住宅の豆知識
屋根・外壁塗装工事における埼玉県の助成金について
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関東平野の西部に位置する埼玉県は、海から遠く離れた内陸県になります。
内陸県の気候は陸地の影響を強く受けることで知られており、夏は高温多湿で雷雨やヒョウが多くなり冬は晴れる日が多く低温乾燥となります。
埼玉県の南東部にあり政令指定都市のひとつであるさいたま市は、関東平野のほぼ中央部に位置しており夏は高温多湿、冬は快晴が続き降水量が比較的少ない地域であるため1年を通して穏やかで住みやすい気候となります。
ところが、昨今の異常気象の影響によりさいたま市では屋根・外壁が本来持っている機能・性能が低下しやすい状態となっており、雨漏り、カビ・ダニの発生、構造躯体の腐食、基礎の劣化など住宅全体の劣化に繋がる可能性があります。
埼玉県では、ご家族の大切な思い出がたっぷり詰まったお家を少しでも長持ちさせるため屋根・外壁への塗装工事をご検討されている世帯を対象にリフォーム工事への補助金・助成制度を設けています。
埼玉県にて屋根・外壁塗装時に利用できるリフォーム助成制度

現在 埼玉県とさいたま市では屋根・外壁塗装におけるリフォーム工事への補助金・助成制度として、
- さいたま市「スマートホーム推進・創って減らす」設備設置補助金
- 民間事業者暑さ対策設備等省エネ補助金
これら2つのリフォーム助成制度を実施しています。
さいたま市「スマートホーム推進・創っては減らす」設備設置補助金とは?
現在さいたま市では一戸建て住宅など個人住宅にて生産されたエネルギーを効率的に活用するスマートホームの推進に向けてエネルギーの生産とエネルギー消費の節約を目的とする創エネ・省エネ機器設置の設置促進を図る「スマートホーム推進・創っては減らす」設備設置補助金を実施しています。
「スマートホーム推進・創っては減らす」設備設置補助金の対象者
市税に滞納の無いさいたま市内にお住いのご家族、これからさいたま市に移住するご予定のご家族が対象となります。
なお、集合住宅では高遮熱塗装工事を実施する場合に限り、管理組合が申請者として助成制度を利用することも可能です。
助成制度の対象となるリフォーム工事
エネルギーの生産とエネルギー消費の節約を目的とする太陽光発発電設備や高遮熱塗装といった創エネ・省エネ機器に係るリフォーム工事が対象となります。
さいたま市が定める創エネ・省エネ対策のリフォーム工事であれば基本的に複数種類の申請が可能となっています。
しかし、既に補助金の交付を受けた創エネ・省エネ対策については同年度内の再申請はできませんのでご注意ください。
補助対象経費
さいたま市が推進する「スマートホーム」の条件を満たす創エネ・省エネ対策に伴う住宅の整備に必要な設備費用およびリフォーム工事費用が対象となります。
創エネ・省エネ対策の種類
- 太陽光発電設備
- 自然循環型 太陽熱利用システム
- 強制循環型 太陽熱利用システム
- エネファーム (家庭用燃料電池)
- 家庭用蓄電池
- V2H (ビークル・トゥ・ホーム) システム
- 地中熱利用システム
- 高遮熱塗装
- HEMS (ホームエネルギーマネジメントシステム)
なお、現在さいたま市では対抗用採光システムの助成金申請は行っておりません。
また、高遮熱塗装工事は既存住宅の屋根面のみと限定されておりますので外壁塗装に高遮熱塗装を行っても助成金を受け取ることはできません。
補助金額
さいたま市「スマートホーム推進・創っては減らす」設備設置補助金は毎年予算額が決められており、予算額が無くなり次第終了となります。
各創エネ・省エネ対策に係る設備設置費用に対する補助金額は以下のとおりです。
創エネ・省エネ対策設備の種類 | 補助金額 |
---|---|
太陽光発電設備 | 4kW未満:3万円 4kW以上:5万円 |
自然循環型 太陽熱利用システム | 3万円 |
強制循環型 太陽熱利用システム | 5万円 |
エネファーム (家庭用燃料電池) | 4万円 |
家庭用蓄電池 | 1kWhあたり2万円 ※上限12万円 |
V2Hシステム | 5万円 |
地中熱利用システム | 30万円 |
高遮熱塗装 (屋根面のみ) | 塗装面積1㎡あたり400円 ※最大上限額:一戸建て住宅3万円 集合住宅50万円 |
HEMS | 5,000円 |
さらに創エネ・省エネ対策に関連するリフォーム工事をお得にしたいとお考えであるならば、リフォーム工事さいたま市内に本店登記を有する法人または市内に住所を有しており事業所のある個人事業主と契約を結ぶことで補助金の加算が可能となります。
補助金の加算額は、さいたま市にあるリフォーム業者との契約1件につき補助金額の1/2または1万円のいずれか低い金額にて支給されます。
ただし、補助金の加算適用は申請者1人につき同年度内1回までとなりますので覚えておきましょう。
民間事業者暑さ対策設備等省エネ補助金とは?
埼玉県では大規模な都市化が進む地域を中心に気温の上昇率が大きくなっています。
とくに地面がコンクリートやアスファルトに覆われた緑地の少ないさいたま市・熊谷市・越谷市などは地表面被服の人工化、人工排熱の増加、東京湾から県内に向かって吹く南風などの影響により郊外と比べて気温の上昇率が高くなるヒートアイランド現象が起こり夏場の著しい気温上昇に繋がっています。
埼玉県では猛暑や酷暑時のヒートアイランド対策として省エネ対策と暑さ対策の両立を実施している中小企業および個人事業主を対象に断熱・遮熱対策に必要なリフォーム工事費用の一部を補助する助成制度を設けています。
民間事業者暑さ対策設備等省エネ補助金の対象事業者
埼玉県中小企業振興基本条例 第2条の規定に基づき県内にて事業活動を営む中小企業および個人事業主に限られます。
助成制度の対象となるリフォーム工事
断熱パネルや遮熱塗料による塗装など断熱・遮熱対策として屋根・屋上・外壁・窓のリフォーム工事が助成制度の対象リフォームとなります。
ただし、設備などについては埼玉県が指定するいずれかの機関において熱還流率、日射熱取得率 (日射熱反射率)の数値を取得しているものに限りますので注意しましょう。
- 日本標準規格 (JIS)
- 環境省の技術実証事業 (ETV事業)
- 国立研究開発法人 建築研究所
- 一般社団法人 建材試験センター
補助対象経費
助成制度の対象事業者の省エネ・暑さ対策に伴う建物の整備に必要な設備費用およびリフォーム工事費用のみになります。
- 補助の対象となる主な設備費用
断熱・遮熱塗装、内窓、後付けサッシ、Low-Eガラス、複層ガラス、遮熱フィルムなど
- 補助の対象となる主なリフォーム工事費用
労務費、設計費、材料費、消耗品や雑材料費、直接仮設費、試験調達費、立会検査費、足場代などリフォーム工事に欠かせない工事費用など
- 補助対象外となる主な費用
撤去費、移設費、処分費、経年劣化等による修繕・修復費、リフォーム工事以外の経費、屋根・外壁・窓以外の整備費、消費税や地方税相当額、屋上の緑化費用、太陽光発電設備設置費用、建築・施工等に係る資格を有してないものによる整備費用など
補助率
上限金額300万円とし補助対象経費の1/3まで支給となります。
ただし、国や自治体などの助成金と併用する場合、
- 補助対象経費より国などの補助金学を控除した金額の1/4
- 補助対象経費の1/2より国などの補助金額を控除した金額
- 上限300万円
いずれかの最も低い金額が助成額となります。
また、助成金額に1万円未満の端数が生じた場合は切り捨てられて算出される点にご注意ください。
屋根・外壁塗装工事の助成金申請方法

埼玉県では地球温暖化や大規模な都市化などの影響により省エネ対策が重要視されつつあります。
しかし、既存住宅や建物に省エネ対策を行う場合 一戸建て住宅の省エネ化に掛かるリフォーム費用は100万円~200万円、マンションなどの集合住宅では200万円~300万円が平均相場となっており決してお安い買い物ではありません。
埼玉県・さいたま市ではリフォームをご検討されている方々が少しでもお得に創エネ・省エネ対策が実施できるよう郵送等にて助成金の交付申請を行っています。
さいたま市「スマートホーム推進・創っては減らす」機器設置補助金申請手順
① 申請に必要な書類を用意します。
- 〖申請時に必ず必要となる書類〗
- 補助金交付申請書 (様式 第1号)
- 省エネ対策詳細表
- 建物の登記事項証明書または評価(公租)証明書の写し
※登記事項証明書は日付が提出日の1年以内である最新事項をご用意ください。
※評価(公租)証明書は必ず最新年度のものをご用意ください。
※新築等の理由により登記事項証明書または評価(公租)証明書の用意ができない場合は建築確認に基づく確認済証もしくは検査済証の写しどちらかをご用意ください。
- 建物の所在地が分かる案内図または住宅地図
- 契約書の写し
※省エネ対策ごとの工事費用、対象工事の内容、金額の内訳が確認できるものをご用意ください。
- 見積もり書の写し
※契約書に見積もり書の内容が記載されている場合は不要です。
- さいたま市 市民税納税証明書の写し
※課税されていなかった場合、所得・非課税証明書の写しをご用意ください
※賦課期日にさいたま市に住民登録が無い場合は不要です。
- 〖創エネ・省エネ対策ごとに必要となる書類
太陽光発電設備
- 設置するパネルのレイアウトが確認できる図面
- 合計出力が10kW以上
※住宅の屋根面以外にパネルを設置する場合、パネルのレイアウト図面に加えて自家消費であり余剰売電であることが確認できる電気配線図なども必要となります。
地中熱利用システム
- 掘削孔の深度などを確認できる図面
高遮熱塗装
- 日射反射率(近赤外波長域)が記載されている塗料の試験結果報告書の写しなど
※JIS K5675適合塗料または同等以上の塗料であることが確認できるものをご用意ください。
家庭用蓄電池
- 蓄電池の容量が確認できる書類などをご用意ください。
HEMS機器
- ECHONET Lite標準インターフェース、創エネ・蓄エネ機器と接続できることが確認できるもの。
- 〖さいたま市内の事業者による加算対象の場合〗
法人と契約した場合:当該法人の登記事項証明書写しが必要となります。
個人事業主と契約した場合:当該事業主の住民票の写しをご用意ください。
※どちらも申請日より1年以内の最新のものであることが条件になります。
②申請に必要な書類を提出します。
必要な書類が用意できましたら、さいたま市役所 環境局 環境共生部 環境創造政策課窓口まで郵送またはご持参ください。
なお、書類を郵送した場合 担当部署より申請書類の到達に関する連絡がございませんので、きちんと到達しているか確認できるよう簡易書留などで郵送することをおすすめします。
民間事業者暑さ対策設備等省エネ補助金申請手順
①交付申請書類を郵送にて提出します。
〖申請に必要な書類〗
- 申請時チェックリスト
- 交付申請書
- 重要事項確認書
- リフォーム工事計画書
- 見積もり書の写し
※原則 2者以上。見積もり書発行後より3ヶ月以内かつ代表者印などの押印があるもの
- 施行予定設備や使用建材等の仕様書など
- リフォーム工事前に撮影した現況設備の写真
- 付近見取り図、配置図、平面図などの図面
- 登記事項証明書
- 工事を担当する事業者の県民税等の滞納が無いことを確認できる証明書
- 消費税および地方税の未納が無いことを確認できる証明書
- 直近1年分の決算報告書の写し
- 省エネ診断報告書の写し
※申請日より起算して過去3年以内に埼玉県指定の機関にて受信済みの場合のみ。
- 賃貸借契約書の写し
※対象となる事業者の所有者でない場合のみ必要となります。
- リース契約書および料金計算書
※リースによる場合は提出が必要となります。
- パフォーマンス契約に関する契約案
※ESCOによる場合のみ提出が必要となります。
- 国などの補助金等に関する書類の写し
※国などの助成制度等と併用する場合は提出が必要となります。
②選定委員会による審査後、補助金の交付決定が行われます。
③申請者は補助金の交付決定後、1ヶ月以内に事業着手を行います。
④事業着手より2週間以内に申請者は埼玉県に事業開始の報告を行います。
⑤リフォーム工事完了後、埼玉県に実績報告を行います。
⑥実績報告を受けた埼玉県は現地確認を行い、速やかに補助金の交付を行います。
⑦補助金の交付後より1年後、申請者のご自宅にアンケートが届きますので記入し埼玉県へと郵送します。
助成金よりも火災保険のほうがお得になるケース

埼玉県における一戸建て住宅の屋根・外壁塗装工事にかかる費用相場は塗料の種類や塗装面積などによって若干異なりますが、一般的な30坪の一戸建て住宅であれば平均100万円~150万円が相場となります。
決してお安い買い物ではありませんので、少しでもお得にしたいとお考えのご家族も少なくありません。
現在埼玉県・さいたま市では創エネ・省エネ対策の一環として屋根・外壁塗装工事をご検討されている方を対象に助成制度を設けています。
ところが、埼玉県・さいたま市にて実施されている屋根・外壁塗装工事に対する助成金・補助金の受給金額は、埼玉県民 間事業者暑さ対策設備等省エネ補助金の場合 助成金の対象となる経費の1/3以内 (上限金額300万円)、さいたま市「スマートホーム推進・創っては減らす」機器設置補助金では塗装を行う屋根面積1㎡あたり400円(上限金額 最大3万円)と決められており、上限金額を超えてしまった工事費用は施主様ご負担となります。
今後さいたま市が実施する一戸建て・集合住宅向け創エネ・省エネリフォーム制度「スマートホーム推進・創っては減らす」機器設置補助金を利用し屋根・外壁塗装工事をしたいとお考えのご家族もおられるかと思いますが、「スマートホーム推進・創っては減らす」機器設置補助金を利用した塗装工事を行う場合、高遮熱塗料による屋根塗装以外には適用されないため外壁塗装費用は施主様のご負担となる点に注意しなければなりません。
また、助成金の申請を行ったとしても塗装を行う屋根面積1㎡あたり400円 、上限金額 最大3万円と受給金額が低く助成金だけではリフォーム費用をまかなうことはできません。
さらに、経年劣化や自然災害等によって生じた屋根・外壁の劣化・破損がみられる場合、塗装費用に加えて補修・修理費用も発生し当初予定していた予算をオーバーしてしまうケースも多々あります。
四季彩ホームでは埼玉県・さいたま市が実施する助成金制度ではなく施主様が現在ご加入されている火災保険を活用した屋根・外壁塗装工事をご提案させていただいております。
火災保険であれば助成金制度だけでは不可能な屋根・外壁・付帯部など住宅の外観全体の補修・修理費用に加え屋根・外壁・付帯部の塗装費用も全て保険金のみでまかなうことができます。
火災保険の申請によって受給された保険金の使い道は施主様ご自身で決められますので、保険金を使って高遮熱塗料による屋根・外壁塗装を行ったり、万が一に備えて貯金したりすることも可能です。
屋根・外壁塗装では必ずしも助成金がお得というわけではありません。

四季彩ホームでは、埼玉県・さいたま市にて実施している断熱・遮熱塗料を用いた屋根・外壁塗装をお任せいただいたことがあり、実際に助成金の申請をさせていただいたことがございます。
しかし、断熱・遮熱塗料は他の塗料と比べてお値段が高く、埼玉県・さいたま市の助成金額も決して高いとは言えません。
また、建物の築年数によっては経年劣化や耐風や地震などの自然災害により屋根・外壁などに劣化症状が現れている場合があります。
助成金では経年劣化や自然災害によって生じた屋根・外壁等の修復や修理費用をまかなうことができないため、予算オーバーとなってしまうことも少なくありません。
助成金を利用してお得に創エネ・省エネ対策を行うことも良いですが、建物の状態によっては火災保険を利用したほうがお得にリフォーム工事を行うことができる場合もございます。
屋根・外壁における創エネ・省エネ対策をお考えの方は是非この機会に四季彩ホームまでご相談ください。