住宅の豆知識

住宅の耐久性と美観性に係わる外壁材の種類と見分け方

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埼玉県のなかでも1年を通して比較的降水量が少なく穏やかで住み心地の良いまちとして知られるさいたま市。

ところが、ここ数年は地球温暖化やヒートアイランド現象などがきっかけで起こる異常気象の影響により、屋根・外壁材へのダメージが著しく住宅全体の耐久性・美観性が低下しやすくなっています。

異常気象による影響から大切な家族と住まいを守るためにも、定期的に屋根・外壁材の点検・メンテナンスを行い住宅の耐久性・美観性を維持することが大切です。

しかし、さいたま市にお住いのご家族の多くが現在お住まいの住宅に使用されている屋根・外壁材の種類をご存じありません。

住宅の耐久性・美観性の維持や向上を目的に屋根・外壁塗装工事を行う場合、屋根・外壁材の種類と選んだ塗料の相性がとても重要になります。

ここでは、快適な生活空間を実現するために屋根よりも多くの機能・性能が求められる外壁材の種類と見分け方、それぞれの外壁材と相性の良い塗料を選ぶコツについてご説明します。

主な外壁材の種類



現在さいたま市では新築・外壁リフォームの際にデザインのバリエーションが豊富な窯業系サイディングを使用するのが主流となっていますが、ほかにも金属系サイディング、モルタル、ALCなど様々な種類の外壁材が使用されています。

外壁材は種類ごとにそれぞれメンテナンス周期や適切なお手入れ方法が違うため、住宅の耐久性・美観性の維持や向上を図るためにもお住いの住宅に使用されている外壁材の種類を正確に知っておくことが大切です。

  • 窯業系サイディング

日本における住宅用外壁材の市場シェア70%以上を占める窯業系サイディングは、ベースとなるセメントに木質系の繊維質を混ぜ合わせ板状に形成し窯炉で仕上げた外壁材になります。

窯業系サイディングが選ばれる理由は、豊富なデザインとカラーバリエーション、耐震性・耐火性の高さ、施工期間の短さ、初期費用の安さなどが挙げられます。

しかし、一般的な窯業系サイディングは定期的なメンテナンスが必須であり、10年に1度のペースで外壁塗装工事、5年~10年ごとにシーリング工事を行う必要があります。

また、窯業系サイディングのベースとなっているセメントには防水機能が備わっておらず、外壁材として用いる際には必ず防水加工を施すことが大切です。

もうひとつ窯業系サイディングは熱を吸収しやすい性質を持っています。

気温が高くなる夏場も快適な生活空間を維持するためにも、必ず遮熱・断熱対策も忘れずに行っておきましょう。

  • 金属系サイディング

窯業系サイディングに次いで人気の高い金属系サイディングとは、ガルバリウム鋼板、ステンレス鋼板、アルミニウム合金など金属製の表面材とラミネート紙など防湿・防水効果を期待できる裏面材で断熱材を挟み込んだ住宅用外壁材になります。

金属系サイディングを選ぶことで、寒暖差によって生じる凍害対策、優れた断熱性と耐震性、強度の高さ、施工期間の短さ、工事費用の安さなど様々なメリットがあります。

しかし、表面材の金属は水分と外傷・衝撃に弱い性質を有していますので、塗装工事による定期的なメンテナンスと外傷・衝撃対策が必須となります。

  • モルタル

いまでも根強い人気を誇るモルタルとは、ベースとなるセメントに土砂と水を加えて混ぜ合わせた住宅用外壁材です。

1980年代の日本では住宅のみならず、ビルやアパート・マンションなど様々な建築物の外壁にモルタルを使用してきました。

ところが、施工に手間暇がかかる、雨だれによる汚れが付着しやすい、ひび割れなどの劣化が起こりやすいなどの理由から、いまでは窯業系サイディングの人気に押され戸建て住宅の外壁材としてのシェア率は減少傾向にあります。

しかし、耐久性・耐衝撃性の高さ、通気性の良さ、優れた防火性・耐火性、曲線など複雑なデザインの表現が可能など外壁材としての汎用性は高めです。

  • ALC

窯業系サイディングとよく似ている外壁材ALC (Autoclaved Lightweight aerated Concrete )とは、ベースとなるセメントに発泡剤を加え「高温高圧蒸気養生」と呼ばれる独自の製造方法によってコンクリート内部に気泡が入ることで従来のコンクリートよりも大幅な軽量化に成功した特殊な建材です。

ALCは1920年代にスウェーデンにて開発された建材であり、その後 ドイツ・オランダ・ロシアなど北欧を中心に普及し1960年代に日本へとやってきました。

日本では主に高層ビル・商業施設・教育施設などの外壁材として使用されており、戸建て住宅で使用されることはほとんどありません。

そのため、ALCを取り扱うメーカーが少なく、施工可能なハウスメーカーや工務店も多くはありません。

戸建て住宅の外壁材としてALCを使用することで、住宅の耐震性能を向上、優れた耐火性・断熱性・遮音性による快適な生活空間の実現が可能となります。

しかし、ALCは吸湿性が高く耐候性が低い性質を有していますので、寒暖差による凍害、防水対策などが必須となります。

外壁材の種類が分からないときの見分け方



現在お住いの住宅に使用されている外壁材の種類が何かを確認することは、住宅全体の耐久性・美観性を大きく左右することになります。

定期的に外壁塗装工事をご依頼されるご家族はご自宅の外壁に使用されている外壁材の種類についてよくご存知ですが、なかには外壁材の種類がうろ覚えであったり、新築・リフォームの際に複数の外壁材を使用してしまい種類が分からなかったりというご家族も少なくありません。

しかし、外壁材は種類ごとに特徴が異なりますので近付いてよく観察することでご自宅の外壁に使用されている外壁材の種類を見分けることができます。

サイディングボードの見分け方

サイディングボードとは、住宅など建物の外壁にパネルのように貼り付ける仕上げ用の板材になります。サイディングボードは材質ごとに窯業系・金属系・樹脂系・木質系この4種類に分けられます。

窯業系サイディングの特徴

さいたま市では戸建て住宅の外壁材として主に窯業系サイディングが使用されています。

窯業系サイディングは、幅450mm・910mm・1000mmの3種類、長さ3030mmと1820mmの2種類が主流となっており、外壁に貼り付けた際にどうしても1階と2階の外壁のあいだに目地が生じてしまいます。

この目地を隠すため幕板が取り付けられています。

また、窯業系サイディングは入隅、外壁材同士のあいだ、窓・サッシ周辺、ドア周辺などに必ず目地が生じるためシーリング (コーキング) が行われます。

金属系サイディングの特徴

金属系サイディングは主に工場・倉庫を中心に使用されていましたが、近年はシンプルモダンなデザイン性と優れた断熱性・耐震性・耐凍害性を兼ね揃えた優秀な外壁材として戸建て住宅の外壁にも使用されるようになってきました。

サイディングボードのなかで唯一表面材が金属であるのが特徴です。

一見、外壁材と外壁材のあいだに目地が無いように見えますが、ジョイント部分や窓・サッシの取り合い箇所などにシーリングが行われています。

樹脂系サイディング

日本での普及率は低めですが北米では広く普及している樹脂系サイディングは、窯業系・金属系サイディングとは違い目地が生じないシーリング不要のタイプもあります。

シーリング不要の樹脂系サイディングを外壁材に選ぶことでシーリングのメンテナンスが一切不要となりメンテナンスにかかる費用を抑えることができます。

ただし、ベースとなる素材が塩化ビニル樹脂になりますので外観デザインが雨どいのような質感となります。

木質系サイディング

木質系サイディングとは、杉などの天然木を板状に加工し表面を焼き上げ炭化層を作り出した仕上げ材になります。

窯業系・金属系・樹脂系のサイディングボードとは違い、自然本来の質感や温もりを感じさせる味わい深さがあり、ひと目で木質系サイディングだと分かります。

モルタルの見分け方

外壁材にモルタルが使用されているかどうか見分けるポイントは、

  • 外壁材に一切つなぎ目が無い
  • 外壁が1枚の平面に見える

この2つになります。

サイディングボードとは違い、入隅、外壁材同士のあいだ、窓・サッシ周辺、ドア周辺などに目地が生じず目地を隠すための幕板や目地を保護するシーリング作業が必要ありません。そのため、凹凸や継ぎ目のないシームレスな外壁となります。

ALCの見分け方

ALCのデザインは窯業系サイディングによく似ています。

ALCと窯業系サイディングの見分け方は、

  • 目地の方向
  • デザイン性

この2つになります。

窯業系サイディングは、目地が縦方向のみに入っているためシーリング作業は縦方向に行われます。

一方、ALCは目地が等間隔で縦と横に入っています。

シーリングは新築から3年~5年ほどで劣化症状が現れ始めますので、シーリング箇所の多いALCは劣化したときの雨漏りリスクが高いと言えます。

デザイン性についてはALCと比べ、窯業系サイディングのほうが豊富です。

窯業系サイディングにはレンガ調、タイル調、木質調など様々な模様付きのオシャレなタイプから細かな凹凸が付いた意匠性あるタイプまで様々なデザインが用意されていますが、ALCのデザイン性は単色で仕上げられたシンプルなタイプが多い傾向にあります。

外壁材の種類ごとに相性の良い塗料を選ぶコツ



外壁材は種類ごとにメンテナンス周期やお手入れ方法が大きく変わってきます。

さいたま市では外壁塗装工事の際に耐用年数とコストパフォーマンスのバランスが良いシリコン塗料を選ばれています。

シリコン塗料は耐候性・耐熱性・耐水性・透湿性・防汚性に優れており、窯業系・金属系などのサイディングやモルタル、ALCなど幅広い外壁材に使用することができます。

ただし、サイディングボードはメーカーや製造時期などによって様々な種類があり、必ずしもシリコン塗料と相性が良いとは限りません。

サイディングボードの材質や施工状態などに応じて適切な塗料を選ぶことが大切です。

外壁材と塗料の相性表

外壁材 相性の良い塗料の種類
窯業系サイディング 透湿性の高い塗料(シリコン塗料、フッ素塗料、ラジカル制御塗料など)※弾性塗料との相性は悪いので注意。
金属系サイディング 付着性を高めるシーラー、プライマー(フッ素塗料、無機塗料など)※透湿性を重視すると尚良し
モルタル 防水性・透湿性を重視した塗料(アクリル塗料、ウレタン塗料、シリコン塗料など)
ALC 防水性・透湿性の高い塗料(シリコン塗料、フッ素塗料など)

外壁材の種類が分からないときは四季彩ホームまでご相談ください。



大切な家族と住まいを守るためには外壁材が持つ機能・性能を損なわないよう、外壁材の種類と相性の良い塗料を選ぶことがポイントです。

さいたま市では住宅の外壁材としてサイディングかモルタルが使用されています。

ご自宅の外壁材がサイディングボードである場合、外壁材の継ぎ目があるか、叩いたときの強度などで判断することができます。

もしも、外壁材に小さなクラックやチョーキング現象といった劣化症状が見られる場合、比較的コストが低めである外壁の塗り替えをオススメしておりますが、既に外壁材の一部分が剥がれ落ちているなど深刻な劣化症状が見られる場合は、サイディングの重ね張りやモルタルを剥がして塗り替える必要がございます。

四季彩ホームでは外壁塗装工事をご相談いただいたご家族を対象に施主様ご自身でご自宅の外壁材の種類の見分け方や外壁材ごとに相性の良い塗料について分かりやすくご説明させていただいております。

これから外壁塗装工事を実施しようとお考えのご家族は、ぜひ四季彩ホームまでお気軽にご相談ください。

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