への雨水の侵入を防ぐ部分が81%と大部分を占めており、その割合は1号保険および新築2号保険で90%、2号保険 (新築2号保険を除く)で80%となっています。

これにより、雨漏りによる住家トラブルの多くが築後1年未満で およそ20%と最多であり、築後2年未満~10年未満の住宅では5%~10%ほどで雨漏りが発生しています。

雨漏り・漏水による住家トラブルは 築年数を問わず発生する可能性がありますので 天井にシミ汚れがある、雨が降ると床が濡れる、壁にカビが発生している など 少しでも住まいに違和感を覚えたら 雨漏り・漏水している可能性がありますので、早急に対処する必要があります。

ここでは 雨漏り・漏水が発生する主な原因と 雨漏り・漏水の発生源を見つけ出す主な診断方法についてご説明します。

雨漏り・漏水の主な原因

雨漏りと漏水 どちらも住宅内に“水”が浸入して さまざまな住家トラブルを引き起こす原因をあらわす言葉として使用されますが、リフォーム業者のあいだでは「雨漏り」と「漏水」は まったく意味の異なる言葉として使用されています。

雨漏りとは

雨漏りとは、雨水など外部から住宅内部へと侵入した水によって起こる住家トラブルになります。

主な侵入経路は 自然災害や経年などによって生じた屋根・外壁などの破損・劣化による隙間であり、ご家族の知らないうちに住宅の構造躯体や基礎を蝕んでいきます。

居住スペースにて天井・壁・床などに雨水がぽたぽたと滴り落ちる場合もあれば、屋根裏や床下など見えないところで雨漏りが発生している場合もあります。

雨漏りは早急に対処することで住宅へのダメージを最小限に抑えることができますが、雨漏りしていることに気が付かず放置してしまうと 住宅内部の湿気が多くなりカビの発生や悪臭の原因となるほか、住宅の耐久性・耐震性にも影響を与え 住宅寿命を縮める原因となります。

しかし、どこで雨漏りが発生しているのかを突き止めることは至難の業であり、雨漏りの修理・修繕をされたご家族のなかには 何度も繰り返しリフォームを繰り返して ようやく雨漏りの原因が分かったケースも多々あります。

雨漏りによる住家トラブルを解決するには やみくもにリフォームを行うのではなく、きちんと雨漏りの発生源を突き止めて適切な修理・修繕を実施することが可能な業者に相談することがポイントです。

漏水とは

漏水とは、キッチン・お風呂・洗面所・トイレなどの水回り設備を中心に起こる住家トラブルになります。

主な発生源は 住宅内を通る水道管の破損・劣化・つまりによるものであり、水道管を修理・交換することで漏水による住家トラブルを解消することができます。

築年数15年以上の住宅で起こりやすく トラブルを起こしている配管単体を修理するよりも キッチン・お風呂・トイレなどの水回り設備や水栓をまるごと交換したほうが 資産価値が上がり将来的にも費用面でもお得となる可能性があります。

基本的に 水道管の通っているキッチン・お風呂・洗面所・トイレなどを中心に起こりやすいトラブルですが、破損・劣化の箇所によって 床下・敷地内の地面への水漏れ、急に水道料金が跳ねあがる、悪臭・錆び水・赤い水の発生など居住スペース以外にも漏水の影響が及ぶ場合があります。

雨漏りの診断方法

漏水と比べ 原因の究明や発生源を絞り込むことが非常に難しい雨漏りですが、まったく原因や発生源を見つけることができないというわけではありません。

雨漏りの診断方法には「目視」「散水」「色水・蛍光液」「赤外線サーモグラフィー」の4種類あります。

実績の豊富な腕の良い専門業者であれば 目視・散水・赤外線サーモグラフィー いずれかの診断方法で十分に雨漏りの原因を突き止めることが可能です。

しかし、腕の良し悪し問わず 一部の専門業者では 雨漏りの発生源を突き止めた成功報酬として調査費用20万円~を提示されるケースがございますので、雨漏りの調査・診断を実施される際は 事前に調査・診断方法や費用などについて きちんと確認しておくことが大切です。

目視による診断方法と費用相場

ご家族から雨漏りの発生状況について詳しいお話をお伺いしたのち、雨漏りが発生している箇所を推測し、屋根・外壁に水分の侵入口がないか、天井裏にシミ・水の跡など水分が侵入した痕跡がないか 職人自らの目で見て雨漏りを診断する方法になります。

一部の事業者では ドローンを飛ばして上空から視察を実施したり、直接 建材に手を触れて確かめたりすることもあります。

目視による雨漏りの診断は 基本的に無料で実施している事業者が多いですが、診断箇所によって足場の仮設やドローンの使用などが必要になる場合がございます。

その際は 足場の仮設代など別途費用が発生しますので 事前に足場の仮設やドローンの使用などを含めた見積もりを出してもらうことをおすすめします。

また、足場の仮設やドローンを使用した診断を実施する必要があると判断された場合、ご近所さんへの迷惑にならないよう 挨拶まわりを行ってから診断を始めてほしいことを伝えておくことも大切です。

なお、目視による診断では 職人の熟練度や実績などによって雨漏り診断の精度が大きく異なります。

さいたま市にて雨漏りの補修・修繕工事をされたご家族のなかには「雨漏りの補修工事をしたのに いまも雨漏りが続いている」「修繕工事をする前よりも雨漏りがひどくなった」などのトラブルも相次いでいます。

雨漏りの補修・修繕工事を実施される際は、様々な角度から雨漏りの原因について仮説を立て 隅々までしっかりと検証を行いながら原因を見極めることができる 専門的な知識と技術を持つ職人 もしくは、雨漏り診断士、雨漏り鑑定士、外壁劣化診断士などの有資格者に雨漏りの原因究明を依頼することをおすすめします。

散水による診断方法と費用相場

雨漏りの原因と考えられる箇所に向かって 実際に水を掛けて雨漏りを再現する診断方法になります。

水をかけるだけのシンプルな診断方法ですが、使用する水の量、散水時間、水の向き、水の強さなどを変化させ 現実に近い降水を表現することで どのような状況下で雨漏りが発生するのかを確認することができる唯一の方法でもあります。

目視による診断と比べ 手間と時間のかかる大掛かりな診断となりますので、費用相場・診断時間ともにご家族への負担が大きくなりますが、天気の良い日に雨が降っている状況を散水によって再現することで 水分の侵入口を発見し、建物のどこで雨漏りが発生しているのかを突き止めるのに最適な診断方法になります。

専門的な知識と技術を持つ熟練の職人が目視と散水による診断を行った場合、非常に高い確率で雨漏りの原因を特定することができます。

散水による診断にかかる費用相場は4万円~35万円ほど、診断にかかる日数は半日~2日ほどとなります。

なお、散水時に使用される水はお客様の水道を利用するケースが大半であり、「突然 水道料金が高くなった」と驚かれるご家族も少なくありません。

散水診断時に使用される水道料金につきましては見積もりには記載されませんので、散水による診断をお考えの際はご注意ください。

また、一部の事業者では高圧洗浄機による散水が行われていますが、高圧洗浄機を使って圧力が増幅された水を勢いよく噴射してしまうと 住宅に負担が掛かるだけではなく雨漏りとは別に住宅内部に水が侵入してしまう恐れがあります。

腕の良い職人は散水時にホースもしくはシャワーホースを使い、高圧洗浄機は一切使用しませんので合わせて覚えておきましょう。

散水による診断を受ける際には、台風・大雪などが原因による雨漏りの場合、散水による再現が難しいため正確な診断ができないことがあります。

雨漏りの診断を実施する際は 散水のみに限定せず 目視による診断と併せて雨漏りの診断を受けることをおすすめします。

色水・蛍光液による診断方法と費用相場

雨漏りの原因が1箇所ではない場合、色水や蛍光液を使った診断が行われることがあります。

目視などによって雨水などが侵入しそうなポイントに さまざまな色の蛍光塗料を混ぜた診断液を散水することで雨漏りの発生源を特定します。

診断液に蛍光塗料を混ぜることで 天井裏などの暗いところでも紫外線ライトを当てれば発光するため 水分の侵入口の誤診を減らすことができるほか、雨漏りの疑いのある箇所が複数考えられる場合にも的確に診断することが可能です。

色水・蛍光液を用いた雨漏り診断にかかる費用相場は5万円~25万円ほど、診断にかかる時間は半日~3日ほどになります。

この診断に使用される色水・蛍光液は 基本的に変色・退色を起こさず 数日ほどで発光しなくなるものがほとんどですが、なかには変色・退色するものもあります。

色水・蛍光液による雨漏り診断を受ける際は、診断を始める前に色水・蛍光液による変色・退色はないか、変色・退色した場合の保証は請けられるか しっかりと確認しておきましょう。

赤外線サーモグラフィーによる診断方法と費用相場

健康と環境に配慮した家づくりが主流である現代日本では、高気密・高断熱住宅が一般的であり 住宅内に雨水が侵入しても断熱材が雨水を吸収してしまい雨漏りが発生していることに気付きにくい住環境となっています。

赤外線サーモグラフィーによる診断は、高感度の赤外線カメラを使い住宅を撮影することで雨漏りの原因を突き止めることができる診断方法になります。

カメラを通して住宅から放出される赤外線を見ることで、表面温度の高い箇所と低い場所を見分けることができるようになります。

赤外線カメラでは 水分のない箇所は温度が高くなるため 赤もしくは黄色で表示されます。

反対に 水分を含んでいる箇所は温度が低くなるため 青色で表示されます。

しかし、赤外線サーモグラフィーによる診断を実施する場合 を雨漏りの原因となっている箇所が診断時に水分を含んでいないと正確な診断行うことができません。

そのため 降水量の少ないさいたま市では、主に散水による診断の補助的な役割として採用されています。

赤外線サーモグラフィーによる診断にかかる費用相場は18万円~50万円ほど、診断にかかる時間は半日~2日ほどになります。

赤外線サーモグラフィーは非常に高価な機材であるため ほかの診断方法と比べると 診断費用がやや高額となる点に注意が必要です。

なお、住宅を取り囲むように建物が立っている、屋根などに金属素材が使用されている、雨漏りの原因がベランダやバルコニーなど屋外スペースである、雨漏りの原因が結露・漏水である などの場合、赤外線カメラを使用しても正確な診断ができない場合があります。

赤外線サーモグラフィーによる診断をお考えのご家族は、雨漏り診断を実施する前にご家族や事業者とよく相談の上、決めることをおすすめします。

雨漏りの診断と修理・修繕の注意点

雨漏りの原因や発生源を突き止めて修理・修繕を実施する事業者はたくさんあります。

しかし、専門的な知識と技術を持つ腕の良い職人による雨漏りの診断・修理・修繕が可能な事業者が少ないのが現状です。

とくに比較的降水量の少ないさいたま市は、雨漏りの診断・修理・修繕に慣れてない事業者も多く 一般的な応急処置のみで済まされてしまうことも多々あります。

雨漏りの診断や修理・修繕の実績の多い事業者とそうでない事業者を見分けるには、

  • 雨漏りの診断と修理・修繕に関する実績が10年以上ある
  • 雨漏りの診断から修理・修繕まで一貫して自社で行っている
  • 見積もり内容と施工費用が適正
  • 雨漏りに関連する有資格者が在籍している

このような特徴を持つ事業者は優良業者である可能性が高い傾向にあります。

優良業者と悪徳業者の見分け方

住宅の築年数が10年未満の場合

築年数10年未満の住宅で雨漏りが発生した場合、優良業者であれば住宅瑕疵担保責任保険を利用した修理・修繕の提案がされます。

住宅瑕疵担保責任保険とは、新築から10年間に雨漏りが発生した場合 住宅を建築・販売した事業者が無料で雨漏りの修理・修繕を行わなければならない国土交通大臣指定の保険法人が提供する新築住宅向けの保険制度です。

もしも築年数10年未満の住宅と知りながら住宅瑕疵担保責任保険の提案がなかった場合、自社利益中心の事業者である可能性が高いです。

火災保険に加入している場合

台風や突風などの自然災害をきっかけに住宅内部で雨漏りが発生した場合、火災保険を利用することでお得に雨漏りの修理・修繕が可能となります。

優良業者の場合、自然災害によって生じた雨漏りと判断した場合 火災保険への加入状況を確認後、損害保険登録鑑定人が在籍する専門業者もしくは保険会社への相談を提案がなされます。

なかには自然災害によるものか経年劣化によるものか判断が難しい場合もありますが、そういった場合でも優良業者であれば 専門業者もしくは契約されている火災保険会社への連絡を進められます。

雨漏りの原因を突き止めて大切な家族とお家を守りましょう。

四季彩ホームでは 主に目視調査散水調査を中心に雨漏りの診断を実施しております。

これらの調査には水道・電気などを使用しますので お客様にお借りするかたちとなりますが、調査自体は すべて無料で行っております。

雨漏りの原因が判明した際には、防水工事、屋根・外壁の補修工事などをご提案させていただいておりますが、工事完了後も雨漏りが改善されなかった場合を想定し保証を付けさせていただいております。

雨漏りは漏水とは違い原因を突き止めることが非常に難しく、調査・診断によって必ずしも原因が判明するわけではございません。

四季彩ホームでは、今後 雨漏り診断士や雨漏り鑑定士など雨漏りの修理・修繕に役立つ高度な知識と技術を身に着け、ご家族の大切な思い出が詰まった住宅をお守りいたします。

ぜひお気軽にご相談ください。

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