住宅の豆知識

さいたま市の住宅バリアフリー化による助成金について

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2015年に内閣府が行った調査によると、埼玉県における高齢化率は24.8%と関東圏ではやや低めとなっていますが、団塊の世代が75歳を超える2040年には埼玉県の高齢化率が34.9%にまで上昇すると見込まれています。

そこで、さいたま市では2000年5月に成立した「交通バリアフリー法」に基づき「さいたま市バリアフリー基本構想」を策定し、2010年を目標にさいたま市内の計画的なバリアフリー化に取り組んできました。

かし、その後いくつかの課題が浮き彫りとなり、国は新たに公共交通機関や鉄道駅などの旅客施設と建築物のバリアフリー化を進める「バリアフリー新法」を施行しました。

これを受け、さいたま市では2020年を目標とし基本構想を改定し、更なるさいたま市内のバリアフリー化および事業促進に取り組んでいます。

また、バリアフリー基本構想の一環として、さいたま市内にお住いの高齢者がより安心・安全かつ快適な日常生活を過ごせるよう住環境の改善支援事業にも積極的に取り組んでおり、住宅バリアフリー化に伴う助成金の申請・支給を行っています。

ところが、さいたま市にお住いの高齢者の多くが住宅バリアフリー化に伴う助成金の存在を知らないため、住宅をバリアフリー化したくてもなかなかできずにお困りの高齢者も少なくありません。

今回は、さいたま市で受けられる住宅バリアフリー化による助成金の活用方法についてご紹介します。

さいたま市の高齢者向け住宅のリフォーム助成制度

国土交通省は、要介護・要支援の認定を受けた高齢者が住み慣れた地域で最期まで自分らしい生活を続けることができるよう、介護・医療・生活支援・住環境を包括的にサポートする地域包括システムの構築を目指した取り組みを行っています。

その取り組みのひとつに「高齢期の健康で快適な暮らしのための住まいの改修ガイドライン」も含まれています。

現在さいたま市では、

  • 介護予防高齢者住環境改善支援事業
  • 要介護高齢者居宅改善費補助事業
  • 居宅改善整備費補助事業

この3つの高齢者向け住宅リフォームに関する助成制度を行っています。

介護予防高齢者住環境改善支援事業

高齢者が自宅にて転倒・つまづき・ヒートショックなどにより要介護・要支援の状態にならないよう、住宅リフォームをご検討中の高齢者を対象とする助成制度です。

申請条件

  • さいたま市内に1年以上住み続けている65歳以上の高齢者
  • 在宅で生活している
  • 介護保険料を滞納していない
  • 「基本チェックリスト」において身体機能の低下による要介護状態になる可能性が高いと判定された

支給される助成金額

  • 介護保険料第1~第2段階:対象リフォーム金額相当額 (上限15万円)
  • 介護保険料第3~第12段階:対象リフォーム金額費用の3分の2 (上限10万円)

要介護高齢者居宅改善費補助事業

身体的な障害により日常生活に支障が出ている要介護・要支援の高齢者が自宅にて安心・安全かつ快適な人生が続けられるようにサポートすることを目的とする助成制度です。

申請条件

  • さいたま市内に1年以上住み続けている65歳以上の高齢者
  • 介護保険料の滞納をしていない被保険者
  • 要介護または要支援認定を受けている
  • 住環境が原因で介助者の動作に著しい障害が出ている

支給される助成金額

対象リフォーム金額費用の3分の2 (上限30万円)

居宅改善整備費補助事業

手足または身体に運動機能障害のある高齢者が、安心・安全かつ快適な日常生活が過ごせるように住宅の一部分をリフォーム工事するための支援を行う助成制度です。

申請条件

  • さいたま市内に1年以上住み続けている
  • 介護保険料等の滞納をしていない
  • 身体障害者手帳を持っており、肢体不自由1級から3級である

【注意点】

※ 所得によって助成対象とならない場合があります。

※ 介護保険・日常生活用具の給付対象となるリフォームなどは助成対象外となります。

支給される助成金額

  • リフォーム費用の3分の2 (上限30万円)

高齢者向けバリアフリー住宅リフォーム申請方法

さいたま市で受けられる高齢者向け住宅リフォームの助成制度を活用する場合、

  • 対象者が希望する助成制度の申請条件をすべて満たしている
  • 住宅リフォーム工事の内容が介護保険制度と同じ

この2つが必須条件となります。

バリアフリー住宅リフォームの申請方法は、まず居住地を担当している地域包括支援センターに相談し、リフォーム工事が適正かどうかを確認してもらいます。

リフォーム工事が適正と判断された場合、申請書と合わせて見積書や図面などをお住いの区役所高齢介護課に提出します。

後日、交付決定の通知を受けたら、リフォーム工事の着工となります。

リフォーム工事完了後、高齢介護課に報告し担当者による確認を終えたら、助成金の支払いが行われます。

介護保険との併用による住宅リフォームは可能?

2007年4月に施行された介護保険制度のサービスのひとつに「住宅改修費用の支給」が含まれています。

各自治体独自で行っている高齢者向けバリアフリー住宅リフォームの助成制度とは違い、介護認定レベルに関係なく高齢者1人あたり最大18万円支給されます。

ただし、介護保険による住宅リフォームの助成金支給対象の条件は、

  • 要介護認定にて要介護または要支援に認定されている
  • 福祉施設に入所しておらず、病院にも入院していない
  • リフォームを行う住宅の住所が被保険者の住所と同一であり、実際に本人が居住している

この3つの条件を満たしていることが必須となります。

さいたま市には、介護保険と各自治体の助成金支給対象条件の両方を満たしている高齢者もたくさんいますが、併用可能かどうかは各自治体によって異なりますので、1度保険福祉局福祉部障害支援課に相談されることをおすすめします。

バリアフリー住宅リフォーム対象となる工事内容

国土交通省では、

  • 長く健康的に暮らせる
  • 自立した自分らしい暮らしができる
  • 要介護や要支援が必要になっても暮らせる
  • 次世代へと受け継がれる長期優良住宅

この4つを介護保険制度における住宅改修工事のガイドラインとしています。

さいたま市独自の高齢者向けバリアフリー住宅リフォーム助成制度では、このガイドラインに基づき助成金支給の対象となる工事内容については、すべて介護保険制度にある住宅改修工事と同じ条件となっています。

介護保険制度における主な高齢者向け住宅改修工事内容

工事内容 リフォーム箇所 目的
手すりの取り付け 廊下、トイレ、浴室、玄関など 転倒防止、移動時のサポート
段差の解消 各部屋間、玄関周辺、玄関から道路までの通路 つまずき・転倒による怪我や骨折の予防
床材の変更 廊下、各部屋 滑ることで起こる怪我や事故の予防・足腰への負担軽減
照明器具の取り替え 廊下、各部屋、玄関 加齢に伴う視覚機能の変化による事故予防
ドアの交換 各部屋、玄関、浴室 要介護・要支援認定を受けてもドアの開閉が安易にできる、介助者の動作に障害が出るのを防ぐ
温熱環境の改善 浴室、各部屋 住宅の断熱性を高め、冷暖房設備を適切に設置・ヒートショックによる身体への悪影響を防ぐ

介護する人とされる人に優しい住宅リフォームを行うことが大切です。

さいたま市では、バリアフリー基本構想の一環として高齢者がより安心・安全かつ快適な日常生活を過ごせるよう住環境の改善支援を目的とする住宅バリアフリー化に伴う助成金の申請・支給を行っています。

しかし、バリアフリー住宅リフォームは、助成金制度や介護保険制度を利用することでお得に住宅リフォームを行うことができますが、将来を見据えたリフォーム工事を依頼しないと、介護する人とされる人にとって住み心地の悪い住宅になってしまう場合があります。

四季彩ホームでは、ご家族全員が安心・安全かつ快適な暮らしを続けられるよう、手すりの取り付けや浴室の床材交換といったバリアフリー住宅リフォームを行っています。

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