住宅の豆知識
給湯器トラブル発生!意外と知らない故障の原因と気になる交換時期

さいたま市は、1年を通して降水量が少なく穏やかで住み心地の良いまちとして関東地方でも人気の高い地域です。
とくに、冬は晴れる日が多く、朝の冷え込みも比較的弱いため、洗濯物や食器などの洗い物時や入浴時以外では給湯器を使用しないイメージを持たれている方々も多いのではないでしょうか。
しかし、実際のさいたま市は札幌市や仙台市に次ぐ低温地域であり、1月の平均気温は東北地方でもっとも温かいまちとして知られる福島県いわき市小名浜とほぼ同じ気温となっています。
いまでは日本で3番目に“寒いまち”としても知られており、給湯器が動かなくなってしまうと厳しい冬を越すことができません。
そこで今回は、さいたま市民にとって欠かせない住宅設備のひとつ「給湯器」の意外と知らない故障の原因や気になる交換時期についてご説明します。
そこで今回は、さいたま市民にとって欠かせない住宅設備のひとつ「給湯器」の意外と知らない故障の原因や気になる交換時期についてご説明します。
給湯器トラブルを引き起こす故障の主な原因

① 寿命
住宅設備のひとつである給湯器にも「寿命」があります。
給湯器の寿命は設置環境や使用頻度等によって若干異なりますが、およそ10年~15年と言われています。
なかには、新築時から1度も給湯器を変えておらず、かれこれ20年から30年ほど使い続けているご家庭もたくさんあります。
けれども、メーカーが定める設計標準使用期間よりも長く給湯器を使用していると、いずれ保守部品の交換ができず、メーカーによる修理対応を受けることができなくなります。
もしも、運よく修理対応が可能であったとしても、設計標準使用期間を超えていることで高額な修理・修繕費を請求されるリスクがありますので、給湯器を設置してから8年ほど経過したら1度保守点検を依頼することをおすすめします。
② 過度な使用
日本で3番目に寒いまちであるさいたま市では、12月から2月にかけて食器や調理器具の洗い物、シャワーや入浴、手洗い・うがいなど、さまざまなシーンでお湯を使う機会が増えます。
お湯を使う機会が増えれば増えるほど、給湯器への負担も増加していきます。
給湯器の能力は「号数」によって決まっており、給湯器の能力に応じない無理な使用方法を続けていると、寿命を迎える前に給湯器が故障してしまいます。
さいたま市の戸建て住宅における家庭用ガス給湯器の号数は、16号 / 20号 / 24号 が一般的となります。
1度に複数個所でお湯を使用する可能性が低い単身世帯であれば給湯器の号数は16号で問題ありませんが、1度に複数個所でお湯を使用する可能性の高い4人家族ではフルパワーな24号の給湯器を選ぶと良いでしょう。
現在ご使用中の給湯器の号数が分からない場合、給湯器本体のフロントパネルまたは側面に貼られた銘板シールにて確認することができます。
③ 天候・気温による影響
1年を通して降水量が少なく比較的穏やかな気候のさいたま市ですが、近年の異常気象により集中豪雨や大雪などによる給湯器トラブルが発生しやすくなっています。
また、台風などの影響による塩害を受けることもあるため、給湯器が屋外に設置されているご家庭は定期的に点検・メンテナンスを行う必要があります。
とくに12月から2月にかけて気温が異常に低くなる日は、配管に溜められた水が凍結してしまい給湯器の配管が破損してしまうケースがあります。
ほかにも、大雨や台風などの影響で給湯器内部に雨水が侵入したことで一時的に点火しにくくなる、給湯器内部に溜まったホコリやゴミが水分を吸収して不具合が生じる、強風による飛来物による破損などによる故障やトラブルも多いので、悪天候時や異常な低温時に少しでも給湯器の不調を感じたら直ぐに業者に点検してもらうようにしましょう。
④ 不凍液の劣化
現在設置されている給湯器に暖房機能が付いている場合、不凍液の劣化によって給湯器が故障してしまうことがあります。
給湯器本体の寿命は平均10年~15年とされていますが、不凍液の寿命は3年~5年と比較的短めです。
業者によっては給湯器設置後に不凍液に関する交換時期についての詳しい説明を行わないことも多く、故障したときにはじめて不凍液の交換が必要であることを知ったご家族も少なくありません。
不凍液が劣化してしまうと熱効率が悪くなるほか、循環液通路からの水漏れやポンプの故障などが起こりやすくなります。
不凍液の交換費用は暖房機能の規模によって異なりますが、メーカー純正の不凍液を使用する場合20リットルあたり10,000円~15,000円程度ですが、そこに不凍液入れ替え作業代金が加算されるため、ややお高めのメンテナンス費用となります。
給湯器の種類と交換時期

現在さいたま市の一戸建て住宅やマンション等の集合住宅に設置されている給湯器は、「ガス給湯器」が主流ですが、ほかにも電気や石油などを燃料とする給湯器も注目を集めています。
よく「給湯器の燃料によって寿命に差がある」と言われていますが、実際には給湯器に使用される燃料の違いによって寿命の長短に差が出るということはありません。
しかし、お住いの地域によっては給湯器の燃料と相性が悪く、メーカーが定める設計標準使用期間よりも早く故障・トラブルが生じる可能性があります。
ここでは、給湯器の種類別に主な特徴と平均的な交換時期についてご説明します。
ガス給湯器

ガス給湯器の燃料は、都市ガスまたはプロパンガスになります。
メーカーが定める設計標準使用期間10年を迎えるまでのあいだ、故障・トラブルの発生が少なく燃料制御もシンプルで優れた給湯力を持っています。
やや運転音が大きいため、近隣住民との騒音トラブルになりそうな場所や寝室・子ども部屋などの近くに設置するのは控えましょう。
ガス給湯器の交換時期は、設置後10年~15年を目安に行うのが良いとされていますが、各ご家庭によって使用頻度や設置環境等が異なるため、給湯器設置後8年を目安に1度保守点検を受けると良いでしょう。
なお、お湯の使用量に合わないガス給湯器を設置した場合、給湯器に過度な負担がかかり一般的な交換時期よりも早めに寿命を迎える可能性があります。
電気給湯器 (電気温水器)

電気給湯機の燃料は、名前のとおり「電気」になります。
メーカーによって異なりますが、電気給湯器の寿命は設置後8年~10年になります。
電気給湯器には、使用時にお湯を温める瞬間式とお湯をタンク内に貯めておく貯湯式があります。
キッチンやお風呂など複数個所でお湯を同時に使用する機会の多い一般家庭では、貯湯式の電気給湯器が設置されるケースが多いですが、1度に大量のお湯を使用してしまうと湯切れを起こしてしまう可能性があります。
ここ数年、さいたま市内でもオール電化住宅へのリフォームを希望されるご家族も増えており、電気給湯器の需要が高まっています。電気給湯器は設置地域に制限がなく、寒冷地でも安定的にお湯を供給することができます。
石油給湯器 (灯油ボイラー)

石油給湯器の燃料は、灯油です。
電気給湯器と同じく、石油給湯器の寿命は設置後8年から10年となります。ガス給湯器の平均的な寿命が10年~15年ですので、それに比べるとやや寿命が短めと言えるでしょう。
石油給湯器には、必要なぶんだけお湯を沸かす水道直圧式とタンク内に貯めた水を温めてお湯を作る貯湯式 (減圧式) があります。
以前は貯湯式の石油給湯器を設置するご家庭も多かったのですが、現在ではパフォーマンスとスペックの良い水道直圧式が主流となっています。
ガス・電気給湯器と比べ、寒冷地との相性が良いと言われていますが、降雪・積雪量が増える厳冬期になると給湯器の使用量が大幅に増加するため、ガス・電気給湯器と比べると若干寿命が短くなる傾向にあります。
ハイブリッド給湯器

ハイブリッド給湯器とは、お湯を使う箇所や用途に合わせて「ガス」と「電気」2つの燃料をうまく切り替えてお湯を作り出す給湯器のことです。
ガスと電気の良いところを組み合わせたハイブリッド給湯器は、少ない資源で効率的にお湯を沸かすことができるだけではなく、湯切れの心配不要、二酸化炭素の排出量を大幅削減、ガス・電気の停止時も使用可能、光熱費節約など、たいへんエコロジーな給湯器として注目を集めています。
自治体によっては助成金対象として扱っているケースもあり、新築・リフォーム時にハイブリッド給湯器を選択されるご家族もたくさんいます。
ただし、一般的な給湯器と比べ、給湯器本体のサイズが大きいことから広めの設置スペースを確保しなければならず、マンションなどの集合住宅では導入時に管理会社などから設置許可が下りない場合があります。
ハイブリッド給湯器の交換時期は、電気・石油給湯器と同じく設置後8年~10年となります。
ガス給湯器と比べると、若干寿命が短く感じるかもしれませんが、定期的に点検・メンテナンスを行うことでメーカーが定める設計標準使用期間まで安心・安全に使い続けることができます。
エコ給湯器

エコ給湯器とは、ハイブリッド給湯器と同じく、国や自治体による助成金対象に含まれている給湯器です。
優れた熱効率を実現した給湯器として注目を集めるエコ給湯器には、ガス式の「エコジョーズ」、電気式の「エコキュート、石油式の「エコフィール」の3種類あります。
エコキュートは大気の熱を利用することで熱効率を高める「ヒートポンプ式」、エコジョーズとエコフィールは排熱を予熱として使用する「潜熱回収式」による給湯が採用されています。
エコ給湯器の寿命は使用頻度や設置環境等によって変わりますが、エコキュートならば7年~10年、エコジョーズ・エコフィールはともに10年~15年が交換目安とされています。
給湯器の故障に火災保険が適用されるケースがある

- 急にお湯が出なくなってしまった
- 給湯器から異音、異臭がする
- リモコンが操作できない
- お湯の温度が安定しない
- 給湯器から黒い煙が上がっている
など、このような給湯器トラブルが発生した場合、給湯器が故障した可能性があります。
直ちに給湯器の使用を中止し、専門業者に給湯器の状態を確認してもらいましょう。
給湯器が故障した原因が、台風・積雪・落雷などの自然災害によるものであれば、給湯器の修理・修繕費を火災保険でまかなうことが可能となります。
ただし、放電やショートによる電気的な故障であった場合、火災保険の特約のひとつ「電気的機械的事故特約」に加入していないと火災保険が適用されませんので注意しましょう。
なお、給湯器が故障した原因が、
- 経年劣化
- メーカー、販売店の保証期間内
- 説明書に記載されていない誤った使い方をした
- 不当な修理・改造を行った
- 動物や植物の侵入による故障
などの場合、火災保険に電気的機械的事故特約を付帯しても補償を受けられません。
合わせて覚えておきましょう。
給湯器の故障やトラブルは早急に解決しましょう。

さいたま市は、1年を通して比較的降水量が少なく穏やかで住み心地の良いまちです。
しかし、近年の異常気象により屋外に設置された給湯器が突風による障害物により破損してしまったり、落雷や降雪により故障してしまったりするケースが増えています。
四季彩ホームでは、これらの自然災害による給湯器の故障・トラブルを火災保険の補償金にて修理・修繕等を行っています。少しでも給湯器の異変を感じたら、迷わずご相談ください。