住宅の豆知識

住まいの印象を改善!「雨だれ」による 外壁のしずく汚れ対策。

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普段の日常生活において 住まいの外壁を まじまじと見たり、じっくりと観察したりする機会は ほとんどありません。

しかし、食事や睡眠 家族とのコミュニケーションスペースとしての 大切な役割がある「住まい」を 太陽から降り注ぐ 強烈な紫外線や風雨から守るためには 定期的に外壁のお手入れ・メンテナンスを行う必要があります。

外壁のお手入れ・メンテナンスを怠ってしまうと カビや藻・コケなどの発生、金属製の建材・部材から生じたサビなどの汚れが付着し 住まいの美観性を著しく低下させて 住まいの第一印象を悪くしてしまいます。

外壁汚れのなかでも とくに注意したい汚れが外壁の窓枠や換気フードのまわりから 縦に伸びる黒いしずく汚れ「雨だれ」です。

雨だれは、汚れが付着した直後であれば すぐに対処することができますが、気付かず そのまま長い時間放置してしまうと 頑固なこびり付き汚れとなり、住まいの美観性だけではなく 外壁材の耐久性や機能・性能を低下させて 雨漏りや外壁内部の腐食といった深刻な住家トラブルを招く原因となります。

ここでは、厄介な外壁汚れのひとつ「雨だれ」から 住まいを守る外壁のしずく汚れ対策をご紹介します。

厄介な外壁汚れ「雨だれ」とは?

外壁汚れのひとつ「雨だれ」とは、外壁に付着した チリ・ホコリ、花粉、黄砂、排気ガスなどの汚れが 雨によって流された際、綺麗に流れ落ちることなく 外壁材の表面に留まり「跡」として 残ってしまった黒い染み汚れです。

東京都のベッドタウンである さいたま市は、比較的 降水量が少なく 都心部への交通アクセスが良いことから たいへん住み心地の良いまちとして知られていますが、凹凸のある外壁材を使用している もしくは 交通量の多い道路沿いに住まいがある場合、チリ・ホコリが溜まりやすく 排気ガスに含まれる油分・すす汚れが外壁に付着しやくなります。

そのため 埼玉県内にある ほかの地域と比べると さいたま市は 外壁に雨だれが発生しやすいと言えるでしょう。

外壁の雨だれは 汚れが発生して間もないタイミングであれば ご自分で洗い落とすことも可能です。

しかし 汚れの発生に気が付かず 長い時間 そのまま放置してしまうと、雨水では完全に洗い流すことができなかった汚れが 外壁材の表面にこびり付き 頑固な外壁汚れとなってしまいます。

こうなってしまうと ご自分では汚れを落とすことが難しくなり 専門業者によるお手入れ・メンテナンスが必要となります。

間違えやすい「雨だれ」と「液だれ」の違い

外壁に付着した チリ・ホコリや排気ガスなどの汚れが 雨水・雪解け水では完全に洗い流すことができず 外壁材の表面に残ったまま 放置されたことで生じる「雨だれ」によく似ている「液だれ」という汚れがあります。

液だれとは、外壁材を覆っている塗料が下へと垂れる現象です。

これまで 外壁塗装を実施後 10年ほど経過した住まいで起こりやすいと言われてきましたが、実際には 外壁塗装の施工不良によって生じている可能性が高いとされています。

液だれが生じる原因は 大きく分けて2つあります。

1つは 塗料に混ぜる希釈材の量を間違えてしまったケースです。

外壁塗装を実施する際 職人さんは 塗料に備わっている本来の機能・性能や耐久性を最大限発揮できるよう 塗料メーカーが定めた希釈率に応じて 水性塗料ならば水、油性塗料ならば専用の溶剤を使い 塗料を薄めていきます。

しかし、経験が浅く 技術力の乏しい職人さんが外壁塗装を行う場合 まれに希釈量を間違えてしまうことがあります。

塗料の希釈率を間違えてしまうと 塗料本来の機能・性能や耐久性が十分に発揮できず 塗りムラや乾燥不良が起こりやすくなり 液だれが生じる原因となります。

もう1つは 外壁材への塗料の厚塗りで生じるケースです。

外壁塗装工事では 塗料本来の機能・性能や耐久性を十分に発揮できるよう 下塗り・中塗り・上塗りの3工程で作業が進められていきます。

しかし、それぞれの工程を実施する際に使用する塗料の量が多すぎてしまうと 仕上がりが均一にならず 乾燥中や乾燥後に 塗膜がひび割れてしまう恐れがあります。

これまでは 経験が浅く 技術力の乏しい職人さんに多い施工不良とされてきましたが、現在では 意図的に塗装回数を少なくしようと 厚塗りを行う悪徳事業者による施工不良が原因で 液だれが生じているケースも増えています。

雨だれは 自然現象によって生じる外壁汚れになりますので 放置せず早めにお手入れ・メンテナンスを行うことで ご自分でも対処することが可能です。

しかし、液だれは 施工不良によって生じる外壁汚れになりますので 症状を改善するためには 専門的な知識と技術を持った熟練の職人さんによる対処が必要となります。

外壁に付着した「雨だれ」による 汚れを洗い落とす方法

外壁に雨だれによる汚れを見つけた場合、たっぷりの水とスポンジやブラシを使って 外壁材をゴシゴシと擦り洗いをされるご家族もたくさんいますが、雨だれ汚れは 一般的な外壁汚れとは違うため スポンジやブラシによる水洗いや擦り洗いでは きれいに洗い落とすことができません。

それどころか スポンジやブラシで 外壁材をゴシゴシと力強くこすってしまうと 外壁材が傷付き そこから雨水などが侵入し 雨漏りや外壁内部の腐食といった 住家トラブルを引き起こす原因となりますので 外壁材の擦り洗いは おすすめできません。

外壁に付着した雨だれは、大気中に漂うチリ・ホコリ、花粉、黄砂、排気ガスに含まれる油分・すすなどの汚れに加え 雨水に含まれる炭酸カルシウムなどの成分も含まれています。

こうした さまざまな汚れが 複雑に混ざり合っている雨だれは 一般的な水洗いや擦り洗いでは 完全に洗い落とすことは難しく、新築時のような外壁の状態にまで近づけるためには 適切な洗浄方法を用いて 外壁のお手入れ・メンテナンスを行うことが大切です。

ご自身で雨だれを掃除する場合

外壁に雨だれによる汚れが発生して それほど時間が経っていない場合、基本的には ご自分で対処することが可能です。

ただし 雨だれが発生している箇所、汚れの発生範囲、汚れ具合などによって ご自分での対処が難しい場合がありますので、その場合には 無理をせず 専門業者に外壁のお手入れ・メンテナンスを依頼されることをおすすめします。

① スポンジと中性洗剤で洗い落とす

外壁に付着した頑固な雨だれ汚れには 大気中を漂うチリ・ホコリや排気ガスに含まれる油分・すすに加え 炭酸カルシウムなど雨水の成分も含まれています。

こうした さまざまな汚れ成分が 複雑に混ざり合っている汚れを洗い落とすには 食器用洗剤や浴室用洗剤といった中性洗剤が効果的とされています。

外壁に付着した汚れを たっぷりの水で洗い流したあと、40℃前後のぬるま湯で薄めた中性洗剤をスポンジに含ませ 頑固な雨だれ汚れに馴染ませるように 優しく擦り洗いをします。

力を込めてゴシゴシと擦り洗いをしてしまうと 外壁材の表面に傷が付いてしまいますので、ほどよい力加減で優しく擦り洗いをするのがポイントです。

ある程度 汚れが落ちたら、洗剤が残らないよう たっぷりの水で洗い流してください。

外壁に洗剤が残ったまま放置してしまうと 塗料の変色などを引き起こす原因となります。

② 市販の外壁用クリーナーで洗い落とす

ホームセンターなどで購入できる外壁専用クリーナーを使用することで 中性洗剤では落としきることができなかった頑固なこびり付き汚れを落とすことができます。

ただし、ご自宅の外壁材の種類によって 使用できないクリーナーもあります。

外壁専用クリーナーを購入する際には 事前にご自宅の外壁材の種類について 家づくりを担当されたホームメーカーや工務店などに確認しておきましょう。

また 市販の外壁専用クリーナーによる洗浄方法は クリーナーの販売メーカーごとに 使用できる範囲、洗浄効果、洗浄方法などが異なります。こちらも併せて確認するようにしましょう。

③ 高圧洗浄機で洗い落とす

レンガやタイルといった外壁材であれば 高圧洗浄機によるお手入れ・メンテナンスが可能となります。

ただし いくつか注意しなければならないことがあります。

高圧洗浄機の非常に強力な水圧によって 雨だれによるガンコなこびり付き汚れを洗い落とすことはできますが、外壁材に サイディング、モルタル、ALCなどを使用されている場合 高圧洗浄後に外壁塗装を行う必要があります。

また 噴出される水の強さを示す吐出圧力「MPa (メガパスカル)」によって汚れを落とすパワーが異なります。

定期的な外壁のお手入れ・メンテナンス、洗車、窓・網戸のお掃除などに使用する場合 2MPa~5MPa前後、雨だれなど頑固な外壁汚れの洗浄、ベランダ・バルコニーのお掃除などに使用する場合 5MPa以上のパワーを出せるモデルを選ぶと良いとされています。

しかしながら、高圧洗浄機の吐出圧力の数値が大きければ大きいほど 外壁材や塗装に与えるダメージが大きくなりますので 扱いを間違えると 住宅内に水が入り込んでしまったり、ひび割れや剥がれなどが悪化したり ご近所さんの洗濯物を汚してしまったりと さまざまなトラブルを招く原因となります。

専門業者に依頼する場合

雨だれによる頑固な外壁汚れの洗浄を 外壁塗装業者やリフォーム業者などの専門業者に依頼する際には、複数の業者から相見積もりを出してもらうことをおすすめします。

さいたま市の事業者に外壁の雨だれ洗浄を依頼した場合、一般的な30坪の2階建て住宅であれば 足場仮設費用を含め 平均15万円~20万円ほどの費用がかかります。

雨だれと併せてカビ・藻・コケなどが発生している場合、専用の薬剤を使用したバイオ洗浄が有効です。

ただし 河川沿いなど湿気の多い地域に住んでいる、日当たりの悪い北綿の外壁の汚れを落としたい、細かな凹凸の多い外壁材を使用しているといった場合 バイオ洗浄の効果が十分に発揮されないことがあります。

バイオ洗浄による外壁のお手入れ・メンテナンス費用は 1m2あたり平均500円~800円と高圧洗浄よりもやや高めとなっています。

なお 専門業者に外壁のお手入れ・メンテナンスを依頼した場合、線状に使用する水道代は家主のご負担となり、見積もりには含まれません。

高圧洗浄のみであれば1回あたり1,000円~2,000円ほど、バイオ洗浄の場合 洗浄剤の塗布前と塗布後の洗い流しで2回洗浄を行うため 2,000円~4,000円ほどの水道代がかかります。

専門業者に雨だれの洗浄を依頼する際には 見積もりに含まれない 水道代も含めて 依頼先を決めるようにしましょう。

雨だれ対策リフォーム

外壁に雨だれが発生する主な原因は 外壁に付着したチリ・ホコリや排気ガスなどの汚れが 雨水や雪解け水によって完全に洗い流されず 水分だけが乾燥してしまい 汚れだけが残されて 黒ずみのような跡になってしまうことです。

外壁の経年劣化が進行している 築年数8年~10年ほどの住まいでは、塗装したての新築時と比べ 外壁の水や汚れを防ぐ効果が弱まっており 雨だれによる汚れが 下へ下へと どんどん伸び広がっていきやすくなります。

とくに 汚れが溜まりやすい 窓サッシ、換気扇の排気口、ガラリ (通気口)、ベランダ・バルコニーの手すり、電力線引込口・配電線用パイプなどは 雨水・雪解け水の通り道になりやすいため、住宅の美観性が著しく損なわれるだけではなく 住宅全体の耐久性や機能・性能にも影響を与える原因となります。

頑固な雨だれによる外壁汚れを防ぐには 定期的な外壁のお手入れ・メンテナンスを行う以外にも さまざまな対策・予防方法があります。

① 伝い水切りの設置

雨水・雪解け水の通り道になりやすい 窓サッシ、ベランダ・バルコニーの手すり、帯板などの下側に 雨だれを防ぐ専用部材「伝い水切り(水受け)」を設置することで 雨水・雪解け水が外壁を伝って下へと流れ落ちていくのを防ぐことができます。

伝い水切りは 1袋 (8個入) 1,200円ほどで 購入することができるため ご自分で取り付けられるご家族もおられますが、外壁材の種類によって 付属のビスでは設置することが難しく プラグを打ち込まなければならない場合があります。

また 伝い水切り設置後 水密性・気密性を向上させるためシーリングの打ち込みを行い ヘラを使って シーリングを均一にならして 雨水などの流れを調整する必要があります。

伝い水切りの設置リフォームを専門業者に依頼した場合、1箇所あたり平均2,000円~5,000円ほどになります。

窓サッシの色に合わせて ホワイト・グレー・ブラウン・ブラックの全4色からお選びいただけます。

② 外壁塗装の実施

窓の数が多い住宅や2階建て・3階建ての住宅にお住いの場合、雨だれが気になる箇所すべてに伝い水切りを設置していては 費用も時間もかかってしまいます。

四季彩ホームでは、外壁全体を雨だれによる汚れから 守ることができる セルフクリーニング機能が備わった 低汚染塗料や光触媒塗料といった機能性塗料を用いた外壁塗装をご提案しております。

低汚染塗料とは

低汚染塗料とは、大気中のチリ・ホコリや排気ガスに含まれる油分・すすといった汚れが外壁に付着しても 雨水や雪解け水と共に きれいさっぱり汚れを洗い流すことができるセルフクリーニング機能が備わった機能性塗料のひとつです。

住まいの美観性を保つことに特化した塗料であるため 塗膜表面の密度が高く 雨だれの原因となる汚れが付着しにくく カビ・藻・コケなどの繁殖も抑えることができます。

低汚染塗料が雨だれ対策に有効な理由として 親水性の高さが挙げられます。

親水性とは、水とのあいだに水素結合をつくることで 水に溶けやすく 混ざりやすい性質を持っていることを示す言葉になります。

親水性の高い低汚染塗料を外壁塗装に用いることで 雨や雪が降ると 水分と塗膜がよく馴染み 目に見えない汚れまできれいに洗い流すことができます。

現在 各塗料メーカーより 遮熱性・低帯電性・耐候性など 付加価値がプラスされた高機能な低汚染塗料が開発・販売されています。

光触媒塗料とは

光触媒塗料とは、太陽光を活用することで 外壁に付着した汚れを浮かせて 雨が降ったときに流れやすくするセルフクリーニング機能が備わった機能性塗料になります。

光触媒塗料のセルフクリーニングのメカニズムは 塗料に含まれる酸化チタンに 太陽から降り注ぐ紫外線が触れると 雨水・雪解け水が 水と酸素に分解される化学反応が起こります。

これを「光誘起親水化反応」と言います。

光触媒塗料は 光誘起親水化反応によって 有機有害物質を二酸化炭素と水に変化させて無害化することで 外壁に付着した汚れが 雨だれになるのを防いでいます。

光触媒塗料を外壁塗装に用いることで 酸化チタンが紫外線と反応し 外壁に付着したチリ・ホコリや排気ガスの油分・すすなどの汚れが分解され そこへ雨水・雪解け水が触れることで 雨だれの原因となる落としにくい汚れまで洗い流すことができます。

光触媒塗料は フッ素塗料に並ぶ高い耐久性と空気中の汚れを取り除く空気清浄機能を持ち合わせていますので ヒトと地球環境に優しく 家計にも優しい塗料でもあります。

厄介な外壁汚れ「雨だれ」を見つけたら 早急に対処しましょう。

最後に外壁塗装を実施してから8年~10年ほど経っている場合、窓サッシや換気扇の排気口、ベランダ・バルコニーの手すりなどから 下へと伸びる黒い染み汚れ「雨だれ」が発生しやすくなります。

雨だれが発生してしまうと 住まいの美観性が損なわれるだけではなく 外壁材の耐久性や機能・性能までも低下させてしまいますので 見つけたら 速やかに対処することをおすすめします。

四季彩ホームでは、屋根・外壁に関するリフォームのプロによる 雨だれの除去と雨だれ再発防止リフォームを実施しております。

ぜひお気軽にご相談ください。

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