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話題の「スキップフロア」とは?メリット&デメリットやリフォームのポイントを解説!

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住宅リフォーム・リノベーションをお考えのご家族を中心に「スキップフロア」のある家づくりが 話題となっています。

スキップフロアとは、1階や2階といった主要階の床面の一部分に高低差を付けることで 主要階から半階分だけ床面が高くなっているスペースのことです。

住まいの床面積に制限が出やすい さいたま市などの都市部では、住まいのなかに 複数の段差をつくり それぞれの空間に独立性を持たせることができる「スキップフロア」を取り入れることで 限られた土地を有効に活用して 開放感ある広々とした空間を生み出しています。

ところが 住宅リフォーム・リノベーションを始める前に「スキップフロア」と検索すると「スキップフロア 後悔」や「スキップフロア やめたほうがいい」といったマイナスなワードがたくさん出てきます。

ここでは 住宅リフォーム・リノベーションを始める前に 知っておきたい「スキップフロア」のある暮らしで後悔しないためのリフォームポイントをご紹介します。

スキップフロアのメリット

住まいにスキップフロアを取り入れることで 壁やドアを使うことなく 室内空間を仕切ることができます。

さいたま市では リビングの一角に 小上がりの和室を用意したり、1階と2階のあいだに中2階をつくって 子どものスタディースペースとしたりと 幅広い用途・目的で利用できる空間として 注目されています。

しかし、スキップフロアの魅力は それだけではありません。

スキップフロアの主なメリット

① 居室空間を有効活用できる

都心部などで多くみられる狭小地や不整形地といった 制限のある敷地に立つ住まいでは、縦方向に空間を広げることができるスキップフロアを取り入れることで 広々とした開放的な居室空間を実現することができます。

スキップフロアは 段差を利用することで 空間を仕切っており 壁やドアによる仕切りが必要ないため 敷地面積以上の広さを感じることができるのです。

また 段差によって 部屋どうしが繋がっていますので 床面積が増やせる、廊下が必要ない、部屋数を増やせるといったメリットがあります。

② ほどよく家族の存在が感じられる

子育て世帯や親世帯と同居している世帯では、家族間でのコミュニケーションが減ってしまうと 子育て世帯であれば 子どもに自己肯定感が生まれない、コミュニケーション能力が身につかない、夫婦間でのトラブルが増える といった問題が生じやすくなり、親世帯と同居している世帯では ライフスタイルや価値観の違いから親世帯との関係悪化、ストレスなどによる夫婦関係の悪化などのトラブルが起こりやすくなります。

スキップフロアのある住まいでは 生活空間が段差によって緩やかに繋がっていますので どのフロアにいても ほどよい距離感を保ちつつ 家族の存在や気配を ほどよく感じることができますので、無理をせずとも 自然とコミュニケーションが取れる生活空間づくりが可能となります。

③ 住まいの景観が良くなる

住まいにスキップフロアを取り入れることで リビングやダイニングなど 家族が集まる空間の仕切りがなくなり 広々とした開放的で立体感のある景観をつくり出すことができます。

スキップフロアへと続く段差によって 生活空間にメリハリが生まれ 個性的な住まいを演出することができるだけではなく、高低差のある不整形地によって生じた住まいのデッドスペースも1つのフロアとして有効的に活用することが可能となります。

また 住まい全体が1つの大きな居住空間となりますので 窓の配置を工夫することで 日当たりや風通しの良い住まいとなります。

メリットだけではなく デメリットも知っておこう。

スキップフロアのある住まいには たくさんのメリットがあります。

しかし、実際に スキップフロアのある住まいへと住宅リフォーム・リノベーションを行ったご家族のなかには「スキップフロアで後悔している」といった意見も多々あります。

住宅リフォーム・リノベーションにて スキップフロアを住まいに取り入れる際には、メリットだけではなく デメリットについても 知っておくことが失敗・後悔しないポイントとなります。

① 冷暖房効率が悪くなる

壁やドアで仕切らず 段差のみで居住空間を仕切っているステップフロアは「空調コストがかかる」「季節によって活用できない」といったデメリットがあります。

これは スキップフロアに限ったことではなく 吹き抜けのある住まいでも 同様の問題が発生します。

天井にシーリングファンを設置、各フロアに冷暖房を用意、床暖房の導入など 空気の循環効率を高める工夫や住まい全体の断熱性・気密性を向上させることが 冷暖房効率を悪化させないポイントとなります。

② 段差が多すぎる

子育て世帯や親世帯と同居している世帯では 転倒・転落リスクを避けるため 段差のないフラットな住まいづくりが求められます。

しかし、スキップフロアは 段差によって空間を繋いでいるため つねに段差を上り下りしなければならず、スキップフロアのデザインによっては 段差が急だったり 手すりがつけられなかったり スロープの設置が難しかったりしますので 必然と転倒・転落リスクが高くなります。

また 段差が多ければ多いほど 掃除機を持って階段を移動しなければならず、お掃除ロボットも使えないため 使用できる掃除道具が限られてしまうデメリットがあります。

とくに 天井の低いスキップフロアでは 掃除をする際に 腰をかがめなければならないため 掃除が嫌いになってしまうご家族も少なくありません。

③ 家族間でのプライバシー確保が難しい

壁やドアがなく 廊下もないスキップフロアは、どのフロアに居ても ほどよく家族の存在や気配が感じられるという安心感が得られる一方 家族間でのプライバシー確保が非常に難しくなります。

家族間におけるプライバシーとは 信頼と尊重で生まれると考えられており、つねに家族の誰かに見られている状態では 仕事や勉強に集中することができない、プライベートな時間を過ごせないといったデメリットがあります。

また 家族ごとに ライフスタイルや生活リズムが異なる場合、壁やドアがないことで 別のフロアから発せられた音やニオイが 住まい全体に伝わってしまい 仕事や勉強、睡眠を妨げる原因となる恐れがあります。

スキップフロアのリフォーム・リノベーションを行う際は、スキップフロアの利用目的などをご家族で きちんと話し合うことが大切です。

④ 住宅リフォーム・リノベーション難易度が高い

一般的な住宅リフォーム・リノベーションと比べ、スキップフロアのリフォーム・リノベーションは設計・施工難易度が高く、対応できるリフォーム業者が限定されてしまいます。

スキップフロアのリフォーム・リノベーションを行う際には 既存住宅を合理的な間取りにするための豊富な知識と経験をもつ設計士、優れた建築技術をもつ腕利きの職人でなければ 大失敗してしまう恐れがあります。

1度 スキップフロアのリフォーム・リノベーションを始めてしまうと やり直しができません。

後々に失敗や後悔をしたくないとお考えのご家族は 住環境アドバイザーに 相談されることをおすすめします。

老後に備えたスキップフロアづくり

日本におけるバリアフリーの定義は「障がい者・高齢者・妊娠中の女性・子ども連れの人などが生活するうえで障壁となるものを取り除き 物理的・社会的・制度的・心理的な障壁や情報面での障壁など すべての障壁をとりのぞくこと」であり、将来を見据えた住まいづくりをご検討されているご家族にとって スキップフロアの“段差”は 住まいのバリアフリー化を妨げる原因となります。

しかし バリアフリー先進国で知られる北欧では 障がい者・高齢者など 社会的な立場の弱い人たちの日常生活を 通常の社会環境に近付けることで 誰もが自分らしい生き方を実現できる社会づくりを目指す「ノーマライゼーション」を取り入れた 住まいづくりが 主流となっています。

たとえば 日本では 住まいのなかにある段差をなくす もしくは 最小限に抑えることがバリアフリーとしていますが、北欧では 住まいに緩やかで短い段差を取り入れることで 日常的に段差を上り下りすることで 体力・筋力の低下を防いでいます。

なお 2011年より 障がい者・高齢者を「福祉」のテーマとして捉えるのではなく「人権」のテーマとすることで 社会における障壁と偏見が障がいを生み出していると発想を逆転し、ノーマライゼーション条例を制定することで 障がいを抱える人たちが自立した生活をおくれる環境づくりを目指している さいたま市では、スキップフロアのある住まいへのリフォーム・リノベーションを行う際に 手すり・スロープの設置、幅広で緩やかな傾斜の段差を採用、滑り止め加工を施す などの対策を講じた リフォーム・リノベーションプランを提案する業者が増えつつあります。

スキップフロア リフォーム時の注意点

スキップフロアのリフォーム・リノベーションを行った場合、住まいの床面積が増えることになりますので 固定資産税が高くなります。

固定資産税とは、1年に1度 1月1日時点で不動産などの固定資産を所有している人を対象に課税される地方税になります。

さいたま市では【固定資産税=所有する固定資産の評価額「課税標準額」× 標準税率1.4% (100円未満切捨て)】にて算出されます。

なぜ スキップフロアのリフォーム・リノベーションを行うと固定資産税が増えてしまうのでしょうか。

その理由は 大きく分けて2つあります。

1つは 床面積が増えたことで「課税対象面積」が増えてしまったことが考えられます。

課税床面積とは 床面積によって支払う税金が変わってしまう際の目安となるものであり 戸建て住宅の場合【住まいの課税床面積=延べ床面積 (各階の登記簿面積の合計) 】にて測定されます。スキップフロアのリフォーム・リノベーションは 住まいの構造や床面積を変更する大規模リフォームとなりますので 床面積が増えるぶん 固定資産税も増額することになります。

しかし 直下の床面積1/2以内のスキップフロアであれば 床面積として加算されませんので 固定資産税を抑えることができます。

もう1つは天井高によって固定資産税評価額の算出方法が変わってしまうことです。

スキップフロアのリフォーム・リノベーションを行う際、スキップフロアの下空間と上空間の天井高を1.4m以上にしてしまうと 一般居室となってしまい 固定資産税の課税対象となってしまいます。

しかし、スキップフロアの下空間と上空間の天井高を1.4m以内に留めることで 固定資産税の対象から外れるため 個性資産税を抑えることができます。

ただし 各自治体によって考え方が異なるため「直下の床面積1/2以内、天井高1.4m以内」のスキップフロアであっても「特別な付加価値」として扱われ 固定資産税が増える場合があります。

スキップフロアのリフォームに関するご相談は四季彩ホームにお任せください!

スキップフロアのある住まいは、さいたま市などの都市部に多く見られる狭小地・不整形地など 制限のある土地を有効的に活用することで 日当たりと風通しの良い 広々とした開放的な生活空間を生み出します。

しかし、スキップフロアのリフォーム・リノベーションは 非常に難易度の高い設計・施工であるため 豊富な知識と経験をもつ設計士や腕利きの職人が在籍しているリフォーム業者でなければ 大失敗してしまう恐れがあります。

四季彩ホームでは、住環境アドバイザーや福祉環境アドバイザーなど有識者によるアドバイス、平面図と合わせて立体的な断面図を用いた打ち合わせを行うなど スキップフロアのリフォーム・リノベーションに関するご質問・ご相談を承っております。

ぜひお気軽にご相談ください。

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