住宅の豆知識

より快適な暮らしに!「土間」のある家にリフォームしませんか?

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農業で生計を立てている世帯の多かった 明治時代以前の日本では、玄関をくぐると「土間」と呼ばれる空間がありました。

土間とは、家のなかで唯一“土足で歩き回ることができる屋内空間”のことであり、農作業で使った道具の収納やお手入れをしたり 脱穀などの農作業を行ったり、かまどや水桶を据えて 調理・炊事場として利用されていました。

また、地面とほぼ同じ高さである土間を 玄関のそばに設けることで 衣服や靴などに付着した汚れを 居住スペースに持ち込むのを防いで 住まいの衛生環境を保つ役割も担っていました。

しかし、1960年代の高度経済成長をきっかけに 日本の住宅様式が大きく変化したことで 住まいの快適性や衛生環境を保つうえで 必ずしも「土間」が必要ではなくなり、いまでは外出・帰宅時に靴を履き脱ぎするだけのシンプルな玄関が主流となっています。

ところが リフォーム・リノベーションの潜在需要が高まっている30歳~50歳代の世帯を中心に 使い方や用途を限定しない柔軟さと多目的性、居室と戸外をつなぐ中間スペースとして フレキシブルに利活用できる空間として「土間」が再認識されつつあります。

土間がある家にリフォームするメリットとは?

① 掃除やお手入れがラクチン

家のなかで 唯一土足で歩き回ることができる土間の床材には タイルやコンクリートといった 硬くて丈夫な素材が使用されています。

いずれも 耐久性が高く 水に強い素材になりますので 水を流して 表面をモップやブラシでこするだけで 簡単に汚れを落とすことができます。

また 木材を材料とするフローリング材とは違い、鉱物類などの無機物を材料としていますので 変色・変質が起こりにくく 表面に傷が付きにくいため 大型の家具や家電製品などを設置・移動させたい場合であっても 床材の表面にひっかき傷やすり傷ができてしまう心配がありません。

② 野外・屋外で使用する道具の保管場所になる

野外・屋外で使用する 農具・園芸用品、子どものおもちゃ、スポーツ・アウトドア用品などの道具には 泥・砂汚れや草汚れがたっぷり付着しています。

多くのご家庭では 野外・屋外で付着した汚れを 家のなかに持ち込まないため 家の外や玄関で保管していますが、玄関スペースが狭くなり外出・帰宅時にぶつかってしまい たいへん危険ですし、屋外で保管してしまうと 紫外線や風雨の影響により 大切な道具が劣化してしまう原因となります。

土間があれば 家のなかに野外・屋外で付着した汚れが持ち込まれるのを防ぐだけではなく、大切な道具を安心・安全に保管することができます。

③ 戸外の延長線として室内空間を利用できる

土間の床仕上げ材として使用されている 三和土 (たたき) やコンクリートといった無機物は、水に強く 丈夫で耐久性のある素材ですので 野外・屋外で付着した 頑固な泥汚れや草汚れなどを気にする必要がなく 戸外の延長線感覚で気軽に利用することができます。

そのため、もしも 家庭菜園やガーデニングの作業中に 突然雨に降られてしまっても 土間があれば そこで泥や土を払い落としてから 家のなかに入ることができますので 室内泥だらけになる心配がありません。

また 自転車、三輪車、ベビーカーなど 屋外での使用がメインとなる乗り物を保管することができますし、なにより ニオイが気になる石油ストーブに使用する灯油 や 薪ストーブの燃料となる薪の保管場所としても重宝します。

④ 多様な用途で活用できる

時代に合わせて変化するライフスタイルのように「土間」の役割も少しずつ変化しています。

農業を生業とする世帯の多かった明治時代以前では 農具の保管やお手入れ、日中にできなかった農作業の続き、かまどや水桶を据えて 調理・炊事場として利用するのが一般的でした。

しかし、現代では 野外・屋外での使用がメインとなる乗り物やスポーツ用品などを管理・保管する収納スペース、家族の一員である ペットの居住スペース、趣味を楽しむ作業スペース、テレワーク・在宅学習などに取り組むスタディスペースなど 多様な用途・目的で土間を活用することができます。

【用途別】土間リフォームのメリット

土間リフォームで大切なことは「どのような用途・目的で土間を利用したいのか」が ポイントとなります。

家のなかで唯一 土足で歩き回ることができる屋内空間という強みを活かした土間リフォームをお考えであるならば、玄関もしくは勝手口。

非日常的な空間で 家族との特別な時間を過ごしたいとお考えならば リビング。

気軽なコミュニケーション空間を作りたいとお考えならば ダイニングやキッチン と、家のどこに土間をつくるのかによって 家の住み心地や使い勝手が大きく変わります。

玄関・勝手口

玄関に土間をプラスすることで 自転車・ロードバイク盗難対策、食料品・生活用品の一時保管、災害用品の準備、来客時の対応など その時々で多様な使い道が可能となります。

勝手口に土間をプラスすることで ゴミ袋の一時仮置き場として利用できる、雨の日でも身体が濡れない、屋外にサンダルなどを出しっぱなしにしなくて済む、勝手口から侵入する砂ぼこりを防げる、暖房器具の燃料置き場になる、宅配業者の対応がしやすくなる などのメリットがあります。

リビング

リビングと土間を組み合わせて 居室と戸外の境界線を曖昧にさせる「土間リビング」へのリフォームがおすすめです。

リビングに土間を取り入れることで 子どもと大人で楽しめるプレイルーム や 趣味の時間を過ごす多目的スペースとして ライフスタイルや家族構成に合わせてフレキシブルに活用できる空間となります。

リビングに土間をつくることで 食事の食べこぼしや飲みこぼし、ペットのお粗相などで 床が汚れてしまっても 水とモップがあれば 簡単に汚れを洗い落とすことができ シミも残りません。

また、家具を移動した際に気になる床材への跡や傷も付きにくいため 重量のある家具や床材への傷付きが気になるイスを配置したり ペットとのふれあいを思いっきり楽しんだりすることができます。

ダイニング・キッチン

ダイニングやキッチンを土間仕様にすると 家族のプライベート空間を守りつつ 親しい友人・知人とのお茶会やホームパーティ、自宅でのバーベキューなどを楽しむことができます。

食器を落として割ってしまっても ホウキとちり取りさえあれば簡単に片づけられます。

また 調理中に飛び散る水・油汚れ、食事中の飲みこぼしや食べこぼしといった シミが残りやすい汚れも水とモップがあれば きれいに洗い落とすことができます。

土間は 土足で歩き回ることができますので 家庭菜園で収穫した新鮮な野菜を土が付いたまま運び入れたり、スーパーなどで買ってきた たくさんの食材を 靴を履いたまま 玄関からキッチンへと運び込んだりすることができます。

ガレージ・庭

ガレージや庭テラスに土間をつくることで、天気を気にすることなく 趣味の時間を満喫したり 思いっきり子どもたちを遊ばせたりすることができます。

趣味の作業部屋として より実用性のある空間にしたいとお考えならば、土間リフォームを実施する際に 水栓やコンセントを併せて設置しておくと良いでしょう。

水栓とコンセントを設置することで ペットのお手入れ、日曜大工・DIY作業、自転車・自動車のメンテナンス、汚れた道具や衣類の洗濯・乾燥など より幅広い用途で利用することが可能となります。

土間リフォームの主な注意点

さまざまな用途や目的に応じて利活用できる とっても便利な土間ですが、一方で 土間リフォーム・リノベーションを実施して失敗した、後悔しているといったご家族も少なくありません。

既存住宅への土間リフォーム・リノベーションを始める際には 土間の良いところだけではなく 悪いところも きちんと知っておくことが大切です。

① 冬場は冷えやすい

地面とほぼ同じ高さの土間には 床下に空気の層が無いうえ 熱伝導率の高い床材が使用されているため 地面の冷気が伝わりやすくなります。

そのため 気温の高い夏場は 土間に触れるとひんやりと冷たくて気持ちが良いのですが、気温が低くなる冬場は 熱が奪われてしまい 底冷えする原因となります。

とくに リビングやキッチンなど居室スペースに土間をつくる場合、隣接する部屋も底冷えする可能性がありますので 住まいの気密性・断熱性を向上させる、床暖房を導入する、暖房器具を設置する など 住まいの防寒・冷え対策をしっかりと行う必要があります。

② 湿気がこもりやすい

雨雪に降られて濡れてしまった雨具や洗ったばかりの子どものおもちゃを きちんと乾かさず 土間に収納・保管したり、頻繁に 洗いたての湿った洗濯物を 土間に干したりしている場合、湿気がこもりやすくなり カビ・ダニの発生やシロアリの侵入による健康被害や住家トラブルを招く原因となります。

また 居室と戸外を繋ぐ中間スペースである土間は 温度差が大きく 結露が発生しやすい場所でもありますので 湿気と結露により 湿度の高いジメジメとした環境を好むカビ・ダニ、シロアリにとっては 繁殖に最適な環境となります。

土間の湿気・結露対策として 住まいの気密性・断熱性の向上、換気性・通気性の確保が重要となります。

③ 住まいのバリアフリー化が難しい

リビングやダイニングなど 居室スペースの一部を土間にリフォームする場合、どうしても 家のなかに“段差”が生まれてしまい 住まいのバリアフリー化が難しくなります。

年齢を重ねると 小さな段差でも つまづきや転倒の原因となりますので できる限り段差を低くする、スロープや手すりを設置するなど 将来を見据えた土間リフォームを実施することが大切です。

土間のある家へのリフォームは四季彩ホームにお任せください!

家のなかに「土間」があることで 居室と戸外の境界線が曖昧となり より日常生活の利便性を向上させることができるほか、境界線が曖昧だからこそ生まれる ゆとりを感じることができます。

しかし、土間リフォームを行うことで 家のなかに段差が生まれ バリアフリー化が難しくなる、部屋が狭く感じる、熱伝導率が高く 住まいの断熱性に影響を与えてしまうといったデメリットもあります。

四季彩ホームでは、どのような用途・目的で土間を利活用したいのか ご家族の要望をしっかりと汲み取り 後悔しない土間リフォームプランをご提案しております。

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