住宅の豆知識

妊娠中・出産後は控えるべき?理想的なリフォームスケジュールとは?

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日本では 古くから「妊娠中や出産後に住まいのリフォーム・リノベーションを行うと縁起が悪い」といったジンクスがあります。

いまでは迷信として扱われていますが、このようなジンクスが生まれた背景には 妊娠中や出産直後の女性を気遣う親心から生まれたとされています。

しかし、モノであふれた消費社会の現代日本では「荷物が増えて収納が足りない」「子どものために住まいの環境を整えたい」と考えるご家族も多く、妊娠中や出産後に住まいのリフォーム・リノベーションを始めるケースも少なくありません。

子どものイベントに合わせて住まいをリフォーム・リノベーションすることは 決して悪いことではありませんが、妊娠中や出産後の女性にとって 住まいのリフォーム・リノベーションは 肉体的にも精神的にも負担がかかりますので 注意が必要です。

ここでは、妊娠中・出産後に住まいのリフォーム・リノベーションを行う場合の理想的なリフォーム・リノベーションスケジュールについてご説明します。

妊娠中の理想的なリフォームスケジュール

妊娠中に住まいのリフォーム・リノベーションを行うことで

  • 出産後の環境変化が少なく子育てに専念しやすい
  • 子どもの居る生活をイメージしやすい
  • 引っ越し時の負担を軽減できる

といったメリットがあります。

しかしながら、妊娠中の女性は 赤ちゃんを育てるために欠かせない女性ホルモン「プロゲステロン」の分泌により 気分が沈み込んだり イライラしたりと 精神的に不安定になりやすく、さらに 疲労感・めまい・立ちくらみ・貧血・背中や腰への強い痛みといった体調不良も起こりやすくなります。

妊娠中の女性が無理なく住まいのリフォーム・リノベーションを実施する場合、できるかぎり心身への負担が少なくなるよう リフォームスケジュールを立てることが大切です。

住まいのリフォーム・リノベーションは 建物の構造によって異なりますが フルリフォームの場合 打ち合わせ期間を含め 完成までに平均6か月~8か月ほど掛かりますが、既存住宅の状態によって当初の予定どおりに工事が進まないことも多々あり リフォーム工事の工程を組み直して完成日や引き渡し日が遅れてしまうことも。

住まいのリフォーム・リノベーションを行う際には、不測の事態や想定外の工事が発生する可能性があることを踏まえたうえで なるべく出産予定日に重ならないよう リフォームスケジュールを組むことがポイントです。

なお、四季彩ホームでは 万が一 リフォーム・リノベーションの完成日や引き渡し日が 奥様の出産予定日に重なってしまう可能性がある場合には 引っ越しの準備や手続きなどを 旦那様がおひとりで進められるよう サポートいたします。

出産後の理想的なリフォームスケジュール

出産後に住まいのリフォーム・リノベーションを行う場合、

  • 子どもを含めたライフスタイルを具体的にイメージしやすい
  • リフォームの資金計画が立てやすい
  • 体力が回復するタイミングで引っ越しの準備ができる

といったメリットがあります。

しかしながら、出産したあとの女性のカラダは 妊娠前の状態に戻るための期間「産褥期 (さんじょくき)」に入ります。

産褥期では 妊娠・出産によって大きく変化したカラダを6週間~8週間かけて ゆっくりと元のカラダの状態へと戻すための期間になります。

このタイミングで無理をしてしまうと 産後の回復が遅れ カラダが元に戻らなくなってしまう恐れがあるほか、免疫力の低下による感染症のリスクが高まる、更年期を迎えたときの症状が重くなるといったケースもあり 日本では「産後の無理は一生祟る」と言われています。

出産後 産褥期に入った女性のカラダを気遣うのであれば、できる限り カラダへの負担を軽くするため すぐに住まいのリフォーム・リノベーション計画を進めるのではなく ゆっくりと時間をかけて リフォーム・リノベーションスケジュールを立てることが大切です。

四季彩ホームでは 産褥期に入った奥様の体調に配慮した 住まいのリフォーム・リノベーションスケジュールをご提案させていただいております。

妊娠中・出産後のリフォームで気を付けたいポイント

妊娠中・出産後に 住まいのリフォーム・リノベーションを始める場合、いくつか注意しなければならないことがあります。

2019年 信州大学などの研究グループが行った「子どもの健康と環境に関する全国調査 (エコチル調査)」により、妊娠中に住まいのリフォーム・リノベーションを行った女性から生まれた男児の外性器に先天異常が生じるリスクは高く、なかでも 内装リフォームを行った妊娠中の女性から生まれた男児への外性器異常の発生率は 妊娠中に住まいのリフォーム・リノベーションを行わなかった女性と比べて1.18倍も高いことが明らかとなりました。

しかしながら、停留精巣は1歳ごろまでに自然警戒することがあるため 男児の外性器異常以外の先天異常については 住まいのリフォーム・リノベーションと明らかに関連しているとは言い切れない点もあるとし、妊娠中に住まいのリフォーム・リノベーションを行うことで 子どもの健康と発育に どのような影響を及ぼすのかを明らかにする研究が 引き続き行われるとしています。

その後、2021年に 千葉大学が実施した 妊娠中の女性によるVOC (揮発性有機化合物) と生まれた子供の精神・運動発達の遅れに関する疫学的な分析により、妊娠中に ホルマリン・ホルムアルデヒドを扱う機会の多かった女性から生まれた子どもに発達の遅れが生じやすくなる可能性があることが発表されました。

ならば、出産後であれば 住まいをリフォーム・リノベーションしても 子どもに影響は無いのかと思われるかもしれませんが、住まいのリフォーム・リノベーション時に生じる騒音やニオイが 子どもの成長・発達に悪影響を及ぼす可能性があります。アメリカ・ウィスコンシンマディソン大学の研究によると、うるさい環境で過ごした子どもは 新しい単語や言葉を覚えるのに苦労するだけでなく 精神的にもストレスホルモンのレベルが高く、とくに 多くの言葉を覚える22ヶ月から30ヶ月ごろの子どもにとって 騒音は発達の妨げになることが研究により明らかとなりました。

また 住まいのリフォーム・リノベーション時に発生する化学物質を子どもが吸い込んでしまうと シックハウス症候群、アトピー性皮膚炎などのアレルギー疾患、喘息といった健康被害を招く原因となります。

ラダの小さな子どもは 大人と比べ 1回の呼吸量は少ないものの 呼吸によって取り込まれる化学物質の量は大人の2倍以上になりますので 出産後に住まいのリフォーム・リノベーションを行う際は 十分な換気・通気を心掛けることが大切です。

妊娠中・出産後は無理のない範囲で住まいのリフォームを始めましょう。

「子どものために住まいの環境を整えておきたい」とお考えのご家族もたくさんいます。

しかしながら、妊娠中・出産後の女性のカラダは とてもデリケートであり、精神的にも不安定な状態ですので 無理をして住まいのリフォーム・リノベーションを進めてしまうと 奥様にとっても子どもにとっても 良くありません。

四季彩ホームでは、妊娠中・出産後のカラダの状態に合わせ 無理のない範囲にて住まいのリフォーム・リノベーションプランをご提案させていただいております。

ぜひ お気軽にご相談ください。

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