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外壁塗装工事で塗料の色選びに失敗しない方法とは?

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大切な家族と住まいを守るためには外壁の定期的なメンテナンスが欠かせません。

とくに住宅全体の耐久性と美観性の向上、快適な生活空間の維持などに欠かせない外壁塗装は10年を目安に実施することで様々な住宅トラブルを防ぐことができます。

もしも外壁塗装工事を怠ってしまうと、紫外線や風雨などによって生じる劣化の進行を抑えることができず、雨漏り、柱・梁などの腐食、基礎部分の劣化など深刻な住宅トラブルが起こるだけではなく、カビやダニなどの発生による健康被害を招く危険性があります。

しかし、外壁塗装工事を実施するにあたり気になるのが外壁塗装時に使用する塗料の色ではないでしょうか。

さいたま市における外壁塗装の費用相場は30坪の一般的な2階建て住宅で平均80万円~120万円ほどになりますので、決してお安い買い物とは言えません。

そのため、塗料の種類や色選びなどに失敗してしまうと予期せぬ出費を招くこととなります。

ここでは、外壁塗装工事で使用する塗料の色選びに失敗しないためのポイントについてご紹介します。

外壁塗装の色見本について



外壁塗装を実施する際、何を基準にしてどのような種類の色や塗料を選ぶべきか悩んでしまうご家族も少なくありません。そこで塗装業者ではお客様が事前に塗料の色を確認することができる色彩サンプル「色見本」をご用意しております。

色見本には、

  • 塗料メーカーが作成した色見本帳
  • 日本塗装工業会が作成した色見本帳
  • 色板見本 (塗り板)

など様々な種類があります。

どの色見本も「外壁塗装時に使用する塗料の色選びをしやすくなること」「外壁を塗り替えたあとのイメージをしやすくすること」この2つを目的としていますが、それぞれの色見本ごとにその内容や特徴に少し違いがあります。

塗料メーカー作成の色見本帳の特徴

日本ペイント、関西ペイント、エスケー化研など各塗料メーカーでは塗料の種類ごとに独自で色見本帳を発行していることがあります。

塗料メーカー作成の色見本帳の特徴は、時代の流れと共に変化する塗料の機能・性能やトレンドカラーを中心に掲載されていることです。

塗料メーカーが作成した色見本帳は、塗料の機能・性能や価格に強いこだわりがあり既に外壁塗装に使用する塗料は決まっているが、どの色の塗料を選べばいいか決めかねおり大まかな塗料の色を知りたいとお考えのご家族におすすめですが、まれに色見本帳に希望する色が無いことがあります。その場合、ご家族が希望される色にもっとも近い色での対応、もしくは同系色のなかで最も似ている別の色の塗料を使用することになりますので注意が必要です。

また、塗料メーカー作成の色見本帳はパンフレット一体化であるため実際の塗料とは異なる印刷用のインクで色が表現されていることがあります。印刷用のインクで塗料の色を表現している場合はパンフレットの下部に※印にて注意書きがありますので外壁塗装の色選びに失敗しないためにもパンフレットは隅々まで確認することをおすすめします。

日本塗装工業会作成の色見本帳の特徴

1954年以来、2年に1度JPMA (一般社団法人 日本塗料工業会)が発行している色見本帳には、建築物・設備機器・景観設備・インテリアカラーなどの色彩やJIS (日本工業規格) が定める色などの実用色が600色以上収録されています。

なかには、塗料メーカーがホームページやカタログなどで紹介していない塗料の色、CUD推奨カラーユニバーサルデザイン配色、デザイナー待望の新色相、つや無し見本なども掲載されており必ず好みの色を見つけることができます。

JPMAの色見本にはそれぞれの色ごとに「色票番号」が割り振られており、この色番号は日本国内共通となっていますので色票番号を屋根・外壁塗装を依頼する塗装業者に伝えるだけでご家族が希望する色を正確に伝達することができます。

JPMAより発行される色見本帳は、まさに住宅の外観デザインにとことんこだわりたいとお考えのご家族におすすめの色見本です。

ただし、色見本帳に掲載されている色のなかには屋根・外壁塗装に不向きの色や塗り替え後に色褪せ・変色しやすい色などもありますので塗装業者とよく相談して塗料の色を決めるようにしましょう。

また、古い色見本帳のなかから塗料の色を選んでしまうと塗料の原料などの違いにより同じ色票番号であっても塗装後 まったく違う色に見えてしまうことがあります。

JPMAが発行する色見本を参考に塗料の色を選ぶ際はできる限り最新の色見本帳のなかから選ぶようにしてください。

色板見本(塗り板)の特徴

色板見本とは、外壁塗装工事の際に使用する塗料を用意したA4サイズの板に塗装した見本帳になります。

実際に外壁塗装工事の際に使用される本物の塗料が使用されていますので、ほかの色見本帳と比べて外壁塗装工事後の完成イメージがしやすいのが特徴です。

色板見本の作成方法は塗装メーカーで作成される場合と塗装業者が作成する場合があります。

どちらも色板見本の作成時に別途費用が発生することがありますので、まずは塗料メーカーやJPMAが作成した色見本帳を参考にご家族でよく話し合いある程度色を絞ったら色板見本を依頼すると出費を抑えることができます。

色板見本はある程度塗料の色が決まり、外壁デザインの最終確認をしたいときに使用するのがおすすめです。

塗料の色選びに失敗しない3つのポイント



住宅の外観は家族、ご近所さん、通行人などたくさんの人の目に触れる箇所になります。

なかでも外壁はマイホームの第一印象だけではなく、そこに住んでいるご家族のイメージまでも決めてしまう重要なポイントになりますので、外壁塗装時に使用する塗料の色選びに失敗してしまうと余計な出費がかさむうえに周囲に悪いイメージを与えてしまう原因となります。

外壁塗装に使用する塗料の色選びに失敗しないポイントは、

  • 「さいたま市景観色彩ガイドライン」を参考にする
  • 面積効果による目の錯覚に注意する
  • 色板見本などは必ず屋外で確認する

この3つです。

① さいたま市が定める「景観色彩ガイドライン」を参考にする

2007年10月、さいたま市は“ひと まち みらい 輝く都市景観の創造”をスローガンに都市景観形成のマスタープランとなる「さいたま市都市景観形成基本計画」を策定し、さいたま市の都市景観の印象や地域ごとの個性を表している色彩に関する手引き「さいたま市景観色彩ガイドライン」を定めました。

さいたま市景観色彩ガイドラインでは それぞれの地域の特性に応じて景観色彩の魅力を高める色彩を示しており守るべき最低限の色彩基準と範囲を示しています。

たとえば、さいたま市南区・緑区・浦和区・中央区・大宮区・見沼区など景観誘導区域に指定されている緑豊かな戸建て住宅・集合住宅の集積エリアでは、地域の特性や周辺の自然環境との調和を考慮し色彩基準値のうち彩度に制限が設けられています。

屋根・外壁塗装を実施する際は低彩度~中彩度を範囲とし、外壁ならば色相OR~5Y・彩度6以下・基調色もしくは色相OR~5Y以外・彩度2以下・基調色を選ぶと周辺の自然環境と調和したうるおいと安らぎを感じさせる景観を演出することができ外観デザインの悪目立ちを防ぐことができます。

② 面積効果による目の錯覚に惑わされない

塗料メーカーが作成したカタログの色見本やJPMAなどが作成・発行している色見本帳を参考にすることで未だどの色の塗料を選ぶべきかお悩みのご家族もおおよその色彩系統を決めることが可能となります。

しかし、塗料メーカーやJPMAが作成・発行している小さな色見本を参考に塗料の色を選んでしまうと目の錯覚によって生じる面積効果によって同じ色であっても塗装面積によって色の明るさ・鮮やかさが違って見えてしまいます。

さいたま市の一般的な30坪の一戸建て住宅の外壁面積はおよそ120m2、一方の塗料メーカーのカタログに掲載されている色見本は数cm2と比べものにならないほど小さいため、小さな色見本を参考に塗料の色を決めてしまうと外壁塗装後の仕上がりに納得できずトラブルに発展する恐れがあります。

色の面積効果によって起こる外壁塗装工事の失敗を防ぐには、明るい色の塗料ならば希望する色よりも少し控えめで落ち着いた色合いの塗料を選び、暗い色の塗料を外壁塗装に使用したいならば希望する色よりも少し明るく鮮やかな色合いの塗料を選ぶようにしましょう。

③ 色板見本などは必ず日光の下で確認する

屋根・外壁塗装に使用する塗料の色を選ぶ際、一般的に塗装業者の事務所や自宅など“室内”で色見本や色板見本などを確認することになります。

しかし、常に厳しい自然環境にさらされている屋根・外壁の光源は太陽光になりますので、光源が蛍光灯やLED電球である室内で確認した色見本や色板見本を参考に屋根・外壁塗装に使用する塗料の色を決めてしまうと『思っていた色と違う』など仕上がりに納得できないことがあります。

屋根・外壁塗装工は屋内ではなく屋外で行われる工事になりますので、塗料の色選びを行う際は気になる色を色見本や色板見本などで見つけたら1度 屋外に持ち出して太陽の下でしっかりと確認するようにしましょう。

便利なカラーシミュレーションの落とし穴



日本ペイントや関西ペイントなどの大手塗料メーカーやさいたま市にある塗装業者では塗料の色選びに役立つカラーシミュレーションによる診断を実施しています。

カラーシミュレーションを行うことで外壁塗装工事を実施する前に工事完了後の住宅イメージや外観デザインを確認することができるため外壁塗装工事による失敗の可能性が低くなるメリットはあります。

しかしながら、カラーシミュレーションによって出される結果は外壁塗装における色の方向性や配色など住宅全体の色彩バランスを確認するためのものですので、必ずしも納得できる結果が出るとは限らず、なかには『カラーシミュレーションを参考に塗料の色を選んだら失敗してしまった』というご家族も少なくありません。

カラーシミュレーションで出された結果と実際に施工した際に色味が変わってしまう主な原因は、

  • パソコンのモニター画面や室内の照明などによって色彩の明暗が変わる
  • プリンターの機種や紙質などにより色合いが変化する

などが挙げられます。

カラーシミュレーションは外壁塗装後の完成イメージを把握することができる便利なツールではありますが、あくまで外壁塗装工事を実施した際の参考イメージとして捉えるようにしましょう。

外壁塗装に使用する塗料の色選びを失敗しないためのポイント



四季彩ホームでは、よく外壁塗装工事をご依頼されたお客様より『思っていたよりも明るめの色になった』というお声をいただきます。外壁塗装時に使用される塗料は塗り立てた直後は明るく見えますが、時間が経つにつれ少しずつ落ち着いた色合いとなりますのでご安心ください。

外壁塗装の色選びに失敗しないポイントは、まわりの住宅や景観に合った色合いを選ぶことですが、さいたま市では劣化が目立ちにくい色合いや経年の変化を楽しめるような色合いなどを好まれるご家族も増えています。

以前四季彩ホームにて外壁塗装のご依頼をされたお客様のなかにはたいへん珍しい色の塗料を選ばれたご家族もいらっしゃいます。

これから外壁塗装工事を実施されるご予定の施主様は、ぜひ四季彩ホームの施工事例 https://sks-shikisai.com/news/case/ をご参考ください。

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