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屋根・外壁の付帯部とは?付帯部の種類と塗装時の注意点

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さいたま市では屋根・外壁塗装工事を行う際、メインとなる屋根・外壁と併せて付帯部の塗装を提案する事業者が増えています。

付帯部とは、お家の外観にある屋根・外壁以外の細やかな部品やパーツのことであり、これらの付帯部によって屋根・外壁に備わっている本来の機能や性能を最大限発揮することが可能となります。

ところが、付帯部は屋根・外壁と同じく戸外に設置されていますので、紫外線や風雨などの影響をまともに受けやすく破損や劣化を起こしやすい箇所でもあります。

付帯部が破損・劣化した状態のまま放っておくと、お家全体の防水性が低下してしまい住宅内部に雨水などの水分が侵入しやすくなり雨漏り、柱・梁の腐食、基礎へのダメージなど様々な住家トラブルが起こりやすくなるだけではなく、カビ・ダニの発生によるアトピー性皮膚炎、肺炎、アレルギー性鼻炎などの健康被害を招く原因となります。

ここでは、屋根・外壁塗装の際に付帯部塗装として含まれる付帯部の主な種類と付帯部塗装の重要性などをご説明します。

屋根・外壁と付帯部の関係性



屋根と外壁の主な役割は、雨水対策、外気温・外部騒音の遮断、防火、耐風圧の調節などご家族が安心・安全に暮らせる快適な住環境づくりとなります。

しかし、屋根・外壁だけではどうしても安心・安全な住環境を維持することは難しく、いずれ限界が来てしまいます。

そこで、屋根や外壁に「付帯部」と呼ばれる細かなパーツを設置することで、屋根・外壁では対処しきれいないトラブルを解消しつつ、屋根・外壁がきちんと役割を果たせるよう本来備わっている機能・性能を最大限発揮するためのサポートをしています。

とくにさいたま市では、屋根・外壁塗装工事の際には付帯塗装として軒天、破風板、鼻隠し、庇 (ひさし)、雨どいなどの付帯部への塗装工事を含めた見積もりを出す塗装業者も少なくありません。

しかし、塗装業者によって付帯部塗装に含まれるパーツが少しずつ異なりますので、それぞれの付帯部がどのような目的で設置されているのかを事前に確認しておくと屋根・外壁塗装工事をお得にすることができます。

付帯部の主な種類

  • 軒天

外壁からはみ出ている屋根の真下 裏側にある付帯部になります。

塗装業者によって「軒裏」「上げ裏」「軒天井」「軒裏天井」などとも呼ばれており、屋根裏に湿気が溜まるのを防ぐ、雨水が外壁に直接当たるのを防ぐなどの役割があります。

軒天は紫外線や風雨などの厳しい自然環境の影響を受けやすい付帯部ですので、定期的に汚れや剥がれなどの破損が見られないかチェックしましょう。

破損や劣化の症状が見られる場合は、防藻・防カビ・防水3つの機能が備わった塗料でメンテナンスを行う、または新しい軒天ボードを張り合わせるなどのリフォーム工事を行うと良いでしょう。

  • 破風板 (はふいた)

日本建築に多い切妻屋根の「妻側」と呼ばれる直角な側面にある合掌型の付帯部になります。

破風板の主な役割は防風・防水・防火であり、住宅内部に侵入する風、台風など横殴りの激しい雨の吹き込み、住宅火災の延焼などを防ぐ役割があります。

破風板の耐用年数は一般的に20年~30年とされていますが、昨今の異常気象の影響により破損や劣化が起こりやすくなっています。

破風板の破損や劣化を防ぐためにも定期的に塗装メンテナンスを行いましょう。

また、妻側の先端部にある「ケラバ」も紫外線や風雨の影響により劣化しやすい箇所になりますので、破風板と併せてメンテナンスを行うことをおすすめします。

  • 雨どい

屋根に落ちた雨水が軒先や外壁などに触れないように寄せ集めて地面の排水溝へと排水する付帯部です。

雨どいの素材や設置方法などによって異なりますが、つねに紫外線や風雨にさらされている雨どいは破損や劣化しやすい付帯部になります。

とくにさいたま市内の多くの住宅に設置されている塩化ビニル素材の雨どいは紫外線に弱い性質を持っていますので、紫外線による劣化を防ぐためにも塗装を行うことをおすすめします。

  • 鼻隠し

雨どいが設置されている軒先の先端部に取り付けられる付帯部になります。

主に屋根を支えるため棟から軒に渡す「垂木」と呼ばれる屋根の枠組みの縦軸先端部の切り口を隠す目的で取り付けられていますが、屋根の強度を高めたり、垂木が水分を吸収して腐食するのを防いだりする役割も担っています。

鼻隠しに使用される素材は破風板と同じであることが多く耐用年数は20年~30年ほどになります。

しかし、昨今の異常気象の影響により鼻隠しが破損や劣化しやすい状態となっています。

鼻隠しの状態に応じて塗装、板金材の貼り付け、交換などを行うようにしましょう。

  • 庇 (ひさし)

窓や縁側などの真上に設置される付帯部になります。

正しくは「霜除け庇」と言い、主に紫外線や雨雪を防ぐことを目的に設置されています。

庇の表面はスチール製であることが多いため、長期間紫外線や風雨にさらされると表面が錆びついて剥がれてしまいます。

庇が破損や劣化してしまう前に表面を塗装して錆びを防ぐことがポイントです。

  • 笠木 (かさぎ)

ベランダやバルコニーの手すり、塀、腰壁などに取り付けられる付帯部です。

一般的に戸外に設置されているイメージが強いですが、室内に設置された階段の手すり壁や対面キッチンの腰壁なども笠木になります。

笠木のなかでも特に破損や劣化が著しいとされるのがベランダやバルコニーです。

つねに紫外線や風雨にさらされているベランダやバルコニーは防水機能を有する塗料で定期的に笠木のメンテナンスを行わないと雨漏りや柱・梁の腐食など様々な住家トラブルを招く原因となります。

  • 帯板

お家の外観についている板状の装飾品または化粧材になります。

業者によっては「幕板」「胴差」「ボーダー」などと呼ばれており、さいたま市では2階建て住宅に多くみられる付帯部であり、主に1階と2階の境目やベランダ・バルコニーの高さに合わせて取り付けられています。

帯板の役割は外観の美観性を向上させることであり、外壁の保護や長持ちさせるといった機能性は特にありません。

帯板は使用される素材や構造上の理由から紫外線や風雨などの影響を大きく受けやすい付帯部となりますので、帯板を長持ちさせるため帯板上部に雨水の侵入を防ぐ三角コーキングを打ち、3年~5年に1度塗装によるメンテナンスを行うことをおすすめします。

  • 水切り

外壁と基礎のあいだにある仕切り部分には「水切り」という付帯部があります。

水切りの主な役割は窓枠や外壁をつたって流れ落ちた雨水が住宅の基礎部分に侵入するのを防ぐことです。

さいたま市にある一戸建て住宅のなかには水切りが無いお家も多々ありますが、窓枠や外壁をつたって雨水が基礎部分に侵入しない構造であれば水切りが無くても問題ありません。

水切りのあるお家では、定期的に水切りの点検を行い破損・劣化の症状が見られる場合はケレン作業とさび止め塗を塗布後、上塗り塗料でキレイに仕上げるのがポイントです。

  • 雨戸・戸袋

お家の外まわりに取り付けられる付帯部になります。

雨戸の主な役割は台風などの激しい風雨によって窓ガラスが破損するのを防ぐ役割がありますが、防犯対策としても一役買っています。

一方、戸袋とは縁側や窓のある敷居の端に箱状の入れ物のことであり、雨戸を収納するために欠かせないスペースになります。

塗膜の剥離、錆びつき、チョーキング現象など比較的軽度の劣化症状であれば、塗装工事によるメンテナンスによって劣化を防ぐことができますが、腐食など深刻な劣化症状が見られる場合は交換をおすすめします。

  • シャッター

防寒、防火、防盗、日射対策などを目的に設置される付帯部になります。

窓上部にシャッターケースを設置することで従来の雨戸と比べて、防犯性や防火性が高く、老若男女問わず誰でも簡単に雨戸の開閉が可能となりました。

また、コンパクトなシャッターケースに雨戸が収納されるため外観の美観性も向上させることができます。

しかし、戸外に設置されたシャッターボックスや雨戸シャッターは紫外線や風雨の影響により破損や劣化しやすいため、定期的に点検やメンテナンスを行い少しでも劣化症状が見られる場合は早めに塗装を行いましょう。

  • ベランダ、バルコニー、ウッドデッキ

戸外にあるベランダ、バルコニー、ウッドデッキなどは雨水が直接入り込むため、ほかの付帯部と比べると劣化しやすく定期的な点検やメンテナンスが必須となります。

とくにベランダとバルコニーは劣化が進行すると雨漏りや老朽化の原因となりますので、塗膜のひび割れや剥がれなどの劣化症状が現れたら早急に防水工事を行うことをおすすめします。

ウッドデッキは色褪せ、汚れ、塗膜の剥がれなどの劣化症状が現れ始めたら老朽化やシロアリの発生を防ぐため防水性のある塗料で塗装工事によるメンテナンスを行うと良いでしょう。

  • フェンス

家族のプライバシーを守るため、お家をぐるりと取り囲むように敷地の境界部分に設置される付帯部になります。

フェンスを設置することで外部の視線が遮られ防犯対策にも繋がるだけではなく、ペットの脱走なども防ぐことができます。

屋根・外壁と同じく、つねに紫外線や風雨にさらされることになりますので破損や劣化症状が見られる場合は塗装によるメンテナンスを行うことをおすすめします。

屋根・外壁の付帯部における塗装工事の重要性



一般的に屋根・外壁が劣化すると住宅本来の機能・性能が失われ、雨漏り、構造躯体の腐食、基礎の劣化、カビ・ダニの発生といった住宅トラブルが起こりやすくなり資産価値が低下するとされています。

しかし、戸外には屋根と外壁のほかに軒天、破風板、雨どいといった付帯部もあり、いずれも1年を通して紫外線や風雨などの厳しい自然環境にさらされており毎日少しずつ劣化しています。

屋根・外壁の付帯部は住宅全体の防水性を司る重要なパーツになりますので、塗装工事にて屋根・外壁のみをしっかり塗装しても付帯部が劣化したままでは低下した住宅の防水性能を向上させることは難しく、さらに外観の美観性も損なわれたまま回復させることができません。

屋根・外壁塗装工事を依頼する際は、軒天や破風板などの付帯部も併せて塗装工事を行うことで住宅全体の防水性を高め劣化を防ぐことが大切です。

付帯部への塗装を行う際の注意点



さいたま市にて屋根・外壁塗装工事を依頼された際、見積もり書に「付帯部塗装」という項目があるのを目にしたことのあるご家族も多いのではないでしょうか。

付帯部塗装とは、屋根・外壁が本来の機能・性能を最大限発揮できるようサポートするために欠かせない軒天や雨どいなどの付帯部の劣化を防ぐことを目的に行われる塗装工事になります。

付帯部塗装を行うことで住宅全体の美観性や機能・性能が回復し長く住み続けられる安心・安全な住まいとなりますが、屋根・外壁塗装工事と併せて付帯部塗装を行う際にはいくつか注意点もあります。

誤った付帯塗装をしてしまうと、のちにトラブルへと発展する場合があります。

事前に付帯塗装に関する注意点を把握してトラブルを回避しましょう。

付帯部の素材に合わない塗料は使わない

外観を構成している屋根・外壁・付帯部はそれぞれ異なる材質の部材が使用されていることが多いので、すべてを同じ塗料で塗装工事を行うことはできません。

とくに付帯部は部品やパーツごとに樹脂・金属・木材など使用されている材質が大きく異なることが多いため、それぞれの付帯部に合わせた塗料選びが重要になります。

なかには塗装に向かない材質や塗料選びに注意が必要な材質もありますので、付帯部塗装を行う際は見積もりの段階で塗装業者に付帯部の部材をしっかりと確認してもらいましょう。

付帯部塗装の対象範囲を見積もり書などに明記してもらう

付帯部の塗装を行う際は、必ず付帯部塗装の対象範囲を見積もり書または契約書に明記してもらうことが大切です。

とくに見積もり書に「付帯部塗装一式」という記載がある場合は注意が必要です。

付帯部塗装の対象となる範囲は塗装業者によって違うため、塗装工事が始まってみたら付帯部塗装の対象範囲外だと言われて塗装してくれなかった、こちらも塗装してほしいと言ったら追加料金を請求されたなどのトラブルに発展したケースも多々あります。

見積もり書や契約書に「付帯部塗装一式」という記載がある場合は、担当者に付帯部塗装に関する内訳を明記した新しい見積もり書または契約書を作成してもらうようにしましょう。

四季彩ホームでは屋根・外壁塗装工事のお見積りを出す際、必ず付帯部も含めたお見積もりを出していますが、付帯部の対象範囲については破風板、鼻隠し、庇、ベランダ、バルコニーを基本としています。

付帯部の対象範囲に含まれていないほかの箇所の塗装をご希望の際は、1度ご相談ください。

使用する塗料の色は住宅全体のバランスを見て決める

軒天や雨どいなどの付帯部は屋根・外壁と共に外観の美観性を向上させる役割も果たしています。

既に屋根と外壁で2色を使用していますので、付帯部に使用できる色は最大2色までに留めておきましょう。

あまりたくさんの色を使ってしまうと住宅全体の統一感が無くなり美観性を損なう原因となります。

また、お住いの地域によっては景観法により使用することができない塗料の色がありますので、塗料の色を選ぶ際はご家族と塗装業者としっかり話し合い景観法に違反しないバランスの良い外観を目指しましょう。

屋根・外壁・付帯部に使用する塗料の耐久年数を揃える

屋根・外壁塗装工事と同時に付帯部への塗装工事を行う際は使用する塗料の耐用年数に注意しましょう。

さいたま市では現在「シリコン塗料」と「ラジカル塗料」を用いた屋根・外壁塗装工事が主流となっています。

シリコン塗料の耐久年数は12年~15年ほど、ラジカル塗料の耐久年数は14年~16年ほどであり、どちらの塗料も10年を目安に点検・メンテナンスを行う必要があります。

しかし、付帯部に使用されている塗料の耐久年数が6年~8年である場合、屋根・外壁のメンテナンス時期を迎える前に付帯部を塗装しなければなりません。

屋根・外壁の塗装工事を行う際に高耐久塗料を使用して塗装工事を行う際には、付帯部の塗装時にも屋根・外壁と同じ性能を持つ高耐久塗料を使用することがポイントです。

シャッターの塗装を希望される際の注意点

窓用シャッターも紫外線や風雨などの影響により次第に劣化しますので、定期的な塗装によるメンテナンスが必要となります。

さいたま市では外壁塗装と同じタイミングでシャッターの塗装工事をご希望されるご家族も多いですが、シャッターは厚く塗装すると可動域が狭くなる、ボックス内に巻き取られたシャッターが塗料でくっついてしまうなどのトラブルの原因となります。

シャッター表面を塗装する際は薄く塗装してもらうようにしましょう。

また、窓用シャッターを収納するシャッターボックスの材質が塩ビ被膜鋼板の場合、表面に特殊な加工が施されているため専用の塗料で塗装工事を行わないと表面がべたついて仕上がりが悪くなってしまいます。

窓用シャッターとシャッターボックスに使用されている材質はパッと見ただけでは判断することが難しいため、必ず専門の業者に確認してから塗装工事を行うようにしてください。

付帯部塗装は屋根・外壁塗装工事と同時に行う

付帯部のなかには足場の設置が必要な高所に設置されているものも少なくありません。

足場の設置にかかる費用は1㎡あたり600円~1000円が相場であり、一般的な30坪の2階建て木造住宅の外壁を全面施工する場合にかかる足場の設置費用は15万円ほどとなります。

付帯部の塗装工事を行うだけに15万円ほどかけて足場を設置するのはコストもかかってしまいますので、屋根・外壁塗装工事と同時に付帯部塗装を行い、足場の設置回数を減らすことでお得に塗装工事を済ませることが可能となります。

現在さいたま市にある塗装業者では、屋根・外壁塗装工事を行う際に付帯部塗装も同時に行うケースが増えていますが、広告などでよく見かける激安パックなどは付帯部塗装にかかる工事費用が含まれていないことがありますので注意が必要です。

屋根・外壁塗装工事を行う際は付帯部も併せて行うことがポイントです。



昨今の異常気象の影響により、さいたま市では屋根・外壁塗装工事による住宅のメンテナンスをご検討されるご家族が増えています。

しかし、屋根・外壁塗装工事は決して安くない買い物になりますので、少しでもお得に塗装工事をしたいとお考えのご家族も少なくありません。

四季彩ホームでは、屋根・外壁塗装のお見積りを出す際には必ず付帯部を含めた値段でご提案させて頂いております。

付帯部の塗装費用を含めたお見積もりを出すことで、足場の設置にかかる費用を抑えることができるだけではなく、住宅全体の防水性を向上させて住宅トラブルに強い住み心地の良い安心・安全な住まいをお守りします。

ぜひお気軽にご相談ください。

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