住宅の豆知識
家族構成やライフスタイルの変化に合わせた給湯器の選び方とは?
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1年を通して比較的穏やかで住み心地の良いまちとして知られるさいたま市では、経年劣化や過度な負担をかけない限り給湯器がトラブルを起こす可能性は低いとされています。
しかし、給湯器などの住宅設備には必ず「耐用年数」というものが定められており、耐用年数を大幅に超えた使用は住宅トラブルを招く原因とされています。
給湯器の耐用年数はメーカーなどによって若干異なりますが、平均10年前後と定められています。
「10年」という年数は、ちょうど家族構成やライフスタイルに変化が起こりやすい時期と重なっているため、さいたま市では家族構成やライフスタイルの変化をきっかけに給湯器の交換や後付けを希望されるケースが高い傾向にあります。
そこで今回は、給湯器の交換や後付け工事を依頼する前に知っておきたい家族構成やライフスタイルの変化に合わせた理想の給湯器の選び方をご紹介します。
ガス給湯器の特徴と選び方
給湯器と聞いて真っ先に思い浮かぶのが「ガス」ではないでしょうか。
ガス給湯器とは、都市ガスやLPガスを燃料とする給湯器のことです。
お湯を使う際、水道の蛇口をひねると同時に給湯器から「ボッ」と音が鳴り、必要なときに必要な分だけお湯を沸かすことが可能です。
現在日本国内の住宅に設置されている主なガス給湯器は、
- タンク内に貯まった水道水を温めてお湯にする「貯湯式 (減圧式)」
- タンク内を減圧し真空状態にすることでお湯を作る「真空式」
- 管を通る水道水が本体を通過する際に水が温められる「直圧式」
この3種類の加熱方式がとられています。
お湯の使用量が少ないご家庭の場合、直圧式のガス給湯器を選ぶことでコストを安くすることができますが、常に一定以上の湯量と水圧を確保したい場合は、貯湯式のガス給湯器と交換するのがおすすめです。
ガス給湯器を選ぶときは「号数」をチェック
ガス給湯器には、それぞれ1分間に水温+25℃のお湯をどのくらいの量を出すことができるかを示す「号数」が記載されています。
たとえば、1分間に24リットルのお湯を出すことができる給湯器の場合、給湯器本体に貼られたシールの品番もしくは型式に「24」という数字が確認できます。
この数字がガス給湯器の能力を示す「号数」となります。
現在、一般家庭に設置されているガス給湯器の号数は、16号・20号・24号が主流となっており、数字が大きければ大きいほどお湯を作り出す能力が高くなります。
能力の高いガス給湯器は1度にたくさんのお湯を作り出すことができるため、キッチンやお風呂など複数の場所で同時にお湯を使用してもお湯の温度が不安定になってしまう心配がありません。
ガス給湯器を交換する場合、とくに湯温が安定しない、湯量が少ないなどの不便さを感じていないのであれば、現在ご使用中のガス給湯器と同じ号数の給湯器と交換すると良いでしょう。
【ガス給湯器の号数目安】
号数 | 世帯人数 |
---|---|
16号 | 1人 |
20号 | 2人 |
24号 | 3人~4人 |
28号 | 4人以上 |
もしも、家族構成やライフスタイルの変化により、以前と比べてお湯を使う量が増えた、もしくは減ったなどのお悩みを抱えている場合は、給湯器の号数を変更することをおすすめします。
ただし、ガス給湯器の能力ダウンであれば、「24号 → 20号」や「24号 → 16号」など幅広いケースで変更可能となっていますが、号数を上げて能力アップを図る場合は、号数の変更前に1度ガスメーターの確認が必要となります。
なお、能力の高いガス給湯器であっても配管の長さや太さによる抵抗、蛇口・シャワーヘッドの抵抗により出湯量が大きく制限されるケースがあります。
その場合、1箇所の給湯では給湯器本来の能力を最大限発揮できないことがあります。
ガス給湯器の交換や号数の変更をご検討中の施主様は、事前に配管条件、給水圧、給水温を信頼できる業者さんに確認してもらうと良いでしょう。
屋外と屋内どちらにガス給湯器を設置すべきか
ガス給湯器を交換する際、既存のものが設置されていた場所に新しいものを設置するのが基本となります。
しかし、新たに住宅を取得した場合やこれから新しく給湯器を導入する場合は、どこに設置するかをご家族で相談しながら決めることができます。
さいたま市では主に屋外に設置されることの多いガス給湯器ですが、近年の異常気象による給湯器へのダメージを考え、屋内への設置を希望されるご家族も増えています。
ただ、ガス給湯器を屋内に設置する場合、屋内でガスを燃やすことになりますので、どうしても火災などの住宅トラブルに対する不安が残ります。
ガス給湯器を屋外と屋内どちらに設置すべきか考えがまとまらない場合、
- ガス給湯器本来の能力を最大限発揮でいるか
- 使用時、大切な家族と住宅の安全を確保できるか
この2つのポイントを踏まえて設置場所を選ぶと良いでしょう。
ガス給湯器本来の能力を最大限発揮させるためには、吸排気がスムーズに行われるように吸気口と排気口の近くに障害物を置かないようにすることが大切です。
とくにお湯を作るために必要な酸素を取り込む吸気口まわりに障害物があると給湯器内で不完全燃焼が起こりやすくなります。
また、ガス給湯器には安全性を保つための設置基準が設けられていますが、本体内部でガスを燃焼させている以上、100%安全とは言い切ることができないのが現状です。
お湯を使用する際は、排気ガスを吸い込んだり、排気口などに手が触れてしまったりしないよう、正しい位置にガス給湯器を設置することが大切です。
このような給湯器トラブルが起こらないよう、ガス給湯器の設置を行う際は、ガス機器に関する高度な知識と技術を持つ「ガス機器設置スペシャリスト(GSS)」をはじめ、「給水装置工事主任技術者」「液果石油ガス設備士」「簡易内管施工士」などの資格を有する技術者に依頼するようにしましょう。
電気温水器の選び方
電気の力でお湯を沸かすことができる電気温水器は、ガスとは違い排気が無いので空気が汚れる心配がなく、タンク内にお湯を貯めておくことができるため、災害時でもお湯を使用することができることから、東日本大震災以降需要が高まっている給湯器のひとつです。
現在さいたま市内に設置されている主な電気温水器は、
- タンク内に温めた水を貯めることができる「貯湯式」
- 水道の蛇口をひねってから水を温める「瞬間式」
この2種類になります。
ガス給湯器に近い感覚でお湯を気軽に使いたいならば、湯切れの心配がない「瞬間式」がおすすめです。
一方、一定の温度に温まったお湯を直ぐに使いたい、災害時もお湯を使える状態にしておきたいとお考えであるならば「貯湯式」を選ぶと良いでしょう。
電気温水器を選ぶときは「リットル」に注目
現在日本で主流となっている電気温水器は「貯湯式」が一般的のため、1日にどのくらいのお湯を使用するのかによって設置する電気温水器が変わってきます。
たとえば、給湯器本体に貼られたシールの品番または型式に「ABC‐376 DE」と記載されている場合、タンク内に370リットルのお湯を貯めておくことができることを表します。
370リットルですと、家族4人世帯向けの容量となります。
しかし、祖父母や友人が宿泊することがある、これから家族が増える可能性があるご家族の場合、370リットルのタンク容量ではお湯が不足する可能性があります。
【電気温水器のタンク容量目安】
タンク容量 | 世帯人数 |
---|---|
150リットル | 1人 |
200リットル | 2人 |
300リットル | 3人 |
370リットル | 4人 |
460リットル | 5人以上 |
電気温水器の設置をお考えであるならば、1年を通して最大どのくらいの人がどれだけお湯を使用するのかをよく考えて「リットル」を選ぶようにしましょう。
電気温水器の設置について
さいたま市では、貯湯式の電気温水器が主流となっています。
貯湯式はタンク内にお湯を貯めておくためのスペースが必要となりますので、瞬間式よりも広めの設置スペースを確保する必要があります。
とくに室内に電気温水器の設置を希望される際は、設置するお部屋の面積が狭くなってしまうので置きたかった家具やインテリアを設置することができなくなる可能性があります。
また、電気温水器を設置する場合、「電気工事士」「給水装置工事主任技術者」「排水設備工事責任技術者」などの資格を取得している技術者に行ってもらうことも大切です。
専門の知識や技術力を有していない無資格の施工業者に依頼してしまうと、水漏れなどの温水器トラブルを招く原因となります。
さいたま市内にも電気温水器の設置に必要な資格を有していない無資格の施工業者も少なからずおりますので、電気温水器の設置・交換工事をご検討中のご家族は未然にトラブルを防ぐため資格を明示している専門の業者に依頼するようにしましょう。
気になる給湯器の交換費用と後付け費用
家族構成やライフスタイルの変化などにより、既存の給湯器を交換したいとお考えのご家族にとって気になるのが給湯器の交換費用ではないでしょうか。
ガス給湯器の場合、標準的な工事費用は平均3万円~7万円ほどで行うことが可能です。
標準的な工事とは、現在お使いのガス給湯器と同じタイプの給湯器と交換する際にかかる工事費用になります。
たとえば、24号の設置フリー ガス風呂給湯器の購入・取り付け工事の場合、「ガス給湯器本体価格 50万円+リモコン価格 6万円=56万円」に標準的な工事費用 3万円~7万円がプラスされ、1度の交換工事に59万円~63万円ほどかかることになります。
ただし、既存の給湯器とは異なるタイプや設置場所を変更するなどの場合、新たに工事費用がプラスされます。
とくにエコジョーズやエコキュートなどの省エネ給湯器を新たに導入する際は、排水工事などが行われる可能性が高くなりますので覚えておきましょう。
追い焚きなど新たに機能を後付けする場合
入浴中、お風呂のお湯を温めなおす「追い焚き機能」が欲しいと思ったことありませんか。
追い焚き機能とは、冷めてしまったお湯を抜くことなく温めることができる機能であり、節水・節約につながると近年注目を集めています。
しかし、既存の給湯器には追い焚き機能が無く、新たに機能を追加したくても機能の後付け費用が気になってなかなか依頼することができずにお困りのご家族もたくさんいます。
追い焚き機能を後付けする場合、まずは既存の給湯器に追い焚き機能が備わっているかどうかを確認しましょう。
給湯器には大きく分けて「給湯専用」「オート (セミオート)」「フルオート」の3種類あります。
メーカーや機種などによって若干異なりますが、設置されている給湯器が「給湯専用」の場合、自動追い焚き機能が備わっていないため、追い焚き機能を有している「オート (セミオート)」または「フルオート」の給湯器に交換する必要があります。
追い焚き機能を後付けする方法として、既存の給湯器と同タイプの自動追い焚き機能が備わっている給湯器と交換することがポイントです。
たとえば、既存の給湯器が給湯専用のガス給湯器を使用している場合、追い焚き機能が備わっている電気温水器やエコキュートなど燃料の異なる給湯器を選択してしまうと、返って電気代やガス代が高くなってしまう可能性があります。
公共料金と工事費用を抑えるためにも必ず既存の給湯器と同じタイプの追い焚き機能が備わっている給湯器を選ぶようにしましょう。
追い焚き機能を後付けする際にかかる工事費用ですが、追い焚き専用の配管とリモコンの設置、浴槽の穴あけ作業、浴槽への追い焚き配管の接続などの大掛かりなリフォーム工事が必要となるケースがあります。
給湯器の交換工事のみであれば費用相場は20万円~40万円ほどとなりますが、大規模なリフォーム工事が必要なケースでは工事費用が100万円を超すことも少なくありません。
ただし、なかには追い焚き機能を後付けできないケースもありますので、専門の業者さんに1度追い焚き機能を後付けすることが可能かどうか確認してもらいましょう。
給湯器の交換や機能の後付けを行う際は、必ず専門業者に依頼しましょう。
さいたま市では給湯器の耐用年数10年前後をきっかけに、給湯器の交換や機能の後付けをご検討されるご家庭もたくさんあります。
しかし、給湯器の交換や機能の後付けといったリフォーム工事を行う際には、高度な知識や技術力が必要となります。
四季彩ホームでは、給湯器の交換や機能の後付け工事に長けた熟練者による丁寧なリフォーム工事を心掛けております。
ぜひ、給湯器に関するお悩み等ございましたら、お気軽にご相談ください。