住宅の豆知識

2020年冬の雪予報。雪国に学ぶ自宅で出来る雪対策

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埼玉県の南東部に位置するさいたま市は、太平洋側気候の影響により冬の時期は晴れる日が多く、降水量も比較的少ないため、1年を通して穏やかで住みやすい町として、ファミリー層を中心にたいへん人気を集めています。

気象庁と日本気象協会より発表された2019年12月から2020年2月までの3ヶ月予報では、平均気温・降水量ともに全国的に平年並みまたは高く、降雪量は北・東日本の日本海側では少ないと予想されています。

しかし、近年の異常気象により、さいたま市を含む県内各地で度々局地的な大雪に見舞われるケースも増えており、2014年と2018年では、埼玉県全域で大雪による人的・住家被害が多数出ていることから、さいたま市では万一を考え、住民に大雪への備えを呼びかけています。

今回は、大雪による雪害を未然に防ぐため雪国に学ぶ自宅で出来る雪対策をご紹介します。

大雪への万全な備え

あまり雪が降らないさいたま市では、雪に慣れていない住民も多く、転倒によるケガや自動車等のスリップ事故などが起こりやすくなります。

そこで、さいたま市では大雪による人的・住家被害を最小限に抑えるため、大雪の予報が出た際は、不要な外出を控えるようアナウンスしています。

しかし、ここ数年の局地的な大雪は、気圧配置による寒気の強さや流れ込みの頻度などによる影響も大きく、朝は晴れていたのに、お昼ごろになったら突然雪が降ってきたということも少なくありません。

毎年冬になると大雪に見舞われる雪国では、積雪による流通支障やライフラインの停止などのトラブルに備えて、1週間分の飲食物、暖を取るために必要となる灯油などの燃料、発電機やカセットコンロなどを雪が降り始める前にしっかりと準備しています。

ほかにも、除雪に使用する雪かき用スコップ、スリップ対策用のスタッドレスタイヤやチェーン、湯たんぽや毛布などの防寒具、持病の処方薬と医薬品、長期停電用の予備電池と懐中電灯や携帯ラジオなども合わせて準備しておくと、いざというとき非常に役立ちます。

また、豪雪地帯に住む人々は、本格的な冬が来る前に大雪への備えに加えて雪囲いの設置や家屋の修繕・補強なども行っており、大雪による住家被害を未然に防いでいます。

大雪への備えとして準備しておきたい防災用品リスト

大雪への備えとして準備しておきたい防災用品は、年齢・性別・家族構成などによって必要となるものが変わってきます。

本格的な冬を迎える前に、何が必要なのかを事前にご家族で話し合い、リュックサック等に入れて直ぐに持ち出せる場所に置いておきましょう。

【一般的な防災用品】

  • 1週間分の飲食物
  • 灯油などの燃料
  • 常備薬
  • 予備電池
  • 携帯ラジオ
  • 懐中電灯またはソーラー手回し充電ライト
  • 着替え(下着を含む)
  • 運動靴
  • 現金 (お札と硬貨)
  • ホイッスル
  • 保険証などの身分証
  • お薬手帳

【あると便利なもの《 女性編 》】

  • サニタリー用品
  • カップ付きインナー
  • 洗い流さないシャンプー
  • スキンケア用品
  • 防犯グッズ

【あると便利なもの《 赤ちゃん編 》】

  • おむつ
  • おしりふき
  • 粉ミルクまたは液体タイプのミルク
  • 哺乳瓶
  • 母子健康手帳
  • 赤ちゃんが好きなオモチャ数点

【あると便利なもの《 高齢者編 》】

  • 服用中の処方薬
  • 老眼鏡
  • 入れ歯
  • 介護用品
  • 大人用おむつ
  • おかゆなどの柔らかく食べやすい非常食

除雪作業を行う際の注意点

雪が降ったあと、雪害から大切な家族とお家を守るために屋根や自宅周辺の道路等の除雪作業を行う必要があります。

しかし、どんなに雪に慣れている人であっても、屋根からの転落・落雪、梯子からの転落、除雪機の操作ミスなどによって、多くの人が雪害事故によって命を落としています。

さいたま市では、

◎ケガや事故に備えて2人以上で作業を行う

◎安全面を考慮した服装、装備で除雪作業を始める

◎晴れの日に雪下ろしをする際は、雪が緩んでいるので十分に注意する

◎高所の除雪作業時は必ず命綱、ヘルメット、安全帯等などを身に付ける

◎低い屋根の雪下ろしをする場合も油断は禁物

◎除雪作業に使用する用具類はこまめに点検、手入れを行う

◎しっかりと梯子を固定して転落を防ぐ

◎高所から転落してもケガをしないよう建物周辺に雪を残しておく

◎除雪機は必ず説明書をよく読んでから正しく安全に使用する

◎無理な除雪作業はしない

◎除雪作業を行うときは必ずスマートフォン等を持って行く

など、大雪後に行う除雪作業を安心・安全に行うよう案内しています。

除雪作業を行う際の注意点

自動車などのスリップ事故に繋がる路面凍結を予防するため、雪国では融雪剤を使用して雪を解かす対策がとられています。

融雪剤とは、化学反応や物質が発生させる熱を利用して雪を溶かすための薬剤です。

パラパラと撒くだけで雪を解かすことができ、除雪作業による身体への負担を軽減することから雪国では除雪作業の必須アイテムとして重宝されています。

しかし、融雪剤に使用される薬剤のなかには、植物やコンクリートに悪影響を及ぼしたり、撒いても効率良く雪を解かすことができなかったりするものも多々あります。

融雪剤による除雪作業をお考えの方は、融雪剤の成分をしっかり確認して用法・用量を守って正しく安全に使用しましょう。

大雪による住家被害は火災保険で補償

大雪・豪雪・雪崩などによって大切なお家や家財が被害を受けた場合、火災保険の雪災補償を利用することができます。

雪災補償とは、雪の重みや落雪等により住家被害を受けた際に利用できる損害保険金です。

大半の保険会社では火災保険に加入すると、初めから「風災・雹災・雪災」がセットになっていることが多いのですが、降雪量の少ない地域では、雪災補償が付いていない場合もありますので、火災保険に加入する際は「雪災補償」が付いているかどうかを確認しておくことをお勧めします。

雪災補償が受けられる雪害・雪災

雪災補償が付いている火災保険に加入しているのであれば、雪災・雪害による住宅・家財に損害を受けた際に補償を受けることができます。

しかし、雪によって住宅・家財に被害が出た場合であっても補償が受けられないケースもあります。

雪災補償が受けられる主なケース

  • 雪の重さで雨どいが破損した
  • 雪の重みで軒先がゆがんだ
  • 屋根からの落雪で給湯器が破損した
  • 雪が重くてカーポートが壊れた
  • 雪崩によって住宅と家財に被害が出た
  • 雪が解けたことで雨漏りが起こるようになった

雪災補償が受けられない主なケース

  • 雪の重みでカーポートが壊れ、愛車も被害に遭った
  • 落雪により隣家に損害を与えてしまった
  • 雪災、雪害による被害金額が20万円以下
  • 経年劣化による住宅、家財の損害
  • 雪災、雪害の損害を受けてから3年以上経過している
  • 融雪剤等による雪解け水で洪水や土砂災害に見舞われた

冬でも晴れの日が多く、降水・降雪量が比較的少ない穏やかな気候が特徴のさいたま市では、火災保険に雪災補償が付いていることをご存知無い方もたくさんいます。

2018年の大雪によって、住宅・家財に被害が出たという方は、3年以内であれば雪災補償の申請が可能ですので、この機会に1度信頼できる外壁塗装・リフォーム業者にお家を隅々までチェックしてもらうと良いでしょう。

雪が降る前に事前の準備が大切です。

近年の異常気象により、普段は雪の降らないさいたま市でも大雪による人的・住家被害が増えています。

2020年の冬は、気象庁・日本気象協会ともに例年通り穏やかな冬になると予想していますが、冬の天気は予想が難しいため、雪が降る前に事前の準備がとても大切です。

四季彩ホームでは、雪に慣れていないさいたま市にお住いの方々が安心・安全に暮らせるよう、お家の点検や修繕などを行っています。是非お気軽にご相談ください。

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