住宅の豆知識

自然災害から大切な家を守る「雨どい」の補修や修理の方法

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ここ数年「30年に1度」や「50年に1度」と言われる異常気象による自然災害が日本各地で常態化しつつあります。

とくに2018年ごろから甚大な人的・住家被害をもたらす記録的な大雨・洪水、大雪、台風などの自然災害が頻繁に発生しているさいたま市では、住民1人ひとりが自然災害に対する意識が高まっています。

災害に対する事前の“備え”として、家具の固定、非常袋の用意、非常時における物資の備蓄、災害発生後の生活再建を目的とする火災保険等への加入など日ごろから準備をしているご家族もたくさんいますが、もうひとつ忘れてはいけないのが家族の思い出がたっぷり詰まったお家を雨雪から守ってくれる雨どいの存在です。

雨どいとは、屋根に降った雨水などが住宅内部に侵入しないように一箇所にまとめて管や鎖を伝わらせて地面または下水へと排水を促す役割を担っている重要な住宅設備のひとつです。

雨どいが無いと、屋根から直接地面や下水へと流れ落ちた雨水によって溝や水たまりが作られ、跳ね返った雨だれが住宅の外壁を汚したり、湿気によってシロアリやカビが発生したり、住宅の構造躯体や基礎部分の腐食・劣化を招いたりと様々な住宅トラブルを招く原因となります。

こうした住宅トラブルから大切なお家を守るためにも定期的に雨どいの点検・メンテナンスを行い、劣化・破損箇所が見つかったら速やかに補修・修理を済ませることが大切です。

雨どいが壊れる原因



雨どいの主な役割とは、ここ数年頻発している記録的な大雨や大雪などの自然災害による雨漏りなどの住家トラブルを防いで住宅の寿命を伸ばすことです。

しかし、キッチンやお風呂など他の住宅設備と同じく雨どいにも寿命はあります。

雨どいの耐用年数はお住いの地域の気候・風土によって異なりますが平均15年~25年になります。

思いのほか寿命が長いと感じたご家族も多いかもしれませんが、あくまで定期的な雨どいの点検・メンテナンスを行っている、地震や台風などの自然災害に遭わなかったなどの条件下での耐用年数となりますので、雨どいの点検・メンテナンスを怠った、地震や台風などの自然災害に見舞われた場合は、耐用年数を待たず雨どいが破損してしまうことも少なくありません。

まずは大切なお家の寿命を大きく左右する雨どいが破損する原因について知ることがポイントです。

落ち葉や泥などの汚れによる詰まり

雨どいには大きく「外樋」と「内樋」の2種類あります。

外樋とは住宅の屋外に設置された雨どいのことであり、内樋とは屋外から見えないよう住宅内部に縦といが設置された雨どいを指します。

外樋は軒の出のある住宅で多くみられる軒といと縦といを組み合わせた雨どいになります。

雨どいが屋外にあることから風にのって運ばれてきた落ち葉や砂、鳥のフン、昆虫の死骸などが溜まりやすく、そのまま汚れを放置してしまうと雨どいが詰まって雨漏りなどの住家トラブルを招く原因となります。

一方、意匠性あるモダンなデザインの箱型住宅などで多く採用されている内樋は、屋外から雨どいが見えないよう軒や壁の内側に隠すように設置された雨どいになります。

宅内部に雨どいが設置されているため外観の美観性には優れていますが、雨樋の排水許容量を超える雨水が流れ込んだり、雨水と一緒に流れ込んだ落ち葉や泥によって雨どいが詰まったりしてしまうと雨漏りなどの住家トラブルが起こるリスクが高くなります。

とくに外樋・内樋どちらも内部の様子が確認しにくい縦といでの詰まりが起こりやすいので、雨どいによる住家トラブルを未然に防ぐためにも定期的に雨どいの掃除を行うようにしましょう。

大雨・大雪などの自然災害

雨どいを設置する場合、風雨や積雪によって雨どいが破損してしまわないよう建築基準法にて設計基準が定められています。

しかし、ここ数年の記録的な大雨・大雪、強風・竜巻などによる自然災害により、さいたま市では雨どいの不具合・破損が頻繁に発生しています。

こうした自然災害は雨どいに大きなダメージを与えるだけではなく、屋根の破損や外壁の不具合など様々な住家トラブルを招く原因となりますので、大雨・大雪・強風・竜巻などの自然災害に見舞われたあとは必ず雨どいの状態を確認するようにしましょう。

とくに1階よりも2階のほうが自然災害によるダメージを大きく受けやすい傾向にありますので、留め具と一緒に雨どいが飛ばされていないか、雨樋に歪み・ズレなどが生じていないかなどを細かくチェックし、少しでも異常が見られる場合は早急に雨どいの補修・修理を専門業者に依頼しましょう。

軒といの傾斜異常

一見屋根に対して平行に設置されているように見える雨どいですが、じつは軒といを流れる雨水などをスムーズに排出するためのパーツ「集水器」に向かって緩やかな傾斜がつけられています。

傾斜の向きが逆さまだったりズレが生じていたりすると、軒といを流れる雨水が正常に集水器まで運ばれず、途中で溢れてしまう可能性があります。

雨どいの傾斜異常は、経年劣化や自然災害などによる支持金具のゆがみや破損、軒といの変形、DIYリフォームによる傾斜のつけ忘れなどが原因で起こりやすい傾向があります。

雨水が正常に排水されていないと感じた場合は、雨どいリフォームを得意とする工務店またはリフォーム会社に雨どいの傾斜を確認してもらうと良いでしょう。

継ぎ手に生じた隙間

11ものパーツから成り立っている雨どいには、必ず「継ぎ手」があります。

継ぎ手とは、雨どいを構成するパーツ同士のつなぎ目部分のことであり、パーツ同士をしっかり固定できるよう継ぎ手には雨どい専用の接着剤が使用されています。

しかし、何かしらの影響によって接着剤の接着力が弱まってしまうと継ぎ手の部分に隙間が生じ雨水が正常に排水されなくなってしまう可能性があります。

雨が降ったあと外壁が汚れることが多くなった、外壁にコケやカビが生えている、雨が降ると屋外から騒音がする場合、雨どいの継ぎ手に隙間が生じている可能性があります。

とくにパーツの小さい軒の角・端部分、曲がり部分などは吊り金具でしっかりと固定することが難しい箇所になりますので接着剤の接着力が弱まりやすく雨どいにズレ・外れが生じやすくなります。

また、継ぎ手の接着力には問題が生じていない場合でも雨どいの劣化によって継ぎ手の表面が剥離して外れる場合もあります。

経年劣化

雨どいの耐用年数は平均15年~25年と言われています。

耐用年数が過ぎた状態の雨どいは強度が大幅に低下していますので、割れ・欠け・ゆがみなどの劣化症状が現れやすくなり正常な排水機能を期待することができなくなります。

とくに縦といの補修・修理をした直後に軒とい・集水器のトラブル発生率は高く、最終的に雨どいの部分的な補修・修理では対応しきれなくなるケースも少なくありません。

また、お住いの地域の気候・風土、周辺環境などによって耐用年数に満たない場合でも劣化してしまうケースがあります。

さいたま市は1年を通して比較的降水量が少なく穏やかな気候として知られていますが、夏場は最高気温が高くなりやすい地域でもあります。

こうした気温が高くなりやすい地域では紫外線や暑さの影響によって雨どいが変形してしまうことがあります。

雨どいの補修・修理方法



経年劣化や自然災害などにより雨どいに不具合・破損が生じた場合、そのまま放っておかず早急に専門業者に補修・修理を依頼しましょう。

雨どいに不具合・破損が生じたまま放置してしまうと、雨どいが本来持っている排水機能を発揮することができず、雨漏り、シロアリ・カビの発生、構造躯体・基礎の劣化などが起こり住宅の寿命を縮める原因となります。

雨どいの補修・修理を行う場合、どのような不具合・破損が生じているのかによって部分的な補修で済む場合と全体的な修理が必要な場合に分けられます。

雨どいの主な補修・修理内容と費用相場

  • 雨どいの詰まり

軒とい、集水器、縦といなどに落ち葉や砂などのゴミが溜まってしまうと、雨どいの排水機能に影響が出てしまいます。

雨どいが詰まると雨水の流れが不自然になる、雨どいから雨水が溢れるなどのトラブルが発生し雨漏りリスクが高くなります。

  • 〖雨どいの詰まり対処方法〗

軒とい・集水器に溜まったゴミや汚れが原因で起こる詰まりであれば、脚立またはハシゴをかけて雨どいの高さまで上がり、ブラシやチリぼうきを使ってゴミや汚れをキレイに取り除きます。

泥・砂・土などのこびりついた汚れはヘラを使ってこそぎ落します。

こまめな掃除を怠ったことで突起状の硬い汚れが発生した場合は雨どいを傷つけないようにヤスリで削り落とします。

縦といに詰まりが生じている場合、継ぎ手を外して縦といの内部が見える状態にします。

硬めの針金を用意し先端部に縦といの穴とほぼ同じ大きさの布で作ったボールをくくり付けます。

脚立またはハシゴをかけて屋根側にある縦といの入り口から布ボールが付いていないほうの針金を通し、地面側にある縦といの出口に針金の先端部が見えたら布ボールが出てくるまで針金を引っ張ります。

縦といの掃除を2回ほど繰り返し最後に縦といの入り口から水を流し込みスムーズに流れるか確認したら掃除の完了となります。

  • 〖費用相場・掃除期間〗

雨どいが詰まってしまった場合、1階部分に取り付けられた雨どいであればご自身で掃除することも可能です。

しかし、2階以上の高所にある雨どいの掃除を行う際には清掃作業中の安全性を確保するため足場を組む必要があります。

また、雨樋の掃除中に雨どいの歪み・ズレなどを見つけた、脚立やハシゴが雨どいに当たって破損してしまったなどのトラブルが発生するケースも多々あります。

雨どいの補修・修理を得意とする工務店またはリフォーム会社であれば、雨どいにダメージを与えることなく落ち葉や泥などのゴミや汚れをキレイに取り除きつつ、雨どいに生じた不具合・破損の修理も同時に行うことが可能です。

雨どいの掃除作業のみならば数時間~1日以内で作業が完了します。

費用相場は屋根の勾配や雨どいの状態などによって異なりますが、軒とい30m程度の一般的な一戸建て住宅で平均10,000円~30,000円ほどになります。

家主ご自身で雨どいの掃除を行った場合、費用は掛かりませんが予期せぬトラブルで雨どいが破損してしまうと掃除費用よりも高い修理費用を支払うことになる可能性があります。

ご自身で雨どいの掃除を行う際は細心の注意を払って行うようにしましょう。

  • 雨どいの一部交換・補修

雨どいの一部分にひび割れ・ズレ・歪みなどが生じている場合、その部分だけを交換・補修することで雨どいの排水機能を元の状態に戻すことが可能となります。

一時的にコーキング剤や防水テープを使って雨どいを補強する場合もありますが、雨どいの排水機能を新築時に近い状態にまで戻して雨漏りなどの住宅トラブルを防ぎたいとお考えであるならば、不具合・破損が生じている雨どいの部分的な交換・補修工事を行うことをおすすめします。

  • 〖雨どいの一部分交換・補修方法〗

アタッチメントを取り付けた脚立またはハシゴを交換・補修したい箇所に重なるかたちでかけ、交換したい箇所の雨どいと金具を取り外します。

交換・補修を行いたい箇所から5cm~10cmほど離れた部分にノコギリを入れて雨どいを取り外します。

雨どいを取り外した部分に長さを調節した新品の雨どいを軒継ぎ手にはめ込み雨どい専用の接着剤でしっかりと固定し仕上げに金具を取り付けたら作業完了です。

雨どいには雨水の排水をスムーズにさせるための勾配がつけられています。

新品の雨どいを取り付ける際は既に取り付けられている雨どいとの傾斜に注意しながら取り付けることがポイントです。

  • 〖費用相場・補修期間〗

雨どいを一部分だけ新品に交換する補修工事を依頼した場合、

  • 雨どい :1mあたり3,000円~5000円ほど
  • 部品代 :3,000円~5,000円ほど
  • 工事費用:3,000円~5,000円ほど
  • 廃棄費用:10,000円ほど

このような内訳となり、雨どいの部分的な交換・補修にかかる1箇所あたりの費用相場は10,000円~30,000円ほどとなります。

なお、雨どいの一部分に穴やヒビなどの破損が生じており、コーキング剤や補修テープなどを用いて破損箇所を補修することで対処することができます。

このような簡易的な補修工事であれば、30坪あたりの費用相場は10,000円~30,000円ほどで行うことが可能です。

しかし、雨どいの一部分を新品に交換・補修工事を行ったときとほぼ同じ工事費用が発生することになりますので、雨どいの状態によっては雨どいの一部分だけを新品に交換する補修工事を行ったほうが良い場合もあります。

雨どいの一部分を交換・補修を行う際にかかる補修日数は、設置されている雨どいのメーカーやサイズ、雨どいの状態などによって異なりますが、平均数時間~1日ほどで補修工事が完了します。

  • 雨どいの全交換

新築時から1度も雨どいの点検・メンテナンスを行っていない、雨どいの耐用年数を超えている場合、雨どい全体が酷く劣化・損傷している可能性があります。

雨どいが劣化・損傷した状態のまま放っておくと、雨漏り、シロアリ・カビの発生、住宅の構造躯体・基礎の劣化など深刻な住宅トラブルを招く原因となります。

万が一に備えて早急に専門の業者に雨どいの点検を行ってもらいましょう。

  • 〖雨どいの全交換方法〗

雨どい全体を新品に交換する場合、基本的には一部分交換するときと作業手順は同じです。

しかし、交換時の安全性を確保するため2階以上の雨どいの交換・補修・修理工事を行う場合、足場の設置が必須となります。

雨どいの補修・修理工事では、金具を交換するかどうかで作業時間が大きく変わってきます。

四季彩ホームでは、少しでも施主様ご家族へのご負担を軽減できるよう、金具の交換が必要ないと判断した際には少しお値引きをさせていただいたり、同じく足場の設置が必須である屋根・外壁のリフォーム工事と雨どいの全交換作業を同時に行うご提案をさせいただいたりしております。

  • 〖費用相場・交換期間〗

雨どいの全交換工事を依頼した場合、

  • 部材費用:20万円~30万円ほど
  • 足場代:10万円~20万円ほど
  • 廃棄、撤去費用:20,000円~50,000円ほど

このような内訳となり、雨どいの全交換にかかる費用相場は15万円~60万円ほどとなります。

とくに2階建て住宅にて雨どいの全交換工事を行う場合、作業中の安全性を確保するために足場の設置が必須となりますので必ず足場代が発生します。

なお、交換する雨どいの形状・素材・メーカーなどによっても交換費用が大きく変わってきますので、ご家族でしっかりと話し合って設置する雨どいを決めることが大切です。

雨どいの全交換工事を行った場合の工事期間ですが、平均1日~2日ほどで作業が完了します。

  • 雨どいの継ぎ手の補修・修理

接着不良や経年劣化などによって雨どいの継ぎ手に不具合が生じた場合、継ぎ手の補修・修理工事を行う必要があります。

未だ経年劣化の症状が見られない雨どいで継ぎ手に隙間・外れの症状がみられる場合、応急措置として雨どい専用の接着剤を使って隙間・ズレを補修することができますが、あくまで“急場の間に合わせ”になりますので、早急に専門の業者に修理を依頼することをおすすめします。

  • 〖継ぎ手の補修・修理方法〗

継ぎ手の補修・修理工事を行う場合、必ず同じメーカーの同じ型の継ぎ手を用意しなければなりません。

既に廃版になっている場合、継ぎ手の補修・修理工事を行うことができませんので雨どいを全交換しなければならない大掛かりな工事が必要となる可能性もあります。

予算の都合上、どうしても雨どいの全交換が難しい場合は、取り外した継ぎ手と継ぎ手とくっついていた接着部分に付着した汚れやゴミをキレイに取り除き、雨どい専用接着剤を塗布して隙間・外れが生じないようにピッタリと密着させることで継ぎ手の修理を行うことも可能です。

継ぎ手の補修・修理工事は、数cm・数mm単位で行う非常に繊細な作業となります。

雨どい専門の業者であればバナーで炙るなどして継ぎ手の調節を行うことができますが、雨どいの扱いに慣れていないと再び継ぎ手に隙間・外れが生じ雨漏り、外壁の汚れ、コケ・カビの発生、騒音などの住宅トラブルが発生する恐れがあります。

継ぎ手に不具合が生じている際は決してご自身で補修・修理しようとはせず、信頼できる工務店やリフォーム会社に依頼しましょう。

  • 〖費用相場・補修期間〗

継ぎ手の状態によって異なりますが、継ぎ手の隙間・外れが比較的軽度であれば1箇所あたり5,000円~20,000円ほどで修理を行うことが可能です。

思った以上に継ぎ手の状態が悪い場合は、全体的に雨どいの耐久性が落ちている可能性があります。

継ぎ手のほかにひび割れ、穴あき、歪み、外れなどの損傷個所が見られた場合には雨どいが正常に機能していない可能性が高いですので、早急に専門の業者に点検してもらいましょう。

DIYで雨どいの補修や修理を行うメリット・デメリット

昨今のDIYブームにより、いまではホームセンターやネット通販などで誰でも雨どいの補修・修理に必要な部材や道具を購入することができるようになりました。

DIYにて雨どいの補修・修理工事を行うことで、工事費用を抑えることができる、自分好みに仕上げることができるなどのメリットがあります。

しかし、実際に雨どいをDIYにて補修・修理を行ったさいたま市にお住いのご家族の多くが『初めから専門の業者に補修や修理を依頼すべきだった』と後悔しています。

その理由は、

  • うまく勾配がつけられず、雨漏りしてしまった
  • 作業中、ハシゴから落ちてケガをした
  • 補修に失敗して近隣住民とのトラブルに発展した
  • 補修後、外壁にコケやカビが生えるようになった

など思わぬトラブルや事故へと発展してしまうケースが多いことが挙げられます。

DIYによる雨どいの補修・修理を行う場合、雨どいについての知識を身に着けておく、作業時の安全性をしっかり確保しておくことが最も重要なポイントになります。

1階部分で脚立やハシゴを使って作業できる部分以外は安全性を確保するために必ず足場を組まなければなりません。

また、取り付けた雨どいの勾配がうまくつけられず排水に影響がでている、継ぎ手に隙間ができてしまうというケースもありますので、DIYにおけるリフォーム工事のなかでは非常にハードルが高いと言えるでしょう。

雨どいリフォームは火災保険の対象になるのか



雨どいの補修・修理費用は比較的お手頃な掃除作業でも10,000円~とやや高めの価格であるため、たとえ不具合やトラブルが生じても直ぐに工務店やリフォーム会社に依頼するというのは難しいと感じているご家族も少なくありません。

しかし、雨どいの不具合やトラブルが地震・台風・大雨・強風・大雪などの自然災害によって生じていた場合、火災保険を利用することで家計を圧迫することなく実質0円にて雨どいの補修・修理費用をまかなうことができます。

雨どいの補修・修理における火災保険の補償対象範囲

火災保険を利用して雨どいの補修・修理工事を行う場合、雨どいが不具合・故障した原因が火災保険の補償対象内であるかどうかがポイントになります。

火災保険の補償範囲は保険会社が提供する保険商品やご加入中の保険契約によって若干異なりますが、火災・落雷・破裂・爆発・風災・雪災・雹災・水濡れ・落下物などいくつかの事故やトラブルに対する補償は共通しています。

このなかで火災保険における雨どいの補修・修理の補償対象となりうるのは、主に風災・雪災・雹災になります。

なお、地震によって生じた雨どいの不具合・破損については地震保険の補償対象となります。

地震保険は単独で加入することができませんので火災保険への加入が必須となっておりますので、風災・雪災・雹災に加え地震による雨どいの補修・修理費用をまなかいたいとお考えであるならば火災保険と共に加入することをおすすめします。

もしも火災保険加入時に地震保険に加入し忘れてしまった場合は、火災保険の保険期間であればいつでも加入することができますので契約中の保険会社または保険代理店にご相談ください。

火災保険を申請する際の注意点

  • 保険金の算出方法が「時価」になっている

火災保険における保険金の算出方法には「新価」と「時価」の2種類あります。

新価とは、損害額を全額補償する保険金の算出方法になります。再調達価額とも言い、保証対象と同等のモノを再築・再購入する際に必要な保険金を受け取ることができます。

反対に時価とは、新価から使用によって消耗した分を差し引いた金額を保険金として算出する方法になります。

雨どいの場合、経年劣化によって生じた分が新価から差し引かれることになりますので、築年数が雨どいの耐用年数を超えている場合の保険金の受給額は少なくなってしまいます。

火災保険加入時に「新価」を選択した場合、火災保険の補償範囲内であれば保険金だけで雨どいの補修・修理を行うことが可能となりますが、「時価」を選択してしまった場合は保険金だけで雨どいの補修・修理工事をまかなうことが難しい場合があります。

  • 免責金額を設定すると自己負担が増える

火災保険加入時「免責金額」を設定した場合、保険加入者様の自己負担額が増えてしまう可能性があります。

免責金額とは、火災保険を申請した際に保険会社が保険金を支払う責任の一部を保険加入者様が引き受け自己負担しなければならない金額を指します。

免責金額を設定することで火災保険料を少し抑えることはできますが、免責金額を設定したことで自己負担額が増えてしまい家計を圧迫してしまう可能性があります。

保険会社のなかには補償ごとに免責金額を細かく設定することができる場合がありますので、さいたま市にお住いのご家族は昨今頻発している自然災害に対する免責金額は低めに設定しておくと万が一のときに安心です。

  • 火災保険の契約内容によって保険金が受け取れない

風災・雪災・雹災などによって雨どいが破損してしまった場合、本来であれば火災保険を申請することで保険金を受け取ることが可能です。

しかし、火災保険の契約内容によっては保険金を受け取ることができない場合があります。

とくに注意したいのが「免責方式」と「損害額20万円以上型」の2点です。

免責方式とは、損害額が免責金額を超えた場合のみ補償する方式になります。

火災保険の契約時、加入者様により一定の自己負担金額を設定してもらうことで損害金額から自己負担金額を除いた金額を保険金として支払われることになります。

もしも自己負担額3万円に設定した場合、損害金額問わず保険加入者は必ず3万円の自己負担をしなければなりません。

そのため、雨どいの補修・修理工事が3万円以下の場合、保険会社に火災保険の申請をしても保険金を支払ってもらえないということになります。

損害額20万円以上型とは、20万円以下の損害時には保険金の受給ができないことを指します。

現在では「損害額20万円以上型」の火災保険を扱っている保険会社は少ないですが、築年数が経っている住宅ではこちらのタイプの火災保険に加入している可能性が高いので、1度保険証券などを確認されることをおすすめします。

  • 時間が経ってから火災保険の申請を行う

台風や大雪などの自然災害によって生じた雨どいの不具合や破損は、火災保険を申請することで自己負担なしで補修・修理工事を行うことができます。

しかし、火災保険を申請すると被害状況を確認するため「損害保険登録鑑定人」が保険会社から派遣されます。

損害保険登録鑑定人が自然災害による不具合・破損と認めれば保険会社より保険金を受け取ることができますが、これまで1度も雨どいの点検・メンテナンスを行っていない場合や築年数が経っている住宅では損害保険登録鑑定人でも自然災害によるものか経年劣化によるものかを判断しにくいため、災害発生より時間が経っている状態で火災保険を申請してしまった場合、経年劣化による不具合・破損と判断されてしまうことも多々あります。

火災保険の請求期限は3年ですが、台風・集中豪雨・ゲリラ豪雨・大雪などが発生したあとは1度専門の業者に雨どいを点検してもらい不具合・破損が見られる場合は、ご家族と業者でしっかりと話し合い速やかに火災保険の申請を行うと良いでしょう。

雨どいの補修・修理は専門の事業者に依頼しましょう。



雨どいの耐用年数は平均15年~25年と言われています。

さいたま市は、1年を通して比較的降水量が少なく住み心地の良いまちとして知られていますが、ここ数年は記録的な大雨や大雪、地震、台風などの自然災害による人的・住家トラブルが相次いでいます。

四季彩ホームではご家族の思い出が詰まった大切なお家を雨雪から守るため、雨どいの補修・修理のほかに清掃作業や交換なども行っています。

また、一戸建て住宅だけではなくマンション・アパートなどの共同住宅、カーポート、物置小屋などに設置された雨どいの清掃作業、補修・修理、交換なども可能でございます。

ぜひお気軽にご相談ください。

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