住宅の豆知識
キッチンリフォームでの壁紙選びに失敗しないポイント
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キッチンリフォームでは、主にどのポイントを重視したリフォーム工事を行うかによってリフォーム後のキッチンの仕上がりが大きく変わります。
たとえば、収納やワークトライアングルを重視したキッチンリフォームであればキッチンの作業効率がアップ、高機能なキッチン設備を取り入れたキッチンリフォームならば調理の時短や安全性を考慮した利便性の高いキッチンとなります。
しかし、キッチンは住宅内にある水回り設備のなかでも頻繁に水や油を使う場所になりますので、壁紙にニオイや水あか・油汚れが壁紙につきやすくこまめに掃除・お手入れを行う必要があります。
キッチン周辺の壁紙が汚れているのに掃除やお手入れをサボってしまうと、住宅全体に悪臭が充満したりキッチンの壁紙にカビが発生したりと、キッチンを中心に住宅内の衛生面の悪化を招く原因となります。
四季彩ホームでは、施主様ご家族が幸せになれる理想のキッチンづくりをサポートすべく、キッチンリフォームを失敗しない壁紙選びのポイントをご案内させていただいております。
キッチンの壁紙選びは機能性を重視
さいたま市では「キッチンの利便性が向上する」と子育て世帯や共働き世帯を中心にタッチレス水栓、自動調理・自動火力調整機能、換気扇・フィルターの自動清掃機能など高性能な設備が搭載されたシステムキッチンが選ばれています。
キッチンの壁紙もシステムキッチン同様、目的に合った機能・性能を持つ壁紙を選ぶことでキッチンの衛生面や安全性、さらにはキッチンの劣化を最小限に抑えることができます。
不燃・準不燃 認定 / 耐熱・耐火性
キッチンの下地基材と施工方法によって異なりますが、日本では建築基準法によってガスコンロなど加熱調理器具を使用するキッチンを火気使用室に区分されています。
そのため、キッチンの内装リフォームを実施する際は不燃性または準不燃性の認定を受けた壁紙を選ばなければなりません。
不燃性とは、建築基準法第2条第9号にて定められた「建築材料のうち、通常の火災時における火熱により燃焼しない、また その他の政令で定められる性能を言い、技術的基準に適合するもので国土交通大臣が定めたもの、または国土交通大臣の認定を受けたもの」になります。
不燃性の機能性については建築基準法施行令第108条の2により ① 燃焼しない ② 変形・溶融・き裂などの損傷が生じない ③ 有害な煙またはガスが生じない この3つの要件を満たしていることが条件であり、火災の発生により壁紙に火熱が加えられた場合 防火性能が加熱開始後20分間継続することが必須となります。
一方 準不燃性とは、一般的な火災による火熱が加えられた際に防火性能が加熱開始後10分間継続するもの、難燃焼性とは火熱が加えられた際に防火性能が加熱開始後5分間継続するものとされています。
なお、不燃性の建築材料は準不燃性と難不燃性の機能・性能も兼ねていますので、準不燃性や難不燃性が求められる部位に不燃性を使用することも可能です。
難燃性能の壁紙を選んだ場合、コンロ周辺の壁紙に耐熱・耐火シートを使用することで調理中の油はねや火の粉を気にすることなくキッチン作業に取り組むことができます。
ただし、耐熱・耐火シートが耐えられる温度や火気との距離については商品ごとに異なりますので、必ず確認してからご使用ください。
2009年4月に告示された内装制限の緩和について
これまでガスコンロなどの加熱調理器具を使用するキッチンは火気使用室に区分されていましたが、2009年4月の告示第225号により一戸建て住宅を対象に内装制限が緩和されました。
これによりキッチンなどの火気使用室の天井や壁に難不燃性の壁紙などを使用しても良いことになり、よりハイセンスでおしゃれなキッチン空間へとリフォームすることができるようになりました。
しかし、告示第225号の内装制限の緩和を採用したキッチンリフォームを実施する場合、
- 一戸建て住宅であること
※住宅以外を兼ねる場合、床面積の合計が延べ床面積の1/2以上または50㎡以上を除く - コンロ 1口における1秒間あたりの発熱量が4.2kW以下である
- 長期加熱部分(水平25cm、垂直80cmの円すい)の下地と内装を特定不燃材料にする
- 短期加熱部分(水平80cm、垂直235cmの円すい ※その他条件あり)の下地と内装を指定建材にする
- 長期、短期加熱部分以外の内装建材は難燃焼性の素材などにする
この4つの要件を満たす必要があります。
とくにガスコンロなどの加熱調理器具まわりの内装制限には長期加熱部分と短期加熱部分による2段構えの制限が設けられていることに注意しましょう。
長期加熱部分とは、継続的に加熱される部分であり内装制限のなかでもっとも厳しい規制を受ける箇所になります。下地・内装ともに特定の不燃性建材を使用する必要があります。
短期加熱部分とは、火の取り扱い不注意や天ぷら油火災などで異常に加熱されてしまう箇所になります。
長期加熱部分と比べて内装制限範囲が広いですが、加熱調理機部から天井までの垂直距離が235cm以上と未満で規制範囲が変わる点に注意が必要です。
防汚性
壁紙の表面にフィルム加工が施されている壁紙には防汚機能が備わっています。
調理中の油はね、後片付け時の水はねなどにより壁紙が汚れてしまってもサッと拭き取ることができますので、毎日のお手入れもラクチンです。
とくに撥水性と防汚性を兼ね揃えた壁紙は、キッチン作業中に飛び散る油汚れ・水分・洗剤などをはじき、壁紙の表面に汚れが付着するのを防ぐ効果を期待することができますのでおすすめです。
消臭機能
消臭剤を配合することで不快なニオイを消すタイプ、酵素や触媒を利用してニオイを分解するタイプ、マイナスイオンを発生させることで消臭するタイプなど様々な種類があります。
消臭剤が配合されたタイプの壁紙の場合、ニオイを消す効果には長けていますが消臭効果が持続しないので定期的に壁紙を張り替える必要があります。
ニオイを分解することができるタイプの壁紙は消臭剤を含む壁紙と比べるとニオイを消す効果は劣りますが、消臭効果の持続期間が長いのでランニングコストを抑えることができます。
防カビ・吸放湿機能
お風呂やトイレなどの水回りは湿気がこもりやすいため換気が不十分だと壁紙にカビが発生してしまいます。
とくにキッチンは調理中や後片付け時に水を使うことが多いのでこまめに壁紙を掃除しないとカビが発生しやすくなります。
カビの生えた壁紙を放置してしまうとカビの胞子によるカビアレルギーを発症するリスクが高くなるだけではなく、カビをエサとするダニまで大量に発生してしまう原因にもなります。
キッチンにカビ・ダニを発生させないためには、カビの発生を抑える防カビ機能やキッチン内の湿度変化に合わせて吸湿・放湿を繰り返す吸放湿機能が備わっている壁紙を選ぶと良いでしょう。
抗ウイルス機能
壁紙の表面に抗ウイルス成分を塗布することで感染力の高いウイルスを不活化し減少させる効果を期待することができます。
しかし、ウイルスには大きく分けて2つのタイプがあり、ウイルスの種類によって不活化までにかかる時間が大きく異なります。
抗ウイルス機能を持つ壁紙は主にエンゲローブを有するウイルスに対して早い段階で不活化させる効果が高く、反対にエンゲローブを持たないウイルスに対してはゆっくりと時間をかけてウイルスの不活化を行っていきます。
エンゲローブを有する主なウイルス
・インフルエンザウイルス
・コロナウイルス / 新型コロナウイルス
・HIVウイルス
・風疹ウイルス
エンゲローブを持たない主なウイルス
・ノロウイルス
・ロタウイルス
・アデノウイルス
・ポリオウイルス
なお、国内メーカーより販売されている抗ウイルス機能を持つ壁紙には抗菌効果がプラスされている壁紙も多く、抗ウイルス機能と抗菌効果を併せ持つ壁紙を選ぶことで細菌の繁殖を抑えながらウイルスの不活化を図ることも可能となりました。
ただし、壁紙の抗ウイルス機能は空気中を漂うウイルスの吸着、ウイルス自体を分解・吸着・忌避、細菌の殺菌・滅菌する効果はありません。
あくまで壁紙表面に付着したウイルス・細菌のみに効果を発揮することを忘れてはいけません。
抗菌効果
菌の増殖を抑制させる効果を持つ壁紙になります。
抗菌性のある壁紙には快適・健康・安全に配慮した製品であることを示す「SVマーク」が壁紙工業会より与えられていますので、抗菌効果のある壁紙をキッチンに採用したいご家族はSVマークのある壁紙を選ぶと良いでしょう。
ただし、経済産業省における「抗菌」の定義によると“抗菌とは主に大腸菌や黄色ブドウ球菌など人体に悪影響を及ぼす危険性のある菌が繁殖しにくい環境を作りだすこと”であり、ウイルスは対象外となります。
インフルエンザウイルスや新型コロナウイルスなどへの効果は期待することができませんのでご注意ください。
キッチンスタイルに合わせて壁紙を選ぶ
さいたま市では子育て世帯を中心に家族とのコミュニケーションが取りやすく開放的なキッチン空間を実現できる対面キッチンが選ばれていますが、シニア世帯では昔ながらの壁付けキッチンが人気となっています。
どちらのキッチンスタイルを選べば使い勝手が良いのかはご家族のライフスタイルや家族構成などによって異なりますが、キッチンの衛生面、掃除・お手入れしやすさ、デザイン性に係わる壁紙の選び方については対面式・壁付けどちらも共通となっています。
ここでは、現在さいたま市にて主流となっている3種類のキッチンスタイルと相性の良いデザインの壁紙選びのポイントをご紹介します。
I型キッチン
I型キッチンとは、コンロ・調理台・シンクが横1列に並んだキッチンスタイルになります。
調理スペースが確保しやすく、複数人でキッチンを利用することができるメリットがあります。
壁付けタイプと対面式タイプの2種類あり、どちらもキッチン空間をおしゃれに演出したいときはダイニングからI型キッチンを見て、視界に入る壁紙の素材や色・柄と併せて3色~4色以内に抑えるのがポイントです。
L型キッチン
L型キッチンとは、コンロとシンクが直角に向かい合っているキッチンスタイルになります。
I型キッチン同様、壁付けタイプと対面式タイプの2種類あり、広々とした調理スペースと作業効率の良いワークトライアングルが特徴です。
ダイニングからキッチンの壁紙が見えない場合、ダイニングとキッチンのカラーバランスについてあまり深く考える必要はありませんが、ダイニングからキッチンがしっかりと見えてしまう場合は統一感を意識して壁紙の素材や色・柄を選ぶと良いでしょう。
アイランドキッチン
アイランドキッチンとは、コンロやシンクが壁に接しておらず完全に独立したキッチンスタイルのことであり、前後左右どの方向からも調理スペースにアクセスすることができることから「オープンキッチン」とも呼ばれています。
アイランドキッチンには腰壁部分とキッチン奥にある壁に壁紙を貼ることになるのですが、アイランドキッチンの手前にスツールを置くことが多くキッチン奥の壁側におしゃれなアクセントクロスを貼るのが一般的となっています。
アイランドキッチンの腰壁にも壁紙を貼る場合はインテリア、家具、そのほかの内装に用いられている色・柄と馴染むデザインの壁紙を選ぶと、まとまりのあるおしゃれなキッチンを演出できます。
シンプルで統一感のある色・柄をチョイス
2009年4月に告示された建築基準法の改正条例によりキッチンの内装制限が緩和されたことで、これまで以上にハイセンスでおしゃれなキッチン空間へのリフォームが可能となりました。
しかし、同時に個性やデザイン性を追求しすぎて居心地の悪いキッチンになってしまったご家族も少なくありません。
衛生的で居心地の良いキレイなキッチンにリフォームしたいとお考えならば、キッチンの壁紙に使用する色・柄はダイニングの壁紙やインテリア・家具、キッチンにある調理家電、システムキッチンの扉などの色・柄に合わせることが大切です。
たとえば、キッチンリフォームの際に白を基調としたシステムキッチンを選んだ場合、アイボリー、ベージュ、オフホワイト、クリームイエローなど白に近い色の壁紙を選ぶことでキッチン全体に統一感が生まれ、キッチンの白さをより引き立たせることができます。
反対に、黒や赤など濃い色のシステムキッチンを選んだ場合は、同系色の淡薄色の壁紙を選ぶことでキッチン全体が重く暗い印象になるのを防ぎ大人っぽく洗練された統一感のあるキッチンに見せることができます。
ダイニングからキッチンが見える場合
ダイニングからキッチンが見えるようリフォーム工事を行った場合、オレンジ・黄色・ピンクといった暖色系の壁紙を選ぶと良いでしょう。
暖色系の色にはその場にいる人に元気を与えたり、食欲を増進させたりするパワーがあります。
おいしい料理を囲みながら家族団らんの時間を楽しみたい、友人・知人と楽しいティータイムを過ごしたいとお考えのご家族にピッタリです。
リビングとキッチンがひと続きになっている場合
基本的にリビングとキッチンでは部屋の役割は大きく違います。
しかし、現代日本ではキッチンを家族とのコミュニケーションスペースとして利用するご家族も増えており、リビングとキッチンをひと続きにしてしまうリフォーム工事を実施するご家族も少なくありません。
リビングとキッチンがひと続きになるようリフォーム工事を行う場合、リビングとキッチンの壁紙は同じ色・柄の壁紙を選ぶようにしましょう。
リビングは青、キッチンはオレンジなどまったく異なる色・柄の壁紙を選んでしまうと、統一感のないチグハグな印象のお部屋となり居心地が悪くなってしまいます。
キッチンの壁紙選びは「機能性」と「統一感」がポイントです。
四季彩ホームでは、優れた機能性とデザイン性を兼ね備えたサンゲツの壁紙を中心に取り扱っております。
基本的には失敗の少ない白を基調とする壁紙を用いたキッチンリフォームをおすすめしておりますが、ご家族のご希望や要望に応じてお好みの色・柄の壁紙を用いたキッチンリフォームも可能です。
キッチンの壁紙のみのリフォーム工事であれば20万円以下で施工が可能でございますが、壁のなかにある木材が腐っているなど著しい劣化が見られる場合は別途 壁の修繕・補修費用などが発生致します。
壁紙選びをはじめキッチンリフォームに関する疑問やお悩みは、ぜひ四季彩ホームまでご相談ください。